もんたかや、伊丹十三

もんたかや、伊丹

今週、NHK-BS2 で伊丹十三の「女」シリーズが放映されていて「なぜ今?」と数日、考えないでもいた。と、思い出せたのは、亡くなったのが確かこの時期だったはず。

「ああ、そういえば10年になるんだ」と、それで腑に落ちた。

TV放映には残念ながら日本語字幕は付かないけど、僕も伊丹十三シリーズは大好き。封切り当時、「スーパーの女」には確か字幕が付いて限定上映されていたと思う。まだ邦画に日本語字幕の付くのが珍しかった頃の話。

「好き」なのはより彼のエッセイの方。今の若い人には「伊丹十三って誰?」と思うかもしれない。三十代、四十代でも映画監督として知られているにとどまるのじゃないかと思うけど、実は希代のエッセイストでもある。というか、元は自身も国際的俳優からスタートして、若い内からエッセイ、対談、その他・・・と多才ぶりをいかんなく発揮した(郷里の松山(愛媛)名産「一六タルト」に友情出演した CM は傑作らしい)。

前、今年の映画の best3 をエントリしたとき、生涯ベストもいいし、その延長で「好きな作家ベスト3」もできるな・・・と思っていたのだけれど、故人で3人挙げるとき入る人。

伊丹十三本
伊丹十三の著作

十数年前、古書店巡りを一つの趣味としていたとき、伊丹十三の単行本を探すのが楽しかった。単行本初版は40年以上前で、なかなか手に入らないんだよ。

ネットでたやすく検索できる今は古い本を探す愉しみもなくなってしまったけれど、伊丹十三もここ数年、また見直されてきている。雑誌で特集が組まれたり、かつては絶版状態だった文庫もだいぶ復刊されたり。

そんな風に好きだったので、自殺したことを知らされて驚いた、ショックだったのをよく覚えている。

「10年」の方をはっきり覚えているのは、この年は世の中もまた悲惨な年だったから。拓銀破綻に始まり、山一証券の廃業と連鎖した。晩秋の鳥取に出かけていた11月下旬の3連休、土曜夕方のTVニュースが騒然とした状況を映していた。何かとんでもない事件が起きたのか、と、きこえない身にはテロップが出ないから余計に印象が強かった。

新聞各紙も金融業界のこの10年を総括していた。10年経つんだね。早いなあ・・・。伊丹十三ももっともっと沢山、いい映画を、いいエッセイを残せたはずなのに。もんて(戻って)くれたらなあ。

好きな作家・故人編、現代編を今度いつか。


※もんたかや・・・やあ、帰ってきたかい? の伊予弁、阿波方言
折しも正月の帰省時だね。



 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。