ハイキング〜ユングフラウ編1

ハイキング王国、スイス

スイスを旅行して何を観光するか、というと、チューリッヒやベルンなどのような都市を見て回るのも悪くないのだが、やはりアルプスに抱かれた地であるから、今回は基本的に全てを山歩き(ハイキング)にあてることを計画し、結果的にも天気に恵まれて十二分に目的を果たすことができた。

山歩きといって、登山というほどのレベルではない。グリンデルワルトでもツェルマットでも、スイスの主要観光地の場合、山頂までの移動手段(鉄道、ロープウェー、ケーブル・・・等)が非常によく整備されているので、ハイキングというのは、基本的には「降りる」ことが大半である。スキーと同じで、上まではリフトやゴンドラで楽に連れて行ってもらえる。また、クロカンスキー同様、山々を間近に長めながら、峰から峰への縦走も多くできるようになっている。

ユングフラウの名峰
名峰を眺めつつのんびりと歩く

ハイキング(やピクニック)というと、今ではちょっと口にすることもなくなりつつある、のどかで平和な言葉だが、スイスはそのために国内外から愛好家のやってくる地である。もちろん、体力に自信がある人は登っている。70代、80代とおぼしき高齢のおじいさん、おばあさんでも、膝にサポーターをしながらも、がんばって歩いている姿に出会うことが多い。また、全行程を歩く必要もなく、路線沿いのコースなら、レベルに応じて駅間を乗車するか歩くかを選ぶことができるなど、柔軟な組み合わせができるようになっている。

非常にハイキング好きの国民性のようで、鉄道は無論、ハイキング用の登山道もよく整備されている。アルプス登山の歴史が示しているように、まず登ること、それが果たせたら次には、人のやっていない方法で登ること、困難な方法で登ること、あえて登山道の整備されていないコースを選ぶこと・・・とレベルを上げてゆけるようであり、これが何度でも訪れたくなるスイス好き、リピーターを生む理由なのでもあろう。

何はともあれ、メンリッヘン〜クライネ・シャイデック

今回の行程を簡単に記してみると――

ユングフラウ周辺
ユングフラウ周辺

初日、晴れたことで、グリンデルワルトで絶対に欠かせないというメンリッヘンからクライネ・シャイデックへのハイキングを真っ先に決行。グリンデルワルト駅から次のグルント駅で降り(歩いても行ける)、メンリッヘン行きのゴンドラに乗り換える。

ちなみに、乗り場で阪急トラフィックのツアーがちょうど集まっていて、僕ら2人はツアーの中に入り込む形となった。切符を買って順番に乗り込んでいるのだから、別にツアーの数十人御一行がきちんと1から50迄、順番に乗り込む必要もないと思うのだが、快く思えないのか、一人のおばさんにからまれた。

メンリッヘンは360度のダイナミックなパノラマ。眼下にはヴェンゲン(Wengen)の町も見下ろせて、引き続きロープウェーが通じている。ここからクライネ・シャイデックまでを歩くコースは、終始、アイガー、メンヒ、ユングフラウと並んだ"ユングフラウ3山"の名峰を眺めながらの、ほとんど平坦な縦走ルートで、グリンデルワルトでの最も代表的な定番コースとなっている。忙しい団体ツアー客が唯一、歩くのが、このコース。先のおばさんとここでも一緒になり、またまた難癖をつけられた。阪急=大阪のおばちゃんだから? とは思いたくないが、本当にしつこかった。

アイガーを目前に〜クライネ・シャイデック
アイガーを目前に
クライネ・シャイデック

ユングフラウの山並みを前方に見ながらのハイキングは評判に違わず、最高に爽快である。ただ、こうして歩いているハイカーが圧倒的ながら、午前中は日が正面から差してくるので、やや眩しく、暑いきらいがある。逆向きに歩く方が太陽をバックにする分、眺めも非常にきれい。それで、写真は主に前方のユングフラウを撮りながら、山の緑と空の青のより鮮やかな後ろを振り返り振り返りつつ、歩いた。元々が歩くのも遅く、しょっちゅう立ち止まってコース脇の花も愛でるので、これはどこを歩いてもそうなのだが、僕ら夫婦2人はいつも後ろから追い抜かれ、ガイドブックに記されている標準時間の2倍近くかかって何とか完踏する有様だった。

