錦帯橋とカレル橋の不思議な相似

名河に名橋あり

カレル橋
ヴルタヴァ川、カレル橋、プラハ城

前回はカレル橋についての歴史学習。今回は視点を変えて──

滞在中に気付かされたのは「カレル橋と錦帯橋(山口県岩国市)はよく似ているなあ」ということ。

まず、河との関係。名橋は名河あってこそのもの。国をまたぐヴルタヴァ川に対し、そこまでのスケールはないにせよ、錦川は今なお自然を多く残して流れる、まさに「清流」という名を代表する美しい川である。

さらに地理的な位置関係がそっくり。

川を挟んで上流に向かっての右岸、すなわち東側が市街地として栄えている。プラハの旧市街地は岩国地区にあたるだろうし、後に開発されたプラハの新市街地に該当するのが川西、麻里布・・・等。その延長にプラハ本駅や岩国駅がある構図まで同じ。

西側の左岸にお城。プラハ城と岩国城がそれぞれ、そびえる。プラハ城の足元に広がるのが小地区(マラー・ストラナ)であり、岩国城下は横山地区。今ではのどかな吉香公園として市民に愛されている。いずれも眼下(背後)に美しい緑の広がる一帯である。

錦帯橋
錦帯橋

背後を山にケーブルカーで緑の丘の頂上に登れるのがペトシーン公園なら、岩国城へはロープウェーで。

橋の宿命として、度々、氾濫で流された経験は無論、そしてそれがゆえに高度な建築技術を結晶させ、希代の建築物となったことも。

違う面を探すなら、ヴルタヴァ川が上流に向かって右に蛇行しているのに対し、錦川はその逆に左に蛇行した先が上流となっていることくらいだろうか。

日本一、世界一同士で姉妹都市になっては?

朝日新聞の水曜連載記事、be travel“案内人と決める「日本一」は?”の9月26日記事が「橋」であった。朝日新聞の会員サービス「アスパラクラブ」による回答総数22,281人中の7,145人、2位以下を大きく引き離して選ばれた1位が錦帯橋。

「まことに不思議な組み立てで、その巧妙なことは凡庸な者のできるところではない」(小山松勝一郎編、東洋文庫)。遠く山形から母とともに錦帯橋を訪れた幕末の志士・清河八郎は、旅日記『西遊草』にこう記している。石垣に似た橋脚に木造アーチ橋が五つ連なる独自の造形は、当時も人の目を見張らせるものだったようだ。

(2007/09/26 朝日新聞)

「錦帯橋を世界遺産に」という運動も行われている。その姿、佇まい、周囲の景色と調和した美しさは「日本一」はもちろん、「世界一」と誇れる。世界遺産、プラハ歴史地区に決してひけを取らない。

ここまで共通しているのだから、姉妹都市なり友好都市の提携が組めるのではないか?

プラハ城から見下ろすカレル橋
プラハ城から見下ろすカレル橋

調べてみると、岩国市と姉妹都市・友好都市にあるのが現、4市らしいのだけれど、錦帯橋を縁に結んでいる都市はない。一方、プラハからの姉妹都市には京都市がある(1996年)。これはヨーロッパの、日本の「古都」である点、また教会、神社仏閣の多数、残る歴史性ゆえであるが、町全体の規模は劣るものの、ピンポイントな共通点のユニークさでは岩国の方に分がありそう。岩国市さん、本気で考えられてはどうだろうか。

錦帯橋の歴史(錦帯橋温泉「ホテルかんこう」)


 

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