レース前の心境

1/11(日)  気持ちは高まりつつ

セント・ポールズ大聖堂
セント・ポールズ大聖堂

レース日を3日後に控え、もうさしたる練習も必要ない、ある意味、所在無い時間。今日は特に、気温が37度まで上がるというから、一応、気持ちを維持するための軽い練習を朝早くに済ませ、日中はあまり出歩かないこととする。 何しろ14日は朝7時半スタート。ホテルをバスで出発するのが朝4時(日本時間午前2時)。身体のリズムを変えてゆかないと。

いつものようにネットを見ていたら、昨日のブログに初めてコメントがついているのを発見! 続木君にΘ3Θ 君、どうも激励ありがとう! それから、読売のサイトの方でも、応援メッセージというのがあるのを見過ごしていて、これもななの会から7日の1万m競技後すぐ、寄せられていた。非常に嬉しいです。パソコンを持ってきていると、リアルタイムで連絡が取れるのが嬉しい(こちらも何かもう、ブログとはいえないくらいの記述量になってしまってきている)。帰ってから知るよりかはやはり、今こうして知ると、14日のマラソンに向けて、全然、気持ちが違ってくる。

*今日夕方、武内さんのやり投げ決勝で、一昨日に終わった西川君と武内さんの競技は全て終わってしまいますが、残る女子マラソンの泉さんあてにもメッセージ等があれば僕から伝えますから、遠慮なくお寄せください。

暖かい気温と温かい激励のおかげで、体調も気持ちも高まりつつある。何とか頑張って、メダルを目指したい。

メダル獲得が使命

Ballaratでは、マイヤー百貨店もクラシック
Ballaratでは、マイヤー百貨店もクラシック

出発前、激励会等では、「(結果はともかく)楽しんで走っておいで」と多くの方から言われた。もちろん、それがプレッシャーをかけないための配慮であるのは承知している。さらには、仕事休めて遊んで来れていいね、なんて思っている人もいたけれど、ここにやってきた目的が観光や交流のためでないことは事実。

僕も出発前は正直、メダル獲得は難しいだろうと思っていた。そして、実際に1万mの上位選手がマラソンにも出場してくることを思うと、あのスピードにはどうあがいても全く太刀打ちできないことも認めざるを得ない。それでも、ここに来てやはり、メダルを獲って帰らなければ、という気持ちが強くなってきた。僕個人の欲というよりも、送り出してくれた方々、組織のことを思うと、である。

今回の選手選考、派遣の基準は、あくまでもメダル獲得の可能性で決まっている。派遣費、合宿助成費その他のために莫大な公費が注がれ、また、必死に集められた賛助金や多くの企業、個人の方からの寄附を受けて、選手、役員はこの場にいられる。また、今回の結果で、次のデフリンピックや国際大会(アジア大会等)への助成率、派遣枠にも影響が出てくる。一人、僕自身の結果ではなく、ろう者スポーツ、ろう者陸上競技の今後もかかっている。そういう意味では全選手が「何が何でもメダルを」くらいの気持ちでないと。

僕も「楽しんで」といわれるより、「メダルを獲れなければ帰ってくるな」といわれるくらいのプレッシャーの方がいい。メダルを獲る選手はまず間違いなくそうした意志を有しているし、他国選手はその気概が見ていても強く伝わってくる(今、速報をみると日本女子バレーも米国を倒して決勝進出を決めたようだ)。デフリンピックで日本は報奨金まではないけれど、他国は国王から家をもらえるとか、車を授けられるとか、健常者のオリンピックと同じくらいの評価がなされる。アテネ五輪でマラソン金メダルの野口選手や5位入賞の油谷選手も、楽しんで走るつもりなど毛頭なかったと思う。

パラリンピックも同様。デフリンピックはまだパラリンピックほどメジャーでないし、一般国民の理解も援助も低いのだけれど、パラリンピックもデフリンピックも、同じ障害者スポーツ協会からの助成を受けている。パラリンピックで競技に専念する選手、プロ化を宣言する選手がいるように、デフリンピックにかけるろう者も、そのくらいの気持ちがあっていい。

高まる緊張

機内で一杯空けて以降、飲んでないビールもレース後の夜は、陸上チームの打ち上げと先に帰国する西川君、武内さんの最後の夜という意味を兼ねても飲むだろうが、翌日のオプションツアーは正直、今、考える気になれない。特に泉さんは既に実力高く、普通に走れれば優勝も濃厚だろうし、僕も祝勝ムードになれれば最高だが、今、優雅に観光する気になれないように、レース後、もし、みじめな気持ちに沈んだなら、尚更、遊ぼうという気持ちにはなれない。

もちろん気持ちだけで走れるほどマラソンは甘くないし、マラソンというのはもう、スタートラインに立った時点で勝負は既に決まっている、それまで、どれだけのトレーニングを積んできたか、あとはためこんできた実力を発揮するだけという競技である。

1万mには出ていなかったケニアの選手も、到着が遅れただけなのか、ここ数日はサブグランドで軽快に汗を流している。国名をきいただけで気後れしそうな相手や、1万mを30分台で走る選手のことを考えると、大いにびびるところであるけれど、マラソンは長い時間を要する競技。もしかすると転がり込んでくれる運をつかむくらいの気持ちで、あきらめずに走りたい。


 

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