世界で最も美しい町

中世の街並みが色濃く残る街

ヴルタヴァ川がなぜにここで大きく蛇行したのか、自然もここでちょっと遊びたかったのか、S字に貫いている、その懐にこの町は建てられている。

ヴルタヴァ川の巡る街
ヴルタヴァ川の巡る街

ヴィーテク家により13世紀に建設された町はロジェンベルク家、エッゲンベルク家、シュヴァルツェンベルク家と当主を代えて発展していった。当初、ゴシック建築として建てられた小さな城は、時代に合わせて数々の改造が行われ、ルネッサンス、バロック、ロココ・・とそれぞれの様式をまとう複合建築群となっている。

とりわけヴィレームの統治した16世紀に頂点を極めるが、やがて、産業化、近代化から取り残されて町は廃れていった。けれども、そのおかげで今も中世の街並みがそのままに残り、ルネッサンス時代の香りを漂わせている。

正確には「そのまま残った」のではない。19~20世紀にかけては「死の町」と呼ばれるほどに荒んでいた街。

目を覚ました眠れる森の美女

ついここ最近、今年(2008年)に入って1月26日のNHK世界遺産で、また3月16日のTBS世界ウルルン滞在記で・・・、と立て続けにチェスキー・クルムロフが紹介された(NHK世界遺産ではプラハも再々度)。

両番組が強調していたように、実はチェスキー・クルムロフは近年、急に街の復活がなされた側面も有している。昔からの観光地、というより、修復されて美を取り戻した街を今、世界中にアピールしようとしているところ。かつて「眠れる森の美女」と呼ばれた地が、再び目を覚ましたといえるのだ。

ナ ロウジ広場(Na Lou?i)からのぞく聖ヴィート教会(Sv.Vita)
ナ ロウジ広場(Na Louži)からのぞく
聖ヴィート教会(Sv.Víta)

ヴルタヴァ川でカヌー遊びに興じるように、観光地巡りをするというよりも、じっくりと腰を落ち着けてただ街の雰囲気に身をまかせるだけで充分な、癒しの地。ペンションが多いのは、安価でも長期に滞在することを目的とできるから。

二つの丘のはだかる森の中の町。一日、滞在すれば街のほぼ全てを歩けるほどに小さな街だ。せわしなく駆け抜けるツアーも必ず寄っていく必見の地だが、城見学の数時間足らずで通過するし、気の早い日本人は二日目にはもう飽きてしまうかもしれない。街の大きさや見どころの数では到底、プラハにかなわない。

けれども今回のチェコ旅行で最も印象的だったのが、ここチェスキー・クルムロフ。夢の中にいた瞬間だといえるくらいに、そこにいたことが信じられないほどの不思議な心象を残している。時がとまったかのような街。

何度かに分けて、じっくり見てみよう。



 

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