情報提供のあり方と可能性の引き出し

滅多にないことだけれど

時計台
時計台

北海道へは仕事で。通訳を付けていただく幸運、配慮を得て研修会(会議)に参加。

仕事の内容については、その知り得た内容を安易に口外できないとかの制約もあって、ブログやホームページでもあまり述べてこなかったけれど、今、携わっていることは統計関連の業務。

データを集めて統計をつくったり、また、それを分析したり。地味といえば地味。イベントを開催するとか、直接、市民、住民に接してアピールするような、外形的に華やかなものでもない。

でも、あらゆる経済活動や研究、教育分野になくてはならない、底辺の広く欠かせない仕事。

その統計の提供の仕方について。冊子(書物)だったり、最近ではまた急速にWebサイト上でだったり。そこでの議論。

まず、今回、手話通訳に当たられた方の技術的な高さに驚く。これが多くの聴覚障害者の集まる場でなく、一人の障害職員のために、と恐縮するくらいに。

盲者への提供方法

大通公園とテレビ塔
大通公園とテレビ塔

面白かったのは、追加で出された「盲者の問い合わせにどう対応するか?」という議論。例えばweb上で晴眼者が不自由なく入手できるデータも盲者には難しい。電話でデータを全部、読み上げたら数時間かかることもある、と。

統計とかデータベースとかはきりのない量を有するから。エクセルで100列×1000行のシートが数十・・・は珍しくない。

生活の中に入り込んでいるとはいえ、実際に統計を使って処理する人、必要とする人はあまり多くはないのも事実。仕事や学術、研究分野等、そもそもが、かなり限られた専門的な領域である。

かつ、統計という数値の羅列は視覚的な理解を殊の外、必要とする。その意味でも、視覚障害者にはなじみが薄い、縁遠い分野だろうとも思われる(一方で、対人的な接触の少ないという意味で、聴覚障害者の仕事となりやすい面がある)。

だから、僕には、提供する側の問題以上に、盲者が数時間かけてもデータを欲しがった、ということにまず驚かされた。意外と思えて感心させられた。

アクセシビリティへの配慮という。webページ上の情報(コンテンツ)を音声読み上げソフトが読み上げやすいような構造にするとか、色だけで情報を区別しないとか、フォントサイズを自由に拡大できるように固定しない(=IEではできない、Firefoxなら可)とか、安易に画像を利用しないとか、安易にテーブルレイアウトにしないとか、一昔前に多かったようなフレーム構造にしないとか、様々に・・・。

※このページも視覚障害者の方が訪ねてこられたことがあるのかどうかは把握できないけれど、出来うる限りで対応はしているつもりです。

限界とまだ見ぬ可能性と

赤煉瓦旧道庁
赤煉瓦旧道庁

ただ、多少なりとも視力の残っている方ならともかく、先の例のように、全盲の方へはweb上でアクセシビリティの配慮を最大限、努力しても、やはり限界はあるだろうと思う。最後には電話での人力の対応がベストになることも多いはずで。

そして、今回の僕の出席もそうなのだが、「費用対効果」という言葉で考えられると、「一般的」とは逸れた極めて少数の者に道は普通、用意されない。それがマイノリティの宿命である。

でも、一年に一度あるかないか、なのであるが、こうして会議に出席して情報保証の機会を得ると、普段とは違う可能性が自分の中から引き出されてくるのも確かだ。自分ではっきりと分かる。視覚障害者もそうだと思う。

そして今回のように通訳者の懸命な努力(なくしては、そんなに上手くなれないだろうというくらいの)が垣間見えてくると、心に感じるものも大きかった。原点ではあるが、情報提供のあり方というものを考えさせられた。



 

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