背押す上司増やせ

社会的責任(CSR)の一環としてでなく女性活用せよ

今日の新聞記事(2007/09/06日経)から。

経済面「成長を考える」シリーズの第2編、<さまざまな視点>としてメリルリンチ日本証券社長の小林いずみ氏が「背押す女性上司増やせ」と述べている。

まず氏の経歴がすごい。01年から現職というから42歳で社長。今年には経済同友会副代表幹事に史上最年少で就任。日経には夕刊(山口では統合版だけど)で毎日、仕事そのものに加えて子育てであるとか親の介護だとかいった、女性の働く環境を意識した生活関連面も加えた記事に一面分が割かれている。

一線で活躍する女性が連日、こうしたページでも紹介されているので、今回のことも特に不思議なことではない。女性の活躍のためには、より女性自身を理解できている女性の上司を増やせということや、出産育児面への配慮という記事の内容に異論はない。今回、取り上げたのは、まさに<視点>をちょっと変えると、僕が普段から思っていることが同じように言えるのではないか、と思って。

企業は新規採用では女性を意識して採るようになったが、どういうわけか途中でいなくなる。次の課題はどれだけ企業に長くいてもらうか。これは会社と女性の両方に問題がある。

「女性」を「聴覚障害者」に置き換えると、そのものズバリ。ちなみに「障害者」で一括りにされるとそうでもないので焦点がぼやけてしまうのだが、というのも、こと聴覚障害者は、障害者の中でも離職率が断トツ。コミュニケーション不足によるお互いの理解不足で孤立感に陥り、会社(組織)になじめない。情報が伝わってこないので主体性を発揮できない。きこえていれば自然に身に付くはずの知識や慣習を知らず、リーダーシップもとれない。

なぜ中途退社が多いのか

──なぜ中途退社が多いのでしょうか。

中間管理職に女性が少ないことはハンディキャップだ。女性がどんな壁にぶつかっているのかを理解している男性の上司は少ない。男性の部下であれば壁にぶつかったときに背中の押し方やタイミングがわかるが、女性の部下のことは見当もつかないはすだ

ここでは、「女性」を聴覚障害者に「男性」を聴者に置き換えてみると同じ。女性の部下よりも聴覚障害者の部下の方がアドバイスも難しくなりそう。ただこれも、男と女はそもそもが半々だけれど、聴覚障害者は超少数。聴覚障害の部下のために聴覚障害の上司・・・というのは現実的でないかな。

女性問題と障害者問題は似ている、という学者の指摘もきいたことがあるし、僕自身かねてからこうした記事を読むにつけ、思っていたこと。

ひところポジティブアクションといって、女性の積極的な登用・昇進という話題が多かった。あまり行き過ぎると逆差別(男性が不利)ということで以前ほどきかなくなったけれど、管理職への登用比率とか委員会・審議会には一定数が任用されるとかはまだあって、それは概ね社会の同意も得られていると思う。ならば同じことが障害者にもあっていいのではないか、と。

──どんな助言が必要なのですか。

「あなただけの問題ではないし、乗り越えてみると大した壁じゃない」というメッセージを伝えられる女性の上司を増やしていくしかない

一番、大切なのはここ。これはたとえ「上司」にはなれなくても、後輩に対して「先輩」として範を示せないといけない、道を切り開いてゆかないといけないという意味で、まさしくそのとおり。

ただ前にも書いたけれど、壁とか波というのは際限なくやって来る。一度、越えたら終わり、でなく。乗り越えるというより、現実には越えられないけど、永遠にぶつかり続ける姿を見て何かをつかんでもらうしかないんだよね。



 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。