情報・交流誌 「手をつなぐ」

「あたりまえ」の働きがいを彼らに

tewotunagu201508

以前、障害者雇用の啓発誌「働く広場」について数度、エントリしたが、障害関係の情報誌、また団体機関誌の職場回覧。標題も興味深く読ませて質の高い、知的障害当事者に関する記事の編集された月刊誌。

今月号の特集テーマが「本人活動」。僕自身の障害種別とは異なるものの、冊子冒頭からうなずかされること、しんみりと感じ入ること半端でなく読み入った。多数を占める健常者でつくられた社会の中では、知的障害者が自分を肯定する自尊感情を獲得するのが困難であること、その深い疑問と不安を抱える課題に向き合うのが本人活動。

機関誌:手をつなぐ | 全国手をつなぐ育成会連合会全国手をつなぐ育成会連合会

記事(原稿、論文)提供者は障害当事者でなく、その周囲の支援者であるのだが、こうした方らの「上から目線」でない非常に謙虚で当事者に寄り添う姿勢には泣かされるところもあり。

今号で一番、打たれたのはまた別の「ひびき」という、自由テーマで思いを語るコーナーなのかな、社会福祉士として最初、公務員(東京都)で、後、民間企業を経て現在は設立された株式会社で知的障害者の就労に携わっておられる方の稿。以下、そのままに引用 ────

プロジェクトを始めて気づいたことは、賃金という結果よりも、私たちは彼らに「働きがい」を提供したいと思っていることです。結果だけ求めるのはおかしい。誰もがお金だけもらえればいいわけではなく、私たちだって「働きがい」を求めている、それは彼らもいっしょのはずだと思うのです。その欲求は「あたりまえ」の欲求であるはずです。

先日、ここで紹介したばかりの毎日新聞記事に全く同じこと。

ある支援職が言いました。「障がいがあるのって障がい者が悪いわけではない」と。シンプルで分かりやすい。その通りです。「障がい」者の「障がい」は彼らに責任があるのではなく、その他多数の人が生活しやすいようにつくられた社会にあると私は考えています。だから、その社会の中に様々な人の力をつなげて、彼らが働きがいを得ることができる社会にしていく必要があると思うのです。そして、彼らが自らの手で、笑顔溢れる人生を送っていくことのできる社会の創造を私は夢見ています。夢といっても夢物語ではなく実現する夢です。


私たちは公的給付金や助成金がない中、やれることには限りがありますが、想いを同じくする仲間とともに、どんなに大変でも、命の限り、いろんな職域での彼らの働きがいをつくっていきたいと考えています。


株式会社テミル 代表取締役 船谷博生

これも先月、公務員の天下りについて触れたばかりの

役人も天下りでなく、健康な身体と豊富な経験があるなら事業を興して社会に貢献するなど、退職後くらい自ら道を開いて矜持を示してほしいものだ。

と書いた、まさにそのもの。こうして自らが思う道を切り開いて社会を変えようとする方のいられること、その姿勢には強く胸を打たれる。こうした理解ある方がいられるのだと思うとたとえ対象は違っても勇気付けられる。


 

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