忘年会シーズンに

気分の全く異なる忘年会

konvice

忘年会シーズン。

宴の中にいて酔えないろう者、とボストン旅行記に書いたこともあるように、ろう者にとっては、親しい仲間うちでならともかく、こと職場の忘年会などは積極的に出たくないケースも少なくないと思う。

「飲みニ(ュ)ケーション」なんて(あらためて言われるとヤボで古くさい気もする・・・)ことばがあるように、騒ぎ、語り合うことがメインの場であるのに、周囲(聴者)は楽しく盛り上がっているのに・・・という状況は、場合によっては仕事自体より苦痛な時間にもなりうる。

昨夜は、それぞれにそういう思いのある同じ障害のメンバーと。同じ仕事の、県全域から集まってほんの数名、の相変わらずマイノリティではあるけれど、気を遣わずに済む、また必要以上に周囲に気を遣わせずに済む(=こちらも大きいポイント)同士なだけに、なごやかな気分で飲める。そして、話せる。

同障者ということに加え、各自の職場や仕事のことでは共通する話題が多いだけにより濃密な場。新しい仲間も加わって一層、賑やかになった。ただ一方で、ちょっとショックなことも知らされたけれど・・・。

職場にどう定着

さて、ちょうど昨日の日経新聞(2007/12/14)生活欄には、企業の障害者雇用のことが取り上げられていた。

企業の障害者雇用が広がる一方で、就職しても長続きせず離職するケースが増えている。職場に障害者への十分な配慮がなく、仕事にやりがいを持てないことなどが原因だ。職場定着のためには社会貢献という視点だけでなく、障害者を戦力として活用するという発想が重要だ。

僕がこれまでにも繰り返し記してきたことで、単に雇用を増やすだけでなく、雇用後の満足度が得られているかどうか。当事者である障害者にとっては、まず雇用先を見つけることで精一杯で、採用後のやりがいまでは全く頭が回らない。何とか採用されてはみたものの、不満、不信、モチベーションの欠如・・・等から定着せずに辞めてしまう。

記事によると、東京の障害者就職支援センターでは、十人に四人が辞めた計算だという。このブログで書いているように、中でも聴覚障害者は離職率がダントツのはずで、僕が知る範囲だけでも十人に四人どころか、八、九人は辞めている割合になると思う。辞めた、あるいは辞めさせられた経験のない者に出会うことの方が稀なくらい。

記事の中での改善策として、精神障害を持つ社員が二人、同じ職場にいて励まし合うことで「仕事が楽しい」といえるようになった例が挙げられている。これはコミュニケーションに苦労する聴覚障害者に特に求められていいと思う。

「背押す上司増やせ」でも述べたけれど、女性の部下に女性の上司が対処することで効果があるように、同障者の上司(部下)が近くにいれば、同障者同士で助け合えれば全く違ってくるだろう。

また、記事では雇用の拡大にとどまらず、戦力化のために研修に力を入れているケースに触れられている。これもやはり昨夜の話題にのぼった。僕もこれまでに度々、述べてきている。きこえないと研修を受けたり、出張したりという機会が決定的に少なく(全くない、といっていい程に)、能力向上の機会、ステップアップのチャンスを逸している。

「(長い経験でも)何にも身に付いていない・・・」という嘆きには、そんなことはないよと否定してあげられるけれど、本人からするとそう自嘲せざるを得ない環境であることは僕も同じである。

記事では障害別に踏み込んでまでの内容は無理だろうから、普遍的な結論を導くことも難しい点もあったろう。僕自身の立場でいうと、コミュニケーション障害という特性をもつ聴覚障害者に「職場への定着」というには、「仕事が楽しい」と思え、職場の忘年会(や親睦旅行といったあらゆる行事・・・)にもすすんで参加できる、周囲に溶け込めるようになるかどうか。

そんなことも考えさせられながら、昨夜は気兼ねなく楽しめくつろげて、こんなことは僕には珍しいのだが帰宅後はすぐに寝入ってしまった。



 

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