立夏、帰国

昨日とはまた違う、最終日の朝

ダイヤルアップによるネット接続を最後にようやく果たせて嬉しかった昨夜は、その成果を置き土産に残しておきたい気持ちで、現地での最後のアップロードにいそしんだ。

一日延びた滞在を充分に楽しんだ今度こそ最後の夜、明け方までログ入力に精を出していると、滞在最終日分が随分長いログになってしまう。結局、数回分に分けることとして、<その1>だけをアップロードしてから、ちょっとだけ寝た。徹夜できないところが、やはり、もう年だ。

遅い朝食──バンクーバーにいるとどうしても3食全てが遅くなる──を済ませて、ロビーに降りる。精算書をもらうべく、チェックアウトを告げる。

クイーン・エリザベス・パークとナット・ベイリー・スタジアム
クイーン・エリザベス・パークと
ナット・ベイリー・スタジアム

と、ちょうどその時、僕たちが昨日、一応、連絡を入れておいた現地係員の向井さんがやって来られる。「ぴったりのタイミングで来られるものだな」と一瞬、思ったけれど、よく考えてみれば、僕たちが部屋から降りてくるのをずっと待ってくれていたのだろう。精算書のことで確認したいことも、向井さんの通訳のおかげで、あっけなく片付いてしまった。本当は「耳のきこえない男と英語の通じない女」がどこまで頑張れるのか、最後にもう一度フロントと交渉してみたかったのだけれど、まあでも、最後の日の朝は無難な方がいいだろう。

空港までも向井さんの車で連れて行ってもらえ、随分と早くに手続きも済む。

向井さんは、バンクーバー空港の行く先々で色んな方と挨拶される。「今の方はカナダグリコ(*)の社長」だとか、カナダ旅行業邦人受入協会会長を務めているというその非常に陽気で人のいい性格ゆえの顔の広さがうなずける。

グリコにかけた僕らのバンクーバーは──「一旅で二度おいしい」。


*ジャイアントポッキーのメイプルバージョンが有名なカナダのお土産

バンクーバー空港のスタバで

出発までまだある時間を、もうお土産を買う予定もない、残り5ドル少々しかキャッシュを持ち合わせていない僕らは、コーヒーくらいは最後に飲めるだろうと、スタバに座ってゆっくり過ごすこととする。

ついでだからテーブルの上でLaVieを開く。と、これまたちょうどよいことに(そのつもりではなかったのに)足もとに電源のコンセントがある。しっかり(ちゃっかり)使わせてもらった。

もう一度残りのキャッシュを確かめる。使い切って帰りたいキャッシュで何がまだ買えるだろうか? クッキー一枚¢50也。ならばもう一枚は買えるなとポケットの中をさぐってみる。クォーターがひぃふぅみぃ・・・。GST(税金)が7%、ということは手持ちの全財産$1.07で2枚ぴったりと買い切れてしまった。喜ぶようなことじゃないけど、おかげで僕ら2人の財布の中からは、60ドル分のT/Cを残してカナダのお金がきれいに消え去ってくれた。

夕暮れ
夕暮れ

万が一もう一度ハプニングがあったら困るから、やはり最低、電話するのに必要なクォーター一枚は残しておくべきだったかな。でも、もうカナダに思い残すことはないという意味でも、宵越しの金を持たない江戸っ子じゃないけど、本当にすっきりとした気持ちになることができた。

バイバイ、カナダ

昨日に比べて今日は随分早くに(本来あるべき時間通りに)搭乗口が開き、乗客が機内に乗り込んでゆく。

昨日と同じように、通訳者のYさんがひっそりと目立たぬように立っている。広いはずのバンクーバー空港、でも、Yさんには朝、手荷物を預けたときにもすぐにお会いした。帰国便に乗り込む時、こうして挨拶できる人がいるというのも嬉しいものだ。最後のご挨拶をして別れることができた。

バンクーバーにいると全く忘れてしまっていたけれど、機内で読んだ(バンクーバーより一日早い日付の)朝日新聞で、昨日が子どもの日であったこと、そして今日、5月6日が立夏であることを知る。昨日今日はバンクーバーも好天だった。バンクーバーにも、初夏の気配が漂っていたろうか。

機内から見るバンクーバー市街
機内から見るバンクーバー市街

太平洋に面する都市、バンクーバーは、乗客を乗せたジェット機が離陸してからも長い時間、機内の窓からずっと眼下に景色を見続けることができる。バンクーバー市街地が小さくなっていった後もなお、ビクトリア島が、そしてロッキーの山々がしばらく見下ろせる。旅の終わりを締めくくってくれるのにふさわしい余韻をもたらしてくれる。

他にうまい言葉がないから「さらば、バンクーバー」

そして、「バイバイ、カナダ」。


 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。