壁の向こうに 1

遥かなる甲子園

遥かなる甲子園

23年前の沖縄。1学年だけの聾学校、北城ろう学校の野球部が、一般の高校生と同じ土俵で甲子園を目指そうとした──当時は高野連が特殊学校の参加を認めていなかった──、表題作をご存じだろうか。

原作はドキュメンタリー。その後に山本おさむ作の漫画が大ヒットし、映画や演劇、TVドラマにもなった。僕が初めて知ったのは、やはり、漫画で、当時、大学在学中。野球が舞台であったこと、僕も球児達と1学年違いなだけであること、聾者の世界はまだ知らなかったが、僕自身、耳の障害のことでずっと悩んでいたことから、漫画に大いに感動し、就職した年に上映された映画にも1人、出かけたことを覚えている。手話に出会ったきっかけも、この本だったといえる。

耳の聞こえない高校球児のその後

当時、かなりのブームを呼び起こした。第**次手話ブームにも寄与したはずである。あれから23年。40歳になった球児達を追った、ちょっとしたドキュメンタリーのような番組がTV放映された。

当時、本土からも新聞、TV、雑誌・・・のメディアが押し寄せた。多くは世間受けする美談に仕立て上げられた。けれども、一度の夏を最後に、潮が引いたように忘れ去られていった。今回の番組は、球児達のその後の「壁」を追ったもので、決して「美談」に終わらない、聴覚障害の抱える深い悩み、問題に正面から切り込んだものとなっていた。

普通、TVでは題材とならない、一般の人、聴者の知りがたい側面を切り取って、30分枠の短い時間ではあったが、大いに考えさせられる内容であったので、紹介してみたい。

(続く)

QAB(琉球朝日放送)制作で、テレビ朝日系列で放映されたが、YAB(山口朝日)で6日朝5時、KBC(九州朝日=福岡)で7日朝6時、と、一体、誰がこんな時間に見るだろう? と思えるような連休中の早朝に放映されたのが残念といえば残念。内容は悪くなかっただけに、もっと見てもらえる時間帯に放映して欲しかった。それでも、QABにとどまらず、全国放送されただけでもよしとすべきだろうか。


 

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