読売山口スポーツ大賞優秀賞受賞

身に余る光栄

このたび、読売新聞西部本社主催の読売山口スポーツ大賞優秀賞受賞の栄を受けた。 本当に僕などがいただいていいのか、と恐縮することしきりの身に余る光栄である。

昨年末、防府読売マラソン出場に際して取材されたときも晴天の霹靂だったが、今回も突然のことで驚かされた。白紙の状態の取材から始まった前回と異なり、今回は有無をいわせずの連絡であった。職場にかかってきた電話で知らされた僕は最初、以前、受けたことのある県のメダル栄光授与賞のように、きっと数多くの、数十人規模の受賞者がある中の一人なのだろうと思っていた。

山口総局の記者の方とはお世話になること今度で3人目。今回もやって来られた記者と簡単に確認のための質問を受ける。手元に持たれているのが資料なのかどうか、昨年末の福岡国際マラソンで優勝し、アテネオリンピック行きを確実にしているS&Bの国近友昭選手や、昨夏のパリ世界選手権で5位入賞を果たし、同じくオリンピック代表有力候補の中国電力の油谷繁選手の名前が・・・。途端に血の気が引き、青ざめた。いつも読売の記者は僕をびびらせてくれる。

このときはまだ、賞の何たるかを知らずにいたのだが、翌日に掲載された紙面を見て今度は倒れそうになった。見ると、受賞者は数十人ならぬ、大賞1団体、優秀賞3名である。しかも、県スポーツ各界を代表する選考委員の方々による審査の結果なのだという。賞の重みを初めて現実のものとして知り、凍りついた。できれば太い神経でありたいとは思うが、小心者の僕には正直、この賞の重みに耐えられそうにない。最初、記事が直視できなかった。

記者の心づかい

受賞団体・受賞者が後日、紙面で再び紹介されるという日まで、おどおどしながら過ごした。1週間後に掲載されたその紹介記事を読んでまず思ったのは、これは先の読売マラソン前後のときの2人の記者もそうだったのだが、さすがは新聞記者だな、とあらためて感じたこと。取材のときは要領を得ない答えばかりで困らせているのに、いつも見事にまとめられている。好意的に書いてもらえて、感激させられる。

入れ替わり3人の記者と、ほんの短い時間のやりとりながら懇意になることができたのも嬉しかった。最初はものすごくビビる、というか、緊張するのだけれど、そこもまたさすがは新聞記者で、相手の胸襟を開かせるのがうまい。職業柄、身に付くのだろう点を抜きにしても、そういう資質を持っているから記者として採用されたのだろうな、ということがよく分かる。きこえない僕は普段、こうした人との新しい出会い、ちょとした出会いという機会が非常に少ないだけに、取材という手段は抜きにしても相手の個性に触れることができると嬉しくなる。新聞記者という職業が羨ましく思える。ついでに、僕が新聞社に入れたら、このホームページの散漫な文章も赤鉛筆で添削してもらえて、もっと読みやすくなるだろうか。

受賞がもたらしてくれたもの

受賞自体は喜びというより、当惑の気持ちが大きかったのだけれど、記事になったおかげで、色んな方から声をかけていただけた。知人友人以外にも、これまではお互いが知ってはいても話すに話せなかった──それが聴覚障害の障害たる所以なのだけれども──言葉をかわしたことのなかった人からも、記事がきっかけで話ができた、というのもあって、とても嬉しかった。記事を契機にして、新しい窓が開かれたような、風が入り込んできたような心地よさを味わうことができた。

龍福寺の梅 /
通勤途上の龍福寺の梅(大内義隆菩提寺)

もうひとつ、嬉しかったことがある。受賞者紹介翌日の、同じく山口版紙面。「あの人、この人、話題の人」というコーナーに掲載された西京高校テニス部監督は、僕の高校時代の友人である。彼とは6年前の同窓会以来会っておらず、市内の西京高校に赴任していたことも知らなかったのだが、記事を読んで、写真を見て、とても懐かしくなった。今回の僕の受賞と関係するものでもなく、ただの偶然といえばそれまでなのだが、2日続けて紙面に登場するなんて、クラスメートがリレーしているようで何だかとても愉快な気持ちにさせてくれた。ちなみに、高校時代もテニス部のキャプテンだった彼は、僕なんかとは違って、当時からテニスという勝負の世界以外では全く敵などいないだろうと思えるくらい誰からも好かれる、ちょっといないだろうと思うくらいの、すがすがしい男だった。きっと生徒からも慕われているはずで、彼がその若さで3年連続8回目の全国大会出場を決めた、県下NO.1高校を任せられているというのも僕には(僕らには)至極、納得できるものである。

話を戻して、受賞が発表された紙面の選考委員座長のお言葉によると、「昨年、国体最下位に終わった山口県で、希望を与えてくれるような選手を選んだ」ということだけれど、大いに希望をいただけたのは僕の方で、感謝の言葉に尽きない。大人になると忘れてしまっている──映画『ショーシャンクの空に』でも気付かせてくれた──「希望」って、いい言葉だ。


 

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