臀筋断裂・経緯録

故障記録

以前、掲載した「貧血克服の道のり」が割と好評だったこともあり、そのうち、ここ(ランニング・エトセトラ)にケガ・故障部門を独立してカテゴライズさせてやりたい。

10月末に突如、襲った臀筋断裂。記録の意味で、また、いつか誰かの参考になれば──この症例に遭うケースはかなり限られるとは思うけれど──と思い書き残しておこう。

症状経緯

2007年10月31日水曜日夜のジョグ中に突然、発症。負荷の高