早生まれの才能、取りこぼすな

「40歳代ランナーはなぜ速いのか?」の前に、こちらも年齢がらみの、僕には大きな関心分野である早生まれの話題について。

以前、

早生まれの不利/迷える子羊のつぶやき

のエントリをしたけれど、その後も頻繁にこの話題を目にするようになった。

今日(2007/10/23)も日経新聞生活欄(=統合版。都市部では夕刊紙面になるでしょうが)に大きく掲載あり。「早生まれ」をキーワードに検索エンジンから訪ねてこられる人も多いので、引き続き注意深く追ってゆくことにしよう。

内容的には前回のエントリと変わるものではないのだけれど、抜粋すると

医師のOさんは3月中旬生まれの4歳の息子に小学校受験をさせようと考えているが、まわりの子に比べ体格や言語能力で明らかに差があることにショックを受けて個別指導の教室に通わせ始めた。「人と同じことをしていても差は縮まらないですから」


Jリーグが選抜した育成チーム(=プロへの登竜門)に所属する小6-中2を調査すると、4-6月生まれが4割以上を占めるのに対し、1-3月生まれは1割未満。同学年の子を運動能力などで選抜すると、どうしても早生まれが不利になる。


3月31日生まれの作家・出久根達郎氏は「自身を振り返っても早生まれのハンディは明らかだ。親としては、ほかの子ができて我が子ができないことに、焦りやいらだちを感じることもあるかもしれない。だが、比較して劣等感を持たせるのでなく、フォローに徹することをお薦めしたい」

繰り返しになるが、早生まれの子どもの不利は、直接的・第一次的には学齢期の早い段階(幼稚園、小学校)での同級生らとの競争に不利なことであるが、それにとどまらず、最近、こうして話題になるのは、第二次的にもっと大きく重要なこととして、幼少時・低学年齢期に同学年生らに遅れをとりがちだったという「心理的なコンプレックス(劣等感)」が無意識のうちにもその後の成長にマイナスに作用してしまうことの方である。

「勝ち抜き」「選ばれる」機会、そこから自然に身に付く「自信」といった大切な「経験」を逸してしまう。対人関係においてもリーダーシップや主従につながってゆく。データには出てきにくい性質だろうけれど、「いじめ」の問題にこうした原因があることも否めないだろう。

年度末(3月26日)生まれの僕も、出久根氏同様、今にして強く思う。

例えば、僕は運動能力が低い訳じゃない。万能とまではゆかないまでも広く浅く器用な方だと思う。でも、クラスを代表してリレーの選手に選ばれるということはなかったし、部活でもレギュラーにはなれなかった。

高校時代の後半頃からやっと少し、追いつけるようになったと感じたかな? 学校でもらう5段階評価の通知票、体育は小学校からずっと「4」。「4」でもいいのだけれど、運動は好きだったから「5」がほしかった。最後、高3の最後の1年(=高校は1年単位で評価)でやっと取れた、そのときの嬉しかったこと。

もう卒業も進学先も決まっている段階の通知票に意味など無いのだけれど、この時、感じた大きな自信だとか、こういう経験を子どもの頃の早いうちに味わえるかどうかというのは、その後の成長段階に及ぼす影響が本当に大きいと思う。

(今ならリレーの選手にだって、レギュラーにだって・・・!?)

子どもの早期教育が加熱している昨今、こうした風潮を受け

入学試験で早生まれの不利を是正する対策が広まりつつある。慶應義塾幼稚舎では生年月日順に入試を実施。首都圏の私立小91校にアンケートした調査では、40校が「生まれ月に配慮した」と回答した。


「早生まれの才能を取りこぼしている」と危機感を抱いたJリーグも、埋没しがちな早生まれの子にリーダーシップを与えるなどの取り組みを始めた。

前回、エントリしたときは「さすがにスポーツ少年団で早生まれの子に配慮までは無理だろうけど・・・」と記したけれど、Jリーグが今、そこまでやっているんだね。

元々、生まれたときから能力の差があるわけではないのだから、「機会」さえ与えられれば、Jリーガーやプロ野球選手にも生まれ月による顕著な差はなくなるだろうね。

取りこぼしている能力、当の子どものためにも、社会のためにも、周囲が、大人が積極的に活かしてあげたい。


「早生まれ」&「遅生まれ」

 

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