メダルより嬉しかったこと

持ち帰ることはできないけれど

メダル獲得というのは、形あるモノとしてのメダルが与えられることで本人が語らずとも競技内容の説明を容易にしてくれる。結果を証明し、保証してくれる。「銅メダルおめでとう」と祝福してもらえるように、本人に代わっての代名詞としての役割を果たしてくれるところが大きい。

もちろん、それも手放しに嬉しいと同時に、僕にとってメダル以上に嬉しかったのは、表彰式で日の丸を掲揚できたことである。

2005年メルボルン大会男子マラソン表彰式
2005年メルボルン大会男子マラソン表彰式

メルボルン大会時のブログでも述べた。表彰式でバララットの空にはためくアフリカ勢国旗を眺めていたとき、「ここに日の丸を掲げられたならどんなにか気持ちよかったろう・・・」と。

「今度こそ自分の結果で日の丸を掲げたい」「表彰式で仰ぎ見たい」「センターポールにはためかせたい」──その意志が今回の僕の強いモチベーションとなった。


取材あれこれ2/デフリンピック出場記

表彰台に立つこともメダルをもらうことも、国内のレースならたくさんあった。でも、自分の順位を称えて、というより国を代表して走ったことに対する国家への敬意として日の丸を掲げられるチャンスなんて人生にそうあることでない。

結果、前回大会同様、1位2位を占めたケニア勢に続いて、3位に食い込むことができた。翡翠彎の空に日の丸をはためかせることができた。日の丸が揚がってゆくときは感無量だった。これこそが僕の望んでいた瞬間だった。願わくばセンターポールの、そしてたとえきこえなくてもそこに国歌の流れていたならなお良かったが、僕にとってはこれ以上ない結果だった。

メダルと違って持ち帰ることのできないものだけれど、最高に幸せな時間だった。


男子マラソン表彰式
男子マラソン表彰式
1位2位ケニア、3位日本

女子マラソン表彰式
女子マラソン表彰式
1位スウェーデン、2位日本、3位イギリス

(画像提供:MASAHITO様)


 

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