1万m終了。安堵、激昂、諦め、なお疑問

1/7(金)  10000m終了、まず安堵

10000m第2集団
10000m第2集団
(右からスペイン、日本、トルコ、フィンランド、ポルトガル、ウクライナの選手)

緊張の第一種目、1万mが終了。

まずは女子の泉さん。期間中、日本人選手最初のメダル獲得の期待がかかるとあって、事務局や近ツースタッフも応援に駆けつけてくれた(僕のときは帰っていた・・・(T_T))。自分のレースではさほどでもなかったが、彼女のスタート前は見ている僕もかなり緊張した。同じ日本陸上チームの一員として、他人事とはいえないものがあった。

マラソンでは世界ろう者記録を持っている彼女のメダル獲得、1万mでも堅いだろうと信じて疑わなかったのだが、結果は7人中6位。予想以上に女子でも非常に厳しい結果となった。

一方、僕の方。申告(登録)タイムでは、エントリー17人中の10人目。それでも、泉さんも僕も元々、マラソンでの派遣。1万では国内の出場標準記録に届いていなかったから、一応の足慣らしとしての出場のつもりで気を楽に、といいきかせる。

優勝候補のケニヤの選手2名が参加しなかったものの、さすがに先頭集団は早く、1000Mでもう大きな差がついた。メダル争いが熾烈な5人のトップグループと随分、離されて、第2集団の皆は入賞狙いで、各自が機をうかがう。6千Mで僕が集団の前に出て、あとは何とか頑張ってそのままゴールできた。1万Mでは、入賞(8位まで)もかなり厳しいだろうと思っていたから正直、入賞は嬉しい。6位なら上出来だ、と思っていた(タイムはひどいが・・・(T_T))。

夜のメルボルン
1万m終了後の帰り道

ところが、ゴール後、選手が着替え中、スタジアムの電光掲示板では僕が8位になっていたらしい。着替え終えて、聴覚障害者CS放送の担当者さんや読売の記者さんがインタビューに近づいてくる時、「6位ですね」といわれて、僕もそのつもりでいたのだが、監督は「8位だ」という。おかしいと感じたけれど、このときは監督が勘違いしているのだろうと思っていた。電光掲示板のことは知らなかった。掲示板の真下の室内で着替えている選手としては見ようがなかった。女子はすぐに張られた紙の掲示も男子は出ずに、「まあ、明日になれば分かることだろう」と、ともあれ8位入賞に大きく安堵して帰った。夜9時半過ぎて、帰り道の美しい夜景が印象的であった。

膨らむ疑問、そして激昂

就寝前、ネットでデフリンピック公式サイトを確認。言われたとおり、8位になっている。「そんなはずない、おかしいな」と思って、手元のメモとつき合わせてみたら、6位と7位が周回遅れであるにもかかわらず、最後の1周(2周)を残して走りやめたんだ、ということに気付いた。「えっ、そんなことあり!?」。明日、監督に抗議してもらわなければ・・・。

憤然というか、興奮して、いったんベッドに入るも寝付けない。それにしても、6位7位選手もさることながら、レースの一部始終を見ていて、監督は順位の誤報に気付かなかったのだろうか・・・? という疑問も大きく膨らんできた。このままでは眠れないと思い、1時過ぎ、まだ起きていた監督の部屋で事情を説明。レース後に「8位」と断言した監督にその根拠を問いただしてみると、どうも監督は電光掲示板の結果だけを信じている様子。実際の僕の順位はほとんど見ていなかったようだ。しかも僕の説明をまるで信じてくれない。僕はこれにさらに憤然。掲示板を信じるのか、チームの一選手がこれほど必死で訴えているのを一向に肩を持つ様子も支持する気持ちも見せずに、8位に拘泥する。

ビデオカメラ(残念ながらこれも最初と最後のみで、途中の一番大切な部分が録画されていなかった)と、同室の西川君にお願いして撮ってもらったデジカメの画像を繰り返し見て、何度も興奮して説明して、ようやく監督も認める気になったよう。結局、4時に就寝。

7時半、朝食会場で大竹総監督にも説明。西川君もよく見ていて、ずっと僕の後ろにいたウクライナの選手が僕より1分以上いいタイムで7位のはずはない、と言ってくれる。泉さんも同じ。大竹総監督が調べてくれて、規則上、抗議は競技終了後4時間以内にしないとだめだとのことが分かる。まあ、そうだろうな、と僕もそう思う。それで余計に監督やチームメイトを恨めしく思った。皆に責任はないし、昨夜のレース後、強引に言わなかった僕も悪いが・・・。

ちなみに、トップとは僕も最後、2周回遅れになった(・・・屈辱、(T_T))。 今回、トップも残り1周を勘違いして、いったん、24周でやめた。ラスト1周の鐘を鳴らす係員が間違っていたよう。僕自身、24周で戸惑った。周回遅れ、2周回遅れがごちゃ混ぜになって、残りの周回表示を示す係員も選手も皆、最後はかなり混乱していた。まあ、1万mって、観客も係員も見ていてある意味、退屈なものだという一面もあろうけれど・・・。

いずれにせよ入賞できたからいいものの、やはり、それなりに必死で頑張った結果の6位がでたらめな結果で8位になったのでは釈然としない。9位のフィンランド選手、10位のスペイン選手は入賞したと思っていたはずで、きっと泣くに泣けない。

全豪オープン
全豪オープン

今日、協議の上、監督が抗議に行ってくれる事になった。その過程がどうだったのかは分からないが、結局、6位のウクライナ選手がやはり失格で、僕は7位に繰り上げられることになった。

全日ろう連のHP(速報)で「6位選手が失格のため7位に繰上げ」と記載されたけれども、これも非常にいやな感じが残る。アテネ五輪のハンマー投げ、室伏選手と同じだろうと思う。繰り上げも何も、最初から正当な順位でなかったのだから。

6位にならなかったのは、そうすると、当初7位のイラン選手の方は、僕の勘違いなのだろうか・・・? ちょっとまだ腑に落ちないのだが、とにかくもう、気持ちを切り替えて、本命のマラソンをがんばりたい。


<帰国後追記>

7位に繰り上げられたのは、前夜、フィンランド側がすぐに抗議していて、それが認められたおかげであった。ちなみに、抗議するときは米ドルで50ドル必要だともきいた。今回のはあきらかに、すぐに失格としなかった審判員のミス。残り周回数を示す審判員の他に、各選手ごとに周回数を確認する1名の審判員がついていたのである。陸上競技はとりわけ非常に多くの審判員、係員、補助員等が必要になる種目で、その苦労のおかげで選手が走れる恩恵にあることは常々、承知しているけれど、大会が大会だけに前代未聞の結果になりかねなかった。


 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。