キリスト受難劇の上演年 オーバーアマガウ

今年は十年に一度の上演年

このツアーはリンダーホフ城、ノイシュヴァンシュタイン城、そしてこのオーバーアマガウの街並みと、3箇所の要所を順に回ってくれる、本当にお得なツアーとなっている。その分、滞在時間の短いのが非常に残念なのもツアーの限界。個人旅行なら、それぞれに半日、一日かけたいところだ。

リンダーホフ城から再びバスで30分程度進み、オーバーアマガウの町に到着。今回の唐突ドイツ旅行の遠因のひとつが、出発の20日前にNHKで放映された「アルプス 世界最大の村芝居」。まさに、その舞台地。ここを訪れることが目的ではなかった、もちろん、放映のメインは10年に一度の受難劇(Passionsspiel)開催なのであるが、1年前にチケットが完売するという観劇は無理にしても、ここにツアーで立ち寄れるとは思っていなかったから大喜びした。

アルプス 世界最大の村芝居/羊の映画館

passionsspiele theater
受難劇場(Passionsspiele theater)

ヴォリューム感ある壁画の町

バスの車窓から見える建物に描かれた壁画。2年前のチロル旅行で大いに気に入った、ドイツとオーストリアの国境を越えてつながる美しい文化。TV放映でも紹介されていた赤ずきんちゃんやヘンゼルとグレーテルなどの情景を、バスもここでは突然に徐行してくれて、もちろん事前に学習していたから、しっかりとこの目で見ることができた。

「キリスト受難劇」は、三十年戦争の最中に蔓延したペストから村を守るために始まったのが起源で、以来370年続いてきた。10年に一度の上演のために世界中からこの小さな町に観客が押し寄せる。バスツアー一行はその劇場や街並みや、をちょっぴりと鑑賞。

Alte Post Oberammergau
立ち寄れないのが残念だったホテル アルテポスト キリストの壁画が多い
Hotel Alte Post Oberammergau :
Passionspiele Neuschwanstein Zugspitze

今年が上演の年のせいか、通りには観光客もあふれていた。町の中の建物もまさに壁画のオンパレードといった趣で、ゼーフェルトやチロルのそれがワンポイント的な意匠にとどまる、シンプルな美を志向しているのが多かったのに対し、こちらでは先の赤ずきんちゃんやヘンゼルとグレーテルに代表されるような、物語のワンシーン、あるいは壁一面を使ってひとつの物語を表現するかのようなヴォリューム感にあふれている。

職人芸の美しい壁画/チロル旅行記

旅は通過でなく滞在

これが町の通りに続くから実に壮観で、町全体が絵本の中のような、メルヘンチックな世界を漂わせる雰囲気となっている。

土産店にはこの町の特産の木彫りの製品が多く売られている。州立木彫学校もあるなど木彫師を本職とする住民が多く、ドイツ全土、諸外国からも注文の寄せられるという振り子時計や置物や、が(ユーロ安のおかげもあって)とても手頃な値段で、じっくりゆっくりと見て選びたかったほど。

ツアーゆえに駆け足で通過するのが本当に残念だった。チロルが良かったように、ここにも是非、泊まりたかった。やはりツアーではさっと通過してゆくお客様で終わってしまう。

ローテンブルクやこのオーバーアマガウや、いずれもミュンヘンから日帰りできるポイントであるけれど、通過するだけでなく小さく瀟洒なペンションに泊まるなどして全身で町の雰囲気を浴びたい。空間に浸りきりたい。この点、ミュンヘンは便利な都市という側面が強く、もの足りなさが残る。

旅は通過でなく滞在の方を重視してプランを練るべき。今回の旅で強く思ったことだ。

アルプスの澄んだ空気 オーバーアマガウ
アルプスの澄んだ空気 オーバーアマガウ

それにしても「地球の歩き方 南ドイツ('09~'10)」は、決してマイナーなわけでないこのオーバーアマガウに一頁も触れられていない。大きな欠陥でなかろうか。

ちょっとここは40分程度の滞在があまりに惜しかった、画像は次のノイシュヴァンシュタイン城以上にここの方がヴァラエティに富んでいるので、続編を別頁にしてみたい。


 

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