子どものスポーツ障害とリハビリテーション

小山 郁(2010年刊ラピュータ)

2010/09/05読了、2010/09/05メモ

指導者、保護者向け良書

最近、ケガ多くトレーニングのできない日々が続いているので図書館でランダムに本を借りて読書している。市立図書館の予約サイトからタイトルだけ見て借りてみたら、4月に発行されたばかりの新しい本だった。著者はかなり有名な方のようで「ランニング・クリニック」もあり。

子どものスポーツ障害とリハビリテーション

ラピュータという出版社も初めて知った。教育関連も手がけているせいか、本の作りや内容は非常に真面目でいい。

まえがきにあるように、特に子どもをみる学校関係者、体育教諭や部活動の顧問でなくとも先生なら誰でも最低限の知識として一通り知っておいてほしい(と僕でさえ思える)ような基本的な、とても大事なことが整理されている。もちろん、保護者であればさらに。

これも時代の要請

考えてみれば「子ども」の「スポーツ障害」とは現代的な本である。確かに整形外科で保護者に連れられた子どもを多く見るようになった。足や腰や腕や・・・にいっちょまえにリハビリをあてられているのを見ると「十年早いんじゃないか」と思えるような、でも、それだけ医学も進化したし子どもの「スポーツ」も高度かつ専門的になっているのだろう。

僕なんかは小学校で木から落ちて腕の骨にヒビが入り、高校の柔道で鎖骨を骨折して入院した以外、十代から二十代前半まで外科にお世話になった記憶があまりない(昔はただの外科で整形外科はなかったように思う=あくまで自分の田舎では)。ましてやリハビリなんて言葉もなかった。今は整形外科(や各種治療院や)のリハビリにお世話になりっぱなしであるが(苦)。

「傷害」=突発的なケガはしょっちゅうでも、オーバーユースや慢性疲労による「障害」なんてありえなかった、それが今の子どもには深刻というのもため息をつきたくなるような嘆かわしい時代である。

本書は一般的なスポーツ外傷、障害についての基礎知識を平易に、しかしきちんと医学的に説明をした上で、部位別のケガに対して症状、診断、治療方法、リハビリプログラム、予防法と専門的な解説がなされている。

すぐに良書と思ったのも最初、まえがきを読んで本書の目的とする著者の思い、姿勢がよく伝わってきた、行き過ぎた子どものスポーツ事情に対する憂いが見えたのによく共感できたから。

「あとがき」もまさしく然り。昔の子どもは「スポーツ」なんていう意識はなく「遊び」の中で体力が培われた。今は小さな頃から専門的になり過ぎ。教える大人の方も熱くなり過ぎなのはどうかと思う。僕なんかは小学生が400mトラックを走る必要があるのか? と強い懸念を持つのだけれど、外野だからいえるのだろうことも承知している。

良くも悪くもそれが現代であり、時代であり、早い時期から取り組めば小学~中学でまあまあな成績が収められるのは当たり前、でもその後はぱったり・・・という例がとても多い、そうならないように、十代で「バーンアウト」なんて言わないように、せめて保護者や指導者がケガへの対処を身に付け、予防に注意してほしい。

タイトルは「子どもの」であるけれど、僕自身、それが目的だったわけでないように、大人でも一般向けとしても充分に役立つ。スポーツをしていれば子どもと大人とで特に大きな違いがあるわけでなく、一通りの基礎知識と対処が書かれていて、持っていて損のない本だと思える。

学年別に分けて、横並びでトレーニングをするとか、全国大会で勝たなければいけないと決めたりとか、そんなことは、大人の事情です。そのような大人の事情で、身体を動かす楽しみを奪われた子ども達が、いかに多いことか......。

(まえがき)


当時の「遊び」が、現在では「スポーツ」に変わった感があります。しかし、遊びで培われた下地が備わっていないのにも関わらず、「一つのことに打ち込むことはいいことなのだ」という、ヒステリックな根性論だけが残っているような気がします。

(あとがき)

満足度:★★★★★

偶然にしてはこれも縁か、「発言小町」のアイデア集に著者のアドバイスが加わった新刊が明日、刊行されるよう。当事者真っ最中として予約してみた。

腰痛を治す65のワザ+α



 

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