国リハ初訪問

国立障害者リハビリテーションセンター

先月の出張で新所沢にある通称国リハなるところに行ってきた。ここは障害者の社会参加、復帰、就労へのリハビリテーションを支援する箇所であり、また福祉機器、技術の開発が行われ、併設された病院で診察が行われ、そしてリハビリに携わる専門職の人材研修が行われている(学院)・・・また職業リハビリテーションセンターも併設されている・・・といった具合に(僕自身もこれらの関係を説明しきれない)広い敷地には寄宿舎、職員公舎、300mトラックを備えた運動広場まである国のリハビリテーション拠点として一群の施設を抱える総合的な場所(厚労省の機関)。

学院の方には手話通訳学科というのもあって、手話ニュースのキャスター2名がここで通訳者を目指す生徒を教えている、かねてより知ってはいたが「ここだったのか」と感慨した。── の同じ建物で今回は1日目が会議、2、3日目が研修。

障害を区分するとき、一般には身体、知的、精神の3障害があって、福祉サービスの一元化が諮られたのが平成18年の自立支援法(現総合支援法)。今回の研修は従来のこの3つにはなかった第4、第5・・・の障害と呼ばれる支援について。同じく最近の支援対象になる発達障害についてはだいぶ一般的になっているが、もう一つの方。僕自身も知らなかったが、実際にもなってみて本人、家族ともに初めて知ることの多い障害らしい。

僕自身が初めて知るといっても実際のところ、行政の人間はそんなもので、例えば障害者支援といっても国・県・市町村といったレベルではほとんどが特に専門職というのでもない人間が大多数、ほんの2~3年の異動スパンで仕事として携わるのみ。仕事としてこなしているだけで、では職員の方が(経験者も含めて)現実個別の障害者支援を実践できるかというと残念ながらそうでもないのは、自分も当事者だけに身に沁みて感じさせられる(苦)ところだが、それはさておき。

今回の対象の障害は診断基準の明示されたのが平成16年とまだほんの10年前、支援のあり方について現在進行形で研究中という分野。研修の方は実際に支援に携わる色んな医療・福祉職種の方、中には医師までもが参加されていて、僕のような行政の人間はごく少数であったのだが、おかげで非常に有意義な勉強をさせていただいた。

生来(先天)の、でなく主に人生の中途(主に中高年)でおう障害ということで、研修で説明される内容には僕自身の障害にも非常に通じるものがあるなと共感させられた度合いは半端でなかった。いわゆる

  • 見えない障害である
  • 本人、家族でさえも理解しづらい
  • 過去の自分で生きているので、できないことが実感しづらい
  • 職場でもトラブルが多い
     →離職率も高い。周囲の障害の特徴の理解が大切である
  • 先が見えない不安が大きい
  • 閉じこもりがち
  • 中途障害ゆえ二次障害に陥りやすい
  • 自己肯定感が育まれるような支援が必要

特に自尊感情や自己効力感が低下しがちであるがゆえに、自己肯定感が育まれるような支援が必要というのには、非常に難しいところだがとても大事なところとして心理療法についても説明されたが、これなどはとても聴覚障害者に通じるところがある。障害への支援度という意味ではまだ聴覚障害の方がずっと低い、こちらの障害の方が非常に大変であることも分かるのだが、聴覚障害がこの障害に通じることが多い、いわゆる肉体のリハビリというより心のケアの方がとても必要だということをあらためて感じさせられた。現実には僕自身も受けたわけでないように、実際にはあまりなされていない。

聴覚障害を支援する場所は非常に珍しいので、手話を学んでいる方、また就労を目指して訓練している同障者らとも3日間、昼食時に顔を合わせる。こんなときは手話というのが非常に便利なもので、すぐに打ち解け、親しく話をきかせてもらえた。また、今回、派遣された通訳者は実際にここの学院を卒業された方ということで、この手の職務の通訳というのは極めて難解な専門用語の羅列(通訳以前に普通の人も耳できいてもすぐには理解できない)なのだが、技術は申し分なく、大変、ありがたかった。また、世間話などもいつも感じさせる、世間は狭いものだという共通の話題も多く、研修外にも非常に得るところの大きい滞在であった。

20150626

 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。