腰痛はアタマで治す

伊藤和磨(2010年刊集英社新書)

2010/09/10読了、2010/09/10メモ

腰痛をマネジメントし、コントロールする知識とスキル伝達本

連日の腰痛本読書。こちらも先月、刊行されたばかりの初版は8月22日。僕にとって受傷後ちょうど一週間経過した日だったわけで、いずれも本当にタイミング良すぎる発刊。今後のケアには非常に役立ちそう。前回のは1時間足らずで読めた平易な内容だったが、今度は内容濃く読み応えは充分。

第1章「なぜ病院で腰痛が治らないのか」で、医者で治せなかったのが一発で治った、病院は画像所見で診断をくだすだけ、といった、web上にもたくさんある民間治療のサイトのような、ちょっと見にはいかがわしい成功例の誇示、PR文句で始まっている。

僕から見ても整形外科をはじめとする医学界、また他の民間治療を行う施術者のこれまでの治療法のあやまちを強調し過ぎるような、彼らからしたらちょっと眉をしかめたいところもあるだろう。ことさらに既存の医学を敵とみなして警告を発する、少々、センセーショナリスティックに現状を煽る感は否めない。

それでも、そのくらい、腰痛の治療と改善が難しい、医学の進歩はあっても腰痛患者の減らない(むしろ増えている)というのも事実であろうから、作者のような医学サイドからでない指摘が必要であり、求められているのだろう。ちょうど、「自民党をぶっ壊す!」と叫んだ小泉サン、またズバッ! といわせるみのもんたのように、世の中は歯切れのいい文句を求めている、支持しているのと同じで。

そうした具合に、ちょっと言い切り過ぎ、安易に断定し過ぎなところがあって、人間の身体、医学に関することならもう少し慎重なものいいが必要でないかと思える点は多いのだが、それは昨今の新書スタイルの求めるところでもないのだろう。

その点を多少、見過ごし、割り引くとしても本書は確かに有用な指摘が多くてとてもためになる。図解も多くて構造的な解説やストレッチ、セルフケアの方法も分かりやすい。タイトルの「頭」は、腰痛をマネジメントする知識と、頭の位置のコントロールが腰痛根治の鍵だ、というのも実感を持ってうなずける。

大切なのはリポジショニング

タイトルは腰痛であるけれど、腰痛に限らず、様々な痛みを引き起こす元凶が猫背に代表される不良姿勢にあることを繰り返している、内容的には「姿勢を正せ」というところが本書を通しての主張といえるだろうか。人間の身体を貫く「背骨」に沿って、その歪みが様々な痛みを引き起こしていること、人体の構造を示しながら「セルフケア、ストレッチ」の重要性が説かれている。腰痛に限らず、読みどころは満載であり、繰り返しの再読に適している。

また姿勢の正しい人はいないこと、著者もそうであるというように、正しい姿勢をとり続けることは難しい。大切なのは意識的にリポジショニングを行うことだという点も大いにうなずけた。常にチェックしていたいと思える。

僕の場合、タイミング良く腰を痛めてしまったことで「腰痛」をキーワードにこの本を知ることができた、出会うことができた。自分にとっては大きなケガであったけれど、それを引き起こしたこれまでの生活習慣やアライメントの狂いやケアの不足や・・・をみつめ直して反省できたのも腰痛がいいきっかけになってくれたと思っている。

僕の今回の急性腰痛(筋挫傷であり腰椎捻挫であり)も、多くの人がそうであるように今後また再発する、さらには椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症にもなりうる可能性は充分にあることなので、一層のセルフケアの大切さを自覚させてくれた、いい本だった。

今回は総論。また個別に忘れないようメモしておきたいことがあれば続編にでもしたい。

満足度:★★★★★


 

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