クライネ・シャイデック。目の前にそびえるアイガーを目の当たりにして、また、見晴らしのきく絶景ポイント。グリンデルワルトからユングフラウ鉄道でやってきた、あるいは歩いて登ってきた観光客、メンリッヘンからのハイカー、MTB、ここでユングフラウヨッホに乗り換える観光客、ホテルも建っていて・・・でにぎわっている。グリンデルワルトでも一番の観光ポイント。修学旅行の学生が集まっているような場所、に見えるのはユングフラウヨッホに登る日本のツアー団体がひしめいているから。

随所に展望レストラン
随所に展望レストラン

展望レストランではアイスクリームだけ食べる。滞在中は毎日、朝夕にたっぷり食べているから、昼食は食べずに済ますパターン(その代わりビールかアイス)だったが、ここのレストランはいかにもファストフード的なものでなく、本気で美味しそうな料理を出していた。メンリッヘンから歩いてくる分にはアイスクリームかビール一杯で事足りるが、グリンデルワルトから歩いて登ってきた人にはご褒美の御馳走が待っている、といえようか。

ヨーロッパ最高地点の鉄道駅となるユングフラウヨッホまで登るかどうか迷った、翌日も訪れたのだが、結局、行かずじまいで終わった。クライネ・シャイデックまでは見晴らしもいいが、ここからは山の中の暗く長いトンネルを登るというし、降り立つ展望台も雪で覆われているという。全ては終わったからいえることであるが、これだけ好天に恵まれた(少しでも天気が崩れると視界はないという)のだから行っておいても良かったかもしれない。

きつかったコースも

ここからWAB登山鉄道でグリンデルワルトへ戻る。この後の登山列車も全てそうだが、眺めがのどかで心地いい。いったんホテルに戻って着替えた後(前2回、記したように最初の午前中の行動で、短パンで充分と判断)、午後からはフィルスト展望台へ登る。

ハイキング用標識 wanderweg
ハイキング用標識 wanderweg

展望台へはロープウェーで。冬はスキー、春夏秋シーズンはMTBを積むアウトドア派も多い。目的地はバッハアルプゼー。ここは「アルプスの宝石」と呼ばれる、サファイアブルーに輝く湖面の輝きを見るためにも、早朝の訪問がよいとされるところ(一般的にもハイキングは空が澄んでいるうちの午前中がいいので、まさに朝は貴重な時間)。僕らが訪れたのは午後だからか、人影もやや少ない。

今回の滞在中、ハイキングコースは初心者レベルのものだけを選んだつもりでも、多少の傾斜はところどころにある。ここも初球コースにしては多少の険しい傾斜だった。当たり前ながら、全く平坦、ということはない。初級コースでもきつかったり危なかったりするところも少しはあるから、中級コース以上は覚悟が必要なのだろうと気を引き締めさせられた。実際、下り坂は登りよりも、足にはかなりの負担がかかっている。落ちる力に抗う筋力が必要で、常につま先に体重が行く。シューズもボロボロになった。帰りのチューリッヒ空港でも、ケガをして車椅子で帰ることとなったとおぼしき高齢のご婦人も見受けられた。スイスは中高年に絶大な人気の地であるが、気は抜けない。

話を戻して、フィルスト〜バッハアルプゼー行きは今回の中では面白くはなかったコースであった。全ては終わってから言えることなのであるが、最初にグリンデルワルトで一番のコースを歩いたから、どうしても他が見劣りしてしまう。午後で少し曇ってきた。一瞬、雨も落ちてきた。他に歩いたコースは全て片道だったが、ここだけは、単純にバッハアルプゼーを見収めて、そのまま同じ道を帰ったせいもある。晴れた午前中なら湖面に映るヴェッターホルンらの姿が美しいらしいが、やや肌寒い曇りの午後では「・・・」で足早く引き返した。


 

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  1. シャプイ より:

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  2. より:

    コメントがスパム扱いとなっていたまま、気付くのに遅れました。
    申し訳ありません。
    最近の円高は、またとない好機ですね。
    私もスイスにもまたいつか、と思っています。

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