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仕事とバイトと聴覚障害 2
バイトでは聴者との競争
前回からの続き──
唯一あるレスは、おそらく普通の会社の(正社員の)ことなんだろうと思う。同じような質問で、バイトでなく「仕事そのものを見つけるのが難しい」というのも多い。というか、それが圧倒的で、聴覚障害者にとっての最大で永遠の課題である。
けれども、僕が思うに、このトピックはそれ以上に残酷な面をあぶり出している気がする。というのも、聴覚障害者には「学卒後の本職(就職活動)よりも、バイトを見つける方が難しい」面があるんじゃないかと思えるから。
バイトの方が気楽で簡単で・・・というのは、普通の身であってはじめていえること。
バイトの方が即戦力、機動力を求められる。採用側があれこれ指導したり研修したりの手間をとらず、手足として自由に使える、動かせる者。
対して、本職の方は「障害枠」で入ることができる。聴覚障害者の就職は、大半がそうだと思う。企業側にも、法定雇用率のカウントとなるメリットがある。障害はあっても、採用するからには数十年の問題で、時間はかかっても、じっくり指導、研修して育て上げる余裕がある(=ただ、実際にそうなっているかどうかはまた、全然、別である)。
今でいう「ジョブカフェ」のように、障害者の就職には学校のみならず公的機関や福祉機関が個別に支援してくれるケースが多い。おそらくその支援なしには難しいと思う。
でも、バイトに障害枠は普通、ない。バイトへの応募にまで支援はないだろう。健常者、聴者と同じ条件で採用募集に臨めば、ハンデは明らかだ。
僕は、この相談者の彼が面接までたどりつけたこと自体、すごいなと思う。だって、普通、募集は電話や口頭を通して行われる。聴覚障害者の場合、採用後の問題以前に、見つけるまでの過程(=電話での申込み~面接)、面接会場(スタートライン)にたどり着くのも容易でない。
解のない問い
僕のバイト経験と、かつ、今、自分自身も大いに悩んでいることからアドバイスしてあげたいと思っても、やはり明快な回答は出来ない。
あくまでバイトにこだわるなら、聴覚障害者にもできる数少ないバイトとしてよくいわれるのが、年賀状の仕分けだとか。でも、積極的に面白い仕事じゃないよね。他にも楽しくて華やかでおいしくて、ためになるバイトは無数にあるのに・・・。これひとつ挙げても、厳しいことは分かってもらえると思う。
あと、宅配便も同じかな。特にクロネコヤマトは障害者採用にも積極的なので、バイトでもOKと思う。そういった個別企業を決めて責めてゆくのも一法。
現実的には、理解ある聴者の友だちをつくって、一緒に応募する。2人以上で採用されるバイトで現場でのコミュニケーションは友だちの力を借りること。これも状況が刻々と変わっていくような性質、難しい内容、コミュニケーションが多くなるものは難しいし、採用側からみれば、どこまでもきこえる学生の方を優遇するだろうし。友人関係にもそのことで主従の関係が生まれるのも嫌なもの。
僕は同障だからこそ、安易な励ましはできない。現実を知った方がいいこともあるから。正直なところ、こんなふうにつらいことを味わうことはこの先、もっともっと多くなると思う。健常者、聴者の学生が就職に苦労する、という比ではない。相談者は18歳かそこらなんだろう、若いだけに悩むよね。学生時代は考えるいい時間になると思う。がんばってほしい。
このバイトひとつとっても、書き足りないことはたくさんある。考えてみると、
- 聴覚障害者に実際に多い職業とか
- 適性とか
- 資格とか
- 障害枠とか・・・
まだまだたくさんありそうなので、今後も書いてみよう。
イメージするなら、「解のない問い」について、解に近づけなくとも、その周囲をぐるぐると周回している状態。ぐるぐると廻っているだけでも、それはそれで意義のあることだ、と思いを言葉にしていこう。
2007-05-16









