迷える子羊のつぶやき 2002年8月

2002/8/31(土)

今週、急に暑さがぶり返してきたものの、その夏休みも終わりが来たことを告げるかのように、台風が過ぎ去ってゆく。

この長期休暇を利用してセミナーパークを利用していた中学、高校の陸上部によく出会った夏だった。

昨日訪れていたのは「三股」中学校の男女生徒達。最初、高校生かと思うほど、身体つきが大きくしっかりしている。市外、県外からの利用が珍しくないとはいえ、どこの学校だろう? と思ったものだ。帰ってネットで検索し、宮崎県の学校であることを知る。山口に来ての合宿とは小林高校、旭化成・・・らを擁する駅伝王国の情熱ならではだ。

礼儀正しい子らだった。周回コースを逆に走っている僕にすれ違う都度、挨拶をする。山歩きならまだしも、彼らも「走っている苦しい最中」というのに。引率の先生からして、その礼儀正しさが伝わってくる。学校の部活はやはり、競技技術、成績そのものよりも、社会性、礼儀こそ何よりと実践している学校なのだろう。ちょうどここに研修で宿泊していた妻も感じたらしく、やはり、研修施設のどこでも挨拶が行き届いていたのだという。

周回コースを走っている途中、僕も、先生から給水を差し出される。宮崎からやってきている学校の先生から、もちろん、一期一会のただのすれ違うランナーの僕に水を差し出してくれる行為。そして、この水の冷たくおいしかったこと。スポーツマンシップというのはこうでなくては、と思った。

年末の全国中学駅伝に再びこのセミナーパークの地にやって来れるだろうか? 応援したい学校である。

2002/8/30(金)

朝日新聞はもう購読をやめたのだけれど、機会があればそれこそ目を皿のようにしてまとめて読み漁る。今日の統合版の論壇時評は、先日(8/14)僕もここに書いた石原慎太郎に言及している。月刊誌は、田中元知事に対してとは対照的に、石原知事へは驚くほど好意的であるという。佐野氏ほどのジャーナリストに好意を抱かせる石原氏というもの、相当のものだろう、と。

だが、このあまりの好意に薄気味悪さを感じると論者は述べている。それほど今の日本が、この閉塞状況の中で強いリーダーシップを持つ指導者を求めている、ということだろう。現代、僕たちはめいめいが自由に容易にちょっとした場で主人公になれる一方で、だからこそ、圧倒的なカリスマ、ヒーローを期待しているのでもあろう。

2002/8/26(月)

昨日に続き、再び暑い日。

登山マラソン後の筋肉痛が徐々にあらわれてくる。

過去の完走記もまだ全てを整理できていないが、当初から念頭にあった本棚もいつか開通させたい。

2002/8/25(日)

週末は姪とキャンプ。恒例、8月最後の日曜日の登山マラソンに合わせて十種ヶ峰のオートキャンプ場にて。今年は妻も加わって、一層にぎやかになり大いに楽しめた。僕らのマラソンも、また、姪は姪で広島からきていた男の子らとミニSL、水遊びを堪能できたよう。

夏休み最後の日曜日を締めくくるのにふさわしく、久しぶりにうだるような暑さが盛り返した一日となった。

2002/8/21(水)

今日で夏の甲子園が閉幕した。

今年は秋の気配の到来がとても早く、一気に涼しくなっている。その秋の到来の影響ではないが、ここ最近、読書への意欲がこれまでにないほど異様に高まってきて、今までにずっと読まずにいた本を急に読みたくなる。不思議だ。

2002/8/20(火)

これは、ちょっと衝撃的な出来事があって強く思ったことなのだが、やはり、健全な精神を維持するには健全な肉体がなければならない。

村上春樹も言う。

──フィジカルな訓練ができてない人がインテレクチュアルな訓練だけを身につけようとしても、なかなかうまくゆかない。知的なシステムというものはフィジカルなシステムの助けを受けなくてはならないし、逆にフィジカルなシステムは、知的なシステムの助けが必要だ。──

2002/8/19(月)

