努力することの才能

教えて カントク!(2009年4月17日 小出道場メールマガジン第107号)


小出道場
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小出道場メールマガジン中、カントクが質問に答えてくれるQ&Aコーナーから──。

小出監督というのは大体が大胆な人で、質問の回答も非常におおざっぱでバッサリ切ってかかるような感じのところがある。長嶋茂雄的というか「超人」的といおうか、天才が天才を生むような、でも突き抜けた選手はこういう指導者の下でしか生まれてこないだろうなと思えるところがある。

逆に凡人の範疇を超えているというか、このQ&Aコーナーも全てが現実的とは思えない点があるのだけれど、今日のはなかなか良かった。全部、引用したいところだけれど、かいつまんでいうと──。

質問:
高1女子。全国駅伝常連校へ進学した(中学の記録は非常にいい)が、故障や体調不良で全然、走れない。顧問にも厳しく叱咤される。走りたいのに、気持ちと体がバラバラで、全然走れない。辛くて悲しくて仕方ない・・・。

カントクの答え:
市立船橋が優勝した時のアンカーの例を紹介。彼は高1の時、質問者の女の子より遅かった。高2まで練習についていけなかったが高2の秋から急成長した。

男子と女子とでは事情がだいぶ違うと思うのだけれど、それはひとまずおいておくとして、主眼は以下。そのまま引用。

君は練習をする時、自分のことより他の選手を気にしていないかな。

そして、今のことだけを気にしていないかな。

できない今の自分を人と比較して、焦って無理な練習をして故障したり、やる気をなくしてしまう。それはよくあることです。

そうやって走ることが嫌いになる選手を、僕もたくさん見てきました。


だから今は仕方がないと思って、半年後にはこういうタイムで走れるようにしよう、3年生になったらこうなろうと、彼のように長い目で、そして人との比較でなく自分の成長を考えてみよう。


僕は走ることの才能より、努力することの才能の方が大事だと思っている。そして努力する才能はみんな持っていると思うんだ。

だから、努力する気持ちがあれば、大丈夫。すぐに結果を求めると辛くなるけど、走ることは高校で終わりじゃない。そして練習は嘘をつかないよ。

「夢の実現」ができるよう応援しているね!

いいこと云うなあ。さすがだなあ。こういうところが時にあるから小出監督は熱烈に慕われるのだろうね。「冬の喝采」の著者、黒木亮氏も怒鳴られっぱなしの中村清監督でなく小出義男学校だったら・・・というかなわぬ気持ちもあったように。

そうだよねえ、走ることは確かに人との勝負で、部内の相手に勝たなくては駅伝の選手にもなれない、特に中高生なんて学校時代はあっという間で、すぐに結果を求めたいものだけれど、本当に走ることが好きなら先でいくらでも挽回できる。

できない今の自分を人と比較して、・・・、やる気をなくしてしまう。

これは僕も(走ることでなく)仕事で常々、思うことなんだよなあ・・・。

どれだけ頑張ってもやはり才能のある者の方が速い──というのも事実。才能や境遇の差は冷徹にある。でも、

努力することの才能の方が大事

ああ、自分に欠けていることだなあと思い、反省させられ泣けてきた。

山口瞳ではないけれど、全国の「新入生諸君!」に送りたい言葉だね。


 

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