念願、悲願、大願のメダル獲得

ロートルも執念を見せた

21ST Taipei Summer Deaflympics 2009
Men's Marathon Bronze Medal

悲壮感を持ち合わせることなく若い選手らが颯爽とメダルを獲得するのに対し、一方で僕がそうであるように、執念でメダルを勝ち獲ったケースもある。バドミントン(混合ダブルス)の男子選手が2大会ぶりの銅メダル。また、テニス(同じく混合ダブルス)の男子選手は3大会目で初めての銅メダルを獲得。

出場経験という点で今回のメダルの内容をみると面白いことが分かる。日本選手団メダル総数20個の内訳は男子7、女子11、男女混合ダブルス(テニス・バドミントン)2なのだが、内、女子はいずれも初出場でのメダル獲得か、連続してのメダル獲得。男子も7人の内、僕以外の6人は初出場初獲得。バドミントン混合ダブルスの男子選手は前々回、前々々回にも獲っているので、今回の出場が2度目以上だった選手で初めてメダルを獲得したのは、男女全選手を通じてテニス選手と僕の2人のみだったことになる。

これは考えてみると頷けることで、メダルを獲るような力のある選手というのは初出場で実力通りに獲ってしまうものだし、また、それが次回大会、翌々大会・・・へとも続く。卓球の女子選手は4大会連続メダル(!)であるし、バドミントン混合ダブルスの男子選手も4大会中で3度目のメダルだった。

夢をあきらめない

けれども一度目がダメなら二度目、三度目で・・・と諦めずに夢を追い続けたことも立派。

「夢は諦めない限り夢であり続ける」。そして「夢を叶えられた人間はあきらめることを知らなかった人間」。テニスの例でいうと今回、15歳の中学生が最年少選手として注目され、見事、初出場でシングルス銀メダルを獲得したのもすごいが、それと同じくらいに3度目の挑戦で勝ち取った彼も素晴らしいと思う。

僕自身、才能がなければ努力を重ねるしかないと37歳で初出場し、42歳で獲得しただけに苦労人の方に肩入れしてしまう。新星の期待輝く未来の陰で、遅咲きであり、スロー出世であり・・・もまたひとつの人生。

執念のこもっていたメダル獲得は日本チームサイトの勝利者インタビューを見ると分かる。メダルに対する思い入れが違っていたろうことが伝わってくる。女子は3大会、4大会連続でメダルというケースが多く(バレー、卓球、テニス、バドミントン)、インタビューからも余裕がうかがえる。一番、分かりやすいのがテニス混合ダブルスの女子選手で、「3大会前はシングルスで獲った、前回は女子ダブルスで獲った、残っていたのが今回の混合ダブルスだった・・・」という(すごい偉業だ!)のに対して、男子は何の種目であれ何が何でも・・・の気持ちだったはず。

メダルの色は銅かもしれないけれど

インタビューには過去4年の、8年の思いが詰まっているのが読み取れる。8年の努力が思い浮かばれて感動させられる。MVPは金メダルの5人だろうけれど、もし僕が別に敢闘賞を一人、選ぶとするなら、諦めずに8年の苦労を実らせた男子テニスの彼だ。

テニス選手は僕が前回、5位だったことも覚えていてくれた、もちろん僕も彼のことを覚えていたから、互いにメダルを祝い合った。前回までに悔しい思いをしてきたから、嬉しさは格別だ。メダルの色が何であったにせよ──。

「メダルの色は銅かもしれないけれど、初めて自分で自分をほめてあげたい」

アトランタの有森の言葉をかみしめる。

21ST Taipei Summer Deaflympics 2009
臺北聽奧馬拉松今天清晨在台北縣北海岸登場,
肯亞選手包辦男子組金銀牌,銅牌由日本選手獲得

 

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