高校野球は準々決勝の日が一番面白い。

大学の野球部の友人に教えられて、9年前、甲子園を訪れたときに、準々決勝に合わせて見たことがある。

確かに、言われてみると、実力と運と勢いを備えて進出したベスト8のチームが戦う4試合が一番加熱する日のように思う。翌、準決勝ともなると、残るは3試合のみになり、途端にさびしくなる。ああ、もう夏も終わりなのだなと突然に思い知らされる感じがする。

それにしても、今年は涼しくなるのが随分と早い。

久しぶりの田園コースに向けて走りに出ると、稲穂が頭を垂れて黄金色に染まりつつあるし、栗まで道路に落ちている。

2002/8/18(日)

台風の影響か、随分と涼しい。

『朗読者』は一気に読み終えるのがもったいないような、少し恐いような気になる。覚悟して心静かな日に読みたい。

8月も残り2週間。あきらめずにまた次のチャンスに向かう。

2002/8/17(土)

三菱自動車の新聞広告に心を動かされたのも、まさに今日、高校の同窓会だったから。

欠席したのは行きたくない訳では決してなく、色々考えた挙句の決断。

どうだったのだろう、と思わずにいられない。

2002/8/16(金)

三菱自動車の新聞広告がなかなか粋だ。

30歳前後と思われる男女が学校のグランドで少し照れた、神妙な笑顔を浮かべている構図に、「初めてのキスの相手は、まだ独身だった」というフレーズが配されている。女はひょいと鉄棒に乗り、男は鉄棒に寄りかかっている。

学校は背後の濃い緑の山に抱きこまれた形で建っていて、どこかの山奥深い学校という、郷里の田舎さのイメージを強く打ち出している。

紙面下部の説明文を読んで、それが同窓会で久しぶりに再会した二人だというシチュエーションを知る。

盆の今時はまさに同窓会のシーズン。

誰しもがふるさとを持ち、共に学んだ同窓生を持つ。郷里に帰省している者へもそうでない者にも、万人の心に訴えてくる。この時期を狙って打ち出した全面広告が心憎い。

テレビCMでも最近2、3度見たのだが、ナレーションのきこえない僕には、TVのCMは今ひとつ意味がつかめなかった。紙媒体の新聞広告を今日見て、なるほど、うまくできているものだな、と知る。

2002/8/15(木)

終戦記念日。盆。一日だけ休みを取って、実家に帰省する。墓参り後、ゆっくりできたのは幸運だった。

いつか読みたいと忘れずにいた、『朗読者』を古書店でうまく見つけることができて購入し、早速、午後読みふける。一気に読んでしまいたかったけれど、半分残す。今週末が楽しみになる。

2002/8/14(水)

石原慎太郎の人気がすごい。

いわゆる総合雑誌だけみても、今月、『文藝春秋』で曽野綾子氏との対談が、『月刊現代』で佐野真一氏 、『諸君』で中西輝政氏の筆による巻頭特集が組まれている。『現代』と『諸君』は背表紙にもタイトル入り。

石原氏を取り上げれば売れる、という出版社のもくろみと、そうでなくとも論客が評せずにはられないほどの強い個性。

かくいう僕も、自治体職員からみた知事という面では一長一短あれど、文人、趣味人としての氏には大いにひきつけられる。

2002/8/13(火)

夕立がよく襲うようになった。特に山口は盆地なので、本当に、簡単にあっさりと降る。しかもザーッとではなく、しばらく降り止まない。蒸し暑さが残り、熱気がこもる。

2002/8/12(月)

盆ということもあって、妻が実家に帰省。途端に静かになる。一人暮らしが長かったというのに、2人での生活に慣れると、こうも気分が雰囲気が違ってくるものか、と思う。

2002/8/11(日)

不安定な天気にやきもきしたけれど、昨日から一転、きっちり充電できた。

週末しか確保できない読書の時間。マイケル・ギルモア、漱石、内山節、オリバー・サックス、向井敏の著書を並行読書。腕のいいシェフの選りすぐりを少量ずつ、並べられた感じ。ぜいたくな時間を堪能できた。

週末くらいはこうでなくては。

2002/8/10(土)

せっかくの休日であるのに、なんだかあわただしく過ぎた一日。

同窓会が近いこともあり(僕は出ないのだけれど)、友人からメールを受け、思うことの広がった一日。

2002/8/9(金)

