挫折と不遇、胆力生む

日経新聞は経済記事に限らず非常に読み応えある新聞で、一日の紙面でそのあたりのお手軽な新書数冊分くらいの充実した内容があると思う。今日(5月5日)に面白かった記事。いずれも月曜日連載の記事。

「鉄・自動車」依存のリスク

「オピニオン」ページの「核心」コラム。日本経済を説明するコアになる数字として「12」という数列を挙げている。

すなわち、日本の人口が約1億2千万人(東京は1200万人)、日本の粗鋼生産量が1億2千万トン、薄型テレビの世界生産台数が1億2千万台、12億台は世界の携帯電話生産量、1兆2千億ドルはサブプライムローン損失予測額。1200万台は日本の自動車生産台数、120万戸が住宅着工戸数・・・。

なるほどねぇ。僕もこの春、異動になる前まで統計を扱う課にいたのだけれど、目先の前年比(前月比)プラス、マイナスには毎月、皆、敏感でも、トータル値については不案内だった。まあ、日本経済、世界経済全般について知っておくのも学者等の限られた層ではあろうけれども。

面白かったのは、本文中にも使われているとおり、日本語でも「十二分に」とか「120%」といった用例。暦からして12だし(星座も)、また古来の時の刻み方、あるいは十二支で一回りというように、「12」って面白い数字だね。

記事の主旨は、例に引いた鉄鋼・自動車生産が絶好調の今、景気判断の重要な指標となる鉱工業生産指数においてもウェイトでIT関連が下がり、鉄・自動車を引き上げたことへの警戒、懸念。21世紀産業のIT業界が低迷することなく、両者と上手くかみ合ってこそ、というもの。

さて山口県がまたとりわけ製造業依存の高い県で、業種でいうと化学や石油業界に次いで、やはり自動車・鉄鋼の比率も高いところ。「経済」を一言でいい表すのは至難であるけれど、いずれの業種にしろ、大切な産業。

社員食堂の充実に異議あり

隣の記事「インタビュー領空侵犯」で佐賀県知事の古川康氏が、近年、充実してきている社内食堂より食事の時は外に出て視野を広げよと提案している。佐賀県庁では「ティファニーで朝食を」をもじって「まちなかで昼食を」なんだそう。車で通勤し、一歩も外に出ず遅くに帰る生活だと街のことを知りようがない、と。

同感。僕自身も本庁にやってきてからの15年間、外に出て食べたのは数回くらい・・・。食堂か持参弁当か業者の納入弁当か・・・といったところで、みんなそう。これが出先だとだいぶ違って、以前、岩国いたときは当時の庁舎が繁華街にあったこともあり、選択肢は十、二十あって毎日、悩むくらいだったのだけれど。

大企業や工場といったところはどこも似たようなものだろうと思う、敷地外に出るだけで時間がかかってしまうので簡単にひょいと出れない事情がある。でも、確かに街の様子を肌で感じられないのはまずい。僕も出先から本庁に来て一番に思ったのは、朝から夜まで庁舎の中にいて市井の生活感覚を味わえず、「季節感」のない味気なさ、寂しさ。

今は昼休みも短くなって、3km走れるかどうかの昼ジョグで外気に触れられるかどうか・・・。

挫折と不遇、胆力生む

「働く」ページの「私の課長時代」は資生堂社長の前田新造氏。

40歳過ぎで閑職、別会社への出向もうまくゆかずに失意を抱えて戻ったら、待っていたのは窓際。

失意の日々に元上司が「辞めるな」。

もう何年も一緒に仕事をしていない、直接の部下でないかつての後輩の心情まで気遣う上司に打たれて奮起したという。

今は余裕がないのか、関心がないのか、利害をこえた人間的な付き合いが少なくなっている。


 

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