連峰にのびるマリア・テレジア通り

アルプスの帝都

南のイタリア側から入る旧道が凱旋門をくぐってインスブルックの目抜き通り、マリア・テレジア通り(Maria-Theresien-Straße)に出ると、ノルトケッテ連峰を背後に美しい絵柄をつくる眺望が目前に広がる。

マリア・テレジア通りの中ほど、旧市街の入口に立つのは聖アンナの柱(Annasäule)。

聖アンナの柱 Annasäule

1706年に起きたスペイン王位継承戦争の際、バイエルン軍の攻勢から町を守り抜いたこと記念して建てられた。バイエルン軍を撃退した日(1703年7月26日)は聖アンナの祝日となっており、オーストリア切手の絵柄にも採用されて2006年7月26日に発行された。

喜びと悲しみ

前回記した15-16世紀のマキシミリアン1世に加え、18世紀、女帝マリア=テレジアの治世もインスブルックにとって栄光の時代であった。

凱旋門は女帝マリア・テレジアが、息子のレオポルト2世とスペイン王女との結婚を祝って造らせた。本来、戦勝を記念する凱旋門を結婚祝いに建てさせるところがいかにもハプスブルク家らしい。

「喜びと悲しみ」の記念、凱旋門(Triumphpforte)
「喜びと悲しみ」の記念、凱旋門(Triumphpforte)

ところが竣工直前、当時としては珍しく初恋を貫いて結ばれた最愛の夫フランツ1世が急逝したため、この凱旋門は南面に喜びを、北面に悲しみを表す装飾で完成した。宮廷とチロルの人々に1765年という年がもたらした歓喜と喪の日々の記念である。


 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。