昨日が立秋だったからという訳でもなかろうが、今日は風が強く、随分と涼しい。

目の出血で眼科を訪れる。以前はよくあったが、最近では久しぶりのこと。

2002/8/8(木)

立秋。「立秋とはいえ、酷暑が続く・・・」というのが決まり文句だけれど、それでも昨年や、1994年の猛暑のときに比べれば、涼しいとはいえないまでもものすごい暑さで耐え切れないというほどではない。

この一週間は蒸し暑さが続いていて、そちらのせいで体力が消耗させられる。

2002/8/7(水)

2日続けての夕立ち。特に今日のは激しく、30分以上強い雨が続いた。

夕立もない異常な天気が続いていたから、少し、安心もする。

ちょうちん祭りに訪れていた観光客は、不意の足止めとなったかもしれないけれど、ひとしきり降った後はかえって熱気がこもったのでは。

2002/8/6(火)

職場で関係者を集めての協議を行う。先日の業者ヒアリングもそうだったけれど、会議、協議、ヒアリングといった類のものは耳のきこえない僕には鬼門である。お手上げというか、いかんともしがたい。

といっても、今回は自分の担当なのだから避ける訳にもいかない。自分は話して、他の者の意見が「きけない」というのも、今更ながら、どういっても始まらないのだが。それでも、今の職場は、理解してもらえてそれなりに対応できている。

悩ましい思いは抱えながらも。一方で、悩んでもどうなるものでもないのだと割り切る。

2002/8/5(月)

防府天満宮御誕辰祭に出かける。うんと久しぶり。そんなに多くないだろうかと思っていたら、予想に反して、ごった返していた。

木曜に見た萩の花火のように、純粋に花火を観賞するのもいいけれど、やはり、夏の祭りの雰囲気が欠かせないよなと思う。花火といえば、祭りといえば、夜店のランプの灯る、あの雰囲気でなければ。防府で生まれ育ったからでもあろう。

2002/8/4(日)

「日本語」がブームという。

火付け役は斉藤孝氏の『声に出して読みたい日本語』。また、ロングセラーの金田一春彦の著書が再び、店頭を賑わわせている。今日見ると『声に出して--』の続編までもが出ていた。斉藤氏の著作は3冊読んで大いに感銘を受けたのだが、実はまだ『声に出して--』は読んでいない。まあ、大体の想像はつくから、と。

その影響では決してないのだけれど、漱石の『坊つちやん』を読んでいる。これが取り上げられているのかどうかは知らないが、まぎれもなく音読して美しい最高の作品であろう。

夏休みの時期になると、過去の学生時代を引きずって、本が読みたくなる。名作を読み返したくなる。漱石は年に最低でも1、2冊は読み返したい。

2002/8/3(土)

昨年は岩国の錦川水の祭典を見た日。

今年は、ずっと続く疲れもあって部屋で充電につとめる。部屋の外に時折目をやりながら、読書。すぐ背に山を負って団地が並ぶ。団地がなければ、もっといい景色であるけれど、それでも充分に鑑賞に堪える眺めである。風に揺らぐ木のそよぎがいい。一本の木があるだけで随分と違ってくる。

2002/8/2(金)

萩の花火大会は、菊ヶ浜の海岸にあがる美しさがよかったけれど、それ以上に感嘆したのは、始まる前、陽が沈んだ時の夕やけの残りの美しさ。笠山と海と空との境界にきれいな筋のようにオレンジ色がすっと伸びている。

それと、星空の美しさにも。

山口のここも星がよく見えるところだが、萩のはそれ以上にすごかった。夏はあまり見えないとばかり思っていた僕の先入観を打ち壊してくれた。特に昨日の日中は空が澄んでいたから特別だったのかもしれないが、まさに星屑といえるような輝きが空一面に散りばめられていた。

妻の作った浴衣を姪が着る。よく似合っていた。

今日は自衛隊駐屯地の花火をアパートから観賞。

2002/8/1(木)

今日から8月。葉月。

青い空が山に囲まれた山口の上空に気持ちよく広がっている。山口に住んでいると、海を見る機会が滅多にないのだが、海水浴場ではさぞや白い波や雲とのコントラストが見事だろうと想像する。

これから、萩の花火大会へ。


 

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