チューリヒ観光

最終日

現地七日目、最終日。この日も朝から好天。天気予報は、標高の高いツェルマットでさえ34度といっている。名残惜しい気持ちを抱えて、帰路につく。

バーンホフ通りを歩いて駅まで向かうと、新たにこの日、ツェルマット入りしたとみられる観光客らとすれ違う。僕らがそうだったように、皆、一様に驚きと興奮の表情を抑えきれないでいる。毎日、こうして新陳代謝のごとく世界中の旅行客が訪れては去る街。流れのとどまらぬ街。

大聖堂〜スイス最大のロマネスク教会〜
大聖堂〜スイス最大のロマネスク教会〜

日本のツアー団体はサンモリッツへ向かう氷河急行に一斉に乗り込んでいた。僕も次に来ることがあれば、今度はサンモリッツやモンブランに足を伸ばせるといいなあ。

車内では、滞在中に入手したガイド類に目を通す。やはり現地のガイド誌、情報の方が生の新鮮さとローカルならではの面白さがある。ランナーの自分には、ツェルマットマラソンに興味津々。解説記事を興味深く読んだ。ちょうど、今、ブリークに向かっている路線沿いを、逆向きに走り出すコース設定。

4時間半かけてチューリヒ中央駅へ。日航便の良さは帰路の便も夕方発で、最終日にもう一日の行動ができる点。ツアーなら、バスで移動する分、ベルンやルツェルン観光を入れているケースが多い。ただ僕らは遅れるわけには絶対にゆかないので、空港駅手前の中央駅で降りてのチューリヒ観光を選ぶ。

レンタサイクルでチューリヒ観光

とはいえ、途中下車しての短時間。効率よく回るために移動中の車内でじっくりと戦略を練った。

velogate
黄色い看板の分かりやすかったvelogate

ガイドブックに助けられたのは、無料レンタサイクルのあることに気付けた点。中央駅に到着して、18番線奥を目指す。何しろ、中央駅は54番線まであるほどの、スイス一、ばかでかい駅(地上1階、地下3階)。いざ観光を終えて空港駅まで再度、乗り込む際にも遅れそうで大いに焦った。「ちょっと途中下車」という感覚だと危ない。その分、駅構内だけでも楽しめたかも。

スーツケースを預ける荷物預かりも運良く18番線の先に見つかった。レンタサイクル"Velogate"は、その向かい。"velo"が自転車という意味の独語らしい。

Angebote im Velogate


スイスの玄関口のチューリヒという大都市で、自転車を無料でレンタルできる。さすが観光立国スイスの懐の大きさというものを感じさせてくれた。と同時に、各自転車にはしっかり企業広告が入っていて、世界一の金融都市、経済大国であることもうなずける。Bikeはもちろん、MTBタイプの立派なもの。そうでないと意外にアップダウンの多い細い路地を走れないことをすぐに知る。

チューリヒ中央駅 バーンホフ通り
チューリヒ中央駅 バーンホフ通り

戸惑ったのは、デポジット(預かり金)としてCHF20(20スイスフラン、約2千円)が必要とガイドブックにあったのに、パスポートまで要求されたこと。中を仕切っているのは3人ほどの、皆、黒人男性で、きこえない僕にも筆談や手振りを交えて、とても親切に対応してくれたのだけれど、さすがに「パスポートを預ける」のはかなりためらわれた。

「CHF100預ける方がまだいい」そう交渉もしてみた。結局、きちんとした公共サービスのようで安心できそうだったので預けた(無論、返してくれた)けれど、今思うと、やはり一時とはいえ、パスポートを手放すのは軽率だったかもしれない。数時間後には帰国便に乗り込もうとする時、例え善意でも何かトラブルがあったら帰るに帰れない。

歴史と

いざ、自転車での街巡りを開始。ガイドブックを片手に方向を確認していたら、早速、地元のBiker(Cycler)が寄ってきて、親切にあれこれアドバイスしてくれる。残念ながら僕はきこえないし、妻も独語はおろか英語も分からない身。地図を指して、リマト川沿いを一周するコースを教えてくれた。

チューリヒは紀元前下欄ローマ帝国の関所として栄えていた交通の要所で、歴史と伝統が色濃く残る街。聖母聖堂、大聖堂、ヨーロッパ最大の時計を持つ聖ペーター教会など、大きな教会が随所に建っている。教会の周辺は石畳の残る細い路地がうねっていて、車のCMや映画に出てくるシーンのような、いかにもヨーロッパ的な雰囲気。

bike lane
バイクレーン

さっきの親切なBikerがそうだったように、これはスイス全土にいえるのか、チューリヒには車道にBike(自転車)専用レーンが用意されている。十代の頃は自転車野郎だった僕の血もわきたつ。メルボルン・デフリンピックでバララットの街をやはり、レンタサイクルで駆けたことを思い出した。ただ、チューリヒは、往来の交通量が激しく、通りすがりの観光客にはやや危険。市電(トリム)も走っている、車も勢いよく通り過ぎる、で車道レーンは避けて慎重に歩道を走った。

それでも妻には一苦労。一番小さなサイズの車体でもなお大きかった上、MTBにまたがったのも初めて。途中、一度、こけてしまった。何とか遊覧船の出ているチューリヒ湖口、ケー橋までを一周する街並みを楽しんだが、最初に書いたように、おそらくこの日午後のチューリヒの気温はもう40度近かったはずで、雲一つない青空からは強烈な太陽光線。無茶苦茶に暑かった。かげろうが揺れていた。バーンホフ通りでのショッピングは諦めて「倒れる前に」と、町を後にした。


ツェルマットでも「バーンホフ通り(Bahnhof-strasse)」だったけど・・・。
そう、"bahnhof"は「鉄道駅」の意味なので、要は「駅通り」のこと。


ケー橋から見るチューリヒ市街
ケー橋から見るチューリヒ市街
フラウミュンスター(聖母教会・左)とグロスミュンスター(大聖堂・右)

 

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