ツェルマット編ハイキング

絶景のハイキングルート

文章の方が長くなっているが、ツェルマット2日目。ここまでスネガ展望台、クライン・マッターホルン展望台、ゴルナーグラート展望台と、かのように、ツェルマットではハイキングというより、展望台巡りの性格の方が大きかったのだが、唯一、ハイキングらしいハイキングにして、とどめを刺したのがローテンボーデン~リッフェルベルグ~リッフェルアルプのルートであった。

ツェルマット周辺
ツェルマット周辺

ローテンボーデンは日本人に人気の地といわれるとおり、はたしてゴルナーグラートから一つ下ったこの駅周辺は日本人でごった返している。スイスには色んな国から観光客が来ているのに、バーンホフ通りは世界中の人種が集まっているのに、僕らのホテルには日本人は他に泊まっていなかったのに、ここに限ると9割方は日本人である。

日本人は団体である。ツアーである。JTB、近ツー、HIS、阪急トラッピック、阪神、朝日サンツアー、クラブツーリズム、少しオーダー型のアルプスウェイ・・・等々が大集合。僕も今回の渡航にツアーも考えた(旅行前計画編については、また別途)。それら全てのツアーをここで目にした。もちろん、これらの旅行会社ひとつとっても、出発地、出発日、滞在期間・・・はまた千差万別なので、例えばJTBや阪急でも、バッジの色が微妙に違って、それぞれにいくつもの別グループになっている。トータルにしてその数、数十。誇張でなく百を超えていたかもしれない。

ハイキングの道は縦一列になるから、迂闊にツアーに挟まれると身動きができなくなってしまう。例によって僕らは遅いのでたいていは追い越してもらった。

綿花咲くリッフェル湖畔
綿花咲くリッフェル湖畔

ここでもまず、見所はリッフェルゼー(リッフェル湖畔)に映る逆さマッターホルン。スネガ展望台から見たのと違って、ここではマッターホルンがすぐ目の前にあるから、日の高い午後でもまだ湖畔にマッターホルンの姿がきれいにゆらゆらと泳いでいる。手前に綿花(Scheuchzers Wollgras)が咲き乱れて、写真の構図に一層の絵画的な趣を添えてくれる。

飽きない山歩き

リッフェル湖に降りるまでに少しガレ場がある以外、後はよく整備されたほとんど平坦な小道が続く。リッフェルベルクまでは大きく左右に視界が開け、豪快かつ雄大な景色を眺めつつ進む。天気良し、景色良し、でどこまでも歩いて行けそう。やがて到着したリッフェルベルク駅では、ツアーの一行らも皆、なだらかな草地の丘に腰を下ろして思い思いに昼食をとっている。

パノラマの開けたルート
ルート途中でたびたび小休止

僕らもここで小休止し、「さてどうしよう」と考えて、そのままリッフェルアルプまで歩いて行くことを決める。ここからは、ツアー一行が皆、鉄道で帰るから、途端に人影のないコースとなるが、ここのルートも眺めは素晴らしく、斜面上に咲く花もきれいで早々に切り上げるのはもったいない。ただ、斜面上のコースである分、少し、急な下りの箇所もある。別に何ということもない星一つ(初級)コースなのだが、石橋を叩いて渡る安全性が何より求められるツアーにとっては、リッフェルベルクまでの平坦な道しか行程に組み入れられず、それゆえにローテンボーデンが日本人に大人気の地であるのだな、ということがよく分かる。

ちなみに、展望台や山の中腹の開けた場所でたいていマッターホルンを望む方向には、よくイエスの磔像がついた十字架が立っている。教会ならまだしも、山頂で十字架に磔にされたイエスがうなだれている姿は、仏教徒の国民からすると衝撃的でもある。神のご加護を得るためであろうか。日本で山道の途中にお地蔵さんが鎮座しているのと似たようなものなのかもしれない。それともマッターホルンに命を落とした登山家らへの祈りを捧げるためもあるのだろうか。

リッフェルベルク スネガ展望台 クライン・マッターホルン展望台
いずれもマッターホルンを臨む地に建つ十字架

ゴルナーグラート鉄道

竜宮城気分をとことん味わうなら

ゆっくりと長い時間をかけて次のリッフェルアルプに到着する。5つ星ホテルのリッフェルアルプ・リゾートが建つ地。麓のバーンホフ通りにも二、三、5つ星ホテルはあるが、それらを凌いでツェルマットのおそらく最高級ホテルになるのだろうと思う。何しろ、客を迎えるのに、バーンホフ通りの馬車も充分、すごいが、ここはわずか徒歩5分のリッフェルアルプ駅からホテル専用の送迎トラムが引かれているくらいである。日増しに暑くなっていた午後、目の前にそびえ立つマッターホルンを眺めながら宿泊客は大きなプールで優雅に泳いでいた。

創業1856年。最高のロケーションで、館内の様子も写真を見るだけでうっとりさせられる。スイスは物価の高い地であるが、ホテルの宿泊料金はさほどには感じなかった。日本のリゾート地の少し、いいホテルと大差はないように思えるし、何より、これだけ素晴らしい景勝を味わえるなら安いものである。カード支払いだからもう、段々、滞在中に金銭感覚が麻痺していったというのもある(金銭事情についてはまた別途)。

先に、ツェルマットに到着したとき「竜宮城に着いたかと思うようなきらびやかさ」と記したが、とことんその気分を味わうなら、もうスイスまでやって来たなら、思い切ってお金を注いだ方がいい。そのための地でもある。旅は、泊まった宿で印象が大きく左右される。このホテルもVIP御用達で、果たして庶民でも泊まれるのかどうか知らないが、バーンホフ通りに建つ4つ星ホテルの2、3倍の料金でも全く惜しくはないだろう、と今では思える。


閑話休題

準備編で携帯について触れた、記録媒体のマイクロSDカードを今週末、やっと入手。ようやくパソコンに取り込め、プリントすることができた。今回のリッフェル湖畔(妻撮影)等、携帯で撮ったのも悪くない出来。その他、カメラを取り出すでもないちょっとしたシーンに大活躍してくれていたことに3ヶ月経った今、気付かされ、あらためて旅の思い出がよみがえさせられている。

東芝が5割増産、と今日の記事にもあった中の、(現在主流のSD、ミニSDよりさらに小型のマイクロSDは)「小指の爪の大きさ」という説明がまさしく言い得て妙。


 

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