多士済々の世界のライバル達

多士済々

アイルランドのREID選手と
アイルランドのREID選手と

前回の続きで僕の右後方、サングラスをしているのがアイルランドのREID選手(画像は下側)。LEPHEANA選手が抜けた後、MAHLAKE選手らと第3集団を形成。

28歳の彼は5千と1万とマラソンにエントリ。そういう例は珍しくない(プラス3000障害という強者までいるくらい)のだが、5千はマラソンの前夜6時半スタート。「11時間後にスタートするマラソンの前に本当に5千を走るのかな?」と今回は全員、マラソンに絞ってやって来ている日本チームは皆、興味津々だったのだけれど、彼は強行していたようで15分41秒で5位。

それだけでも凄い(あきれる)のだが、なお凄いことが・・・。今回の台北デフリンピック、運営の素晴らしさは目を見張るものがあるのだが、サイトの充実度も然り。全選手の顔写真、出場種目、結果ページへのリンク、生年月日・・・まで分かる詳細ページが検索から辿れるようになっている。

例:KANEKO Seiichi (1967)

デフリンピアンの証

さらに国際ろう者スポーツ委員会(ICSD) サイトでは過去大会への出場履歴まで分かるようになっている。加えて全大会全選手の出場種目と入賞以上はその結果も分かるようになっている。出場の証がずっと管理されて残ってゆくことは選手にとっても非常に光栄だし、他国の選手のことも分かって面白い。

例:KANEKO Seiichi (1967)
顔写真が未だない・・・のは今回のマラソン選手は遅れて現地入りしたため(泣)

アイルランドのこの彼、なんと4大会前のコペンハーゲン大会(当時15歳)では水泳のバタフライとメドレーリレーの選手として出場している(!)、リレーでは銀メダルというから凄い。

今回の日本チームも15歳の水泳選手が金メダルを獲った、前回は16歳選手が金2、銀1だったように水泳は若い学齢期の選手の活躍するケースが多い、20代ともなると逆に苦しい・・・というようなことを僕も関空行きの水泳チーム選手らと帰りの桃園空港で話していたのだけれど(向こうも陸上やマラソンのことに興味を持ってくれて楽しかった、もっと話したかったのだが搭乗時間になってしまった)、それにしてもバタフライから陸上の長距離に転向とは!

まあでも彼も5千の記録がいいように、水泳で心肺能力が常人を上回って鍛えられている分、長距離にも力を発揮できそうである。水泳チーム選手らにとって短い選手寿命のことは死活的なことでもあろうから、この例を教えて上げたかったな。今度、会ったら陸上への転向を薦めてみよう。

下見バスの時から明るいなぁ、と思っていた通りでアイルランドチームの旗手を務めていたのかな? チーム内でも非常に人気者といった感じだった。

恐るべしベテラン

スタート後
スタート後

再掲写真右側、青・白・赤のトリコロールユニフォームがフランスのTOUNSI選手。

彼はデフリンピック大会記録(2時間24分18秒)と世界ろう者マラソン記録(2時間14分45秒)の保持者。いずれも20年前、27歳の時に出した記録。メルボルン時のブログでも述べたけれど、ちょうど僕の今回の記録がベストから12分遅れているように、シーズンレースと真夏のデフリンピックとではどうしてもかなりのタイム差が出てしまう。


画像出典:2009年臺北聽障奧林匹克運動會(デフリンピック公式サイト)

僕はメルボルン大会前からTOUNSI選手の名前は知っていたけれど、もう「過去の」選手とばかり思っていた。それが昨年の世界選手権で選手として出場しているを知ったときにまず驚いた。セレモニー的な招待選手かと思いきや、48歳になった今もバリバリの現役。今回のレースも日本勢に続く5位入賞。10000mは32分47秒で6位入賞。

48歳で32分台・・・って凄すぎる! 何度もいうようだけれど、前回も今回も、ここに書いたタイムは全て気温35度前後でかつ終始湿度70%超の台北でのコンディション下でのこと。通常なら1万mで1分以上は違っている。20年前の2時間14分といったら、今だったらサブテンクラスの実力。しかも出場した大会はロンドンやベルリンのような高速レースだったわけでもなかったよう。本当に今回優勝のケニアKIPTUM選手といい、デフリンピックのトップレベルは聴者レベルと何ら遜色ない。

それにしても48歳、20年を経て3度目のデフリンピック出場・・・。日本選手団もMASAHITOさん(44歳)と僕(42歳)と2人もいい年だけれど、まだまだ引退できないね。

非常に気さくでゴール後は彼の方から記念撮影を依頼された。世界記録保持者と一緒のレースを走ってツーショットにも収まるなんてこの上ない名誉なのに残念ながら僕のカメラでは撮影されていない。もう一度、写真を撮るべく次回を目指さねば。

今日のNHKゆうゆうワイド
今日のNHKゆうゆうワイド

今日のNHKゆうゆうワイドに出演させていただきました。本当に好意的に取り上げていただき感謝しきりです。ありがとうございました。(出発前に気合いを入れて切ってから向かった髪も今まただいぶ伸びました)



 

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 comment
  1. 有田 より:

    ご無沙汰ですm(__)m
    無名(自称)の有田in名古屋市在住ですが、
    覚えていますか・・・?(汗)
    全国ろうあ者体育大会in長野県で
    一緒に5千mを走った者ですが(ボソボソ)
    9/14付の「ひと安堵」にコメントを入れましたが、
    反映されていなかったようでした(汗)
    遅ればせながら、銅メダルおめでとうございます!
    金子さんに続き、Nさん、Yさんもゴールで、
    日本勢はやはりマラソン王国 KEEPなんだなと
    実感させられました。
    自分は、無事?大学を卒業し、
    会社の駅伝部で鍛えています。
    Yさんからのアドバイスを頂きながら、
    1万mからフルマラソンへ転向しようかなと
    考えております。
    よろしければ、金子さんからも
    アドバイスを頂きたいなと思っています。
    金子さんとは音信不通になってしまったので、
    メールアドレスをついでに入れておきます。
    以上、よろしくお願いいたします。

  2. より:

    有田君、こんばんは。お久しぶりですね。
    もちろん、覚えていますよ。
    一目見て有田君の才能の高さを感じましたから。
    当時、僕も「十代の若者の台頭」と書きました。
    第37回全国ろうあ者体育大会/完走記http://silentsheep.net/kansouki/2003ry/2003rou-nagano.html
    彼らの走る向こうに待っている未来が、何となく見えてくる気がした。
    あれからT君もデフリンピックのメンバーに選ばれました。
    今回の結果でさらにまた全国のろう者陸上が活気づき、これからマラソンに燃える人が全国にたくさんいるようですよ。
    是非、有田君も!
    世界のライバルと競うためにともに日本長距離のレベルアップをはかってゆきましょう!
    メールは別に送っておきますね。

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