共に生きやすい社会を

昨夜、何気なくTVのチャンネルを変えていたらろう者(聴覚障害者)が店を経営するという番組に当たり、素晴らしい内容に感嘆させられた。(NHK教育「ろうを生きる 難聴を生きる」)

紹介されていた主役の男性は、かつて勤めていたデザイン会社を辞め、その後は障害者の就職を支援する企業に変わった。けれども、ここでも聴覚障害者の定着がすぐれないこと、また、相手方の企業も「聴覚障害者は雇いたくない」という現状を知り、ならば聴覚障害者を雇う方になるしかない、と考えて飲食店(スープカフェ)経営に踏み出したという。

聴覚障害者に接客は無理、という既成概念を覆し、激しい業界にあって3年間、経営は順調で、チェーン店の中でも成績はトップクラスなのだという。

放送ではろう者のスタッフ同士が皆、手話でコミュニケーションをとっている様子、また、同じように前の職場ではいたたまれずに辞めた女性従業員が、ここでは気兼ねやストレスなくいきいきと働けるという声などが紹介されていた。

チェーン店のトップクラスの成績ということでも、放映のインタビュー等を通してもこの男性の仕事能力の非常に高いこと、いわゆる頭の良さもだが、社会性、人間的な能力の素晴らしいことが強く伝わってくる。障害がなければきっとひとかどの人物になっていそうだと惜しまれるような方。とても感心させられた。

また、内容の素晴らしさもさることながら、僕がそれ以上に強く思ったのは、これだけ「できる」能力に加え、社会的な人間性を充分に持つ人でさえ、前の職場で「身体を壊して」辞めたということ。

もちろん、身体を壊してというのは、聴覚障害者の場合、仕事そのものではなく職場の人間関係から「心を病んで」ということ。先の女性従業員もそうだが、男性もいっていたように「最初は周りも「分かった」という。けれど・・・(実際には、やがて)・・・」で、これは聴覚障害者なら皆そうだろうが、きこえることが当たり前の社会の中で、きこえない身の苦労(という言葉では言い尽くせない壁の厚さ)が余計に分かる。

聴覚障害者が置かれているそういう現状の中で、何とかそれを変えたいと行動に移した、非常に心を打たれる内容であった。

「共に生きやすい社会を」 後編|ろうを生きる難聴を生きる

20150221

 

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