差別と偏見 こころと経済学

今日(12月30日)の日経「やさしい こころと経済学」は「第7章 差別と偏見」の第9回。

必ずも「やさしい」内容ではないが、今回のシリーズが始まったときは松井彰彦教授ということで注意して目を通していた。氏は以前、といってもこの一年だと思うが、「経済教室」の欄でも聴覚障害者のことに言及されていた。本棚でエントリしたとき、「経済学の中で障害問題を取り上げる論をちらほら見るようになった」というのはこの方のこと。

経済学の専門でいて、障害のこと、また、具体的に聴覚障害が出て驚いたのだが、今回も今日12月30日紙面でそのことを。

先日、東京都葛飾区にある金町学園を訪れました。この学園は聴覚障害のある子供達が住み込みで学校に通うための施設です。そこで使われる言語は手話です。手話ができない私たちは完全な少数派だったため、食事時の楽しい会話にも入れません。まるで私たちが「障害者」になってしまったかのようでした。

で始まり、有名な「みんなが手話で話した島」の実例にも触れ、最後にこう締められている。

これらの事例でわかること、それは「障害」というのは社会の人間関係の中で生まれてくるものであって、必ずしも固定的なものではないということです。それにもかかわらず、私たちは自分が慣れ親しんでいる社会を基準にして物事を判断してしまうため、障害を個人の属性と考えてしまいがちです。私たちの心が「障害」を生み出してしまっているといってもよいでしょう。

ちょうど今、「障害者差別解消法」という法律が昨年に制定されたばかりで、年が明けた来年(平成28年)の施行に向けてその実施のあり方が議論されているところ。

特に聴覚障害者の場合、何か物的な設備を整えればいいというものでは全然なくて、今回の最初と最後に書かれたように、結局、人の心、気付き、というものが全てになる。仕事はできても全くダメ、という人は多いし、それはもうはっきりと、とりまく周囲の心、想像力に左右される。

障害問題を経済と関連付ける研究、今後も期待して論を見たい。

(やさしい こころと経済学)第7章 差別と偏見(9) 我々の心が「障害」生む 東京大学教授 松井彰彦

20141230nikkei

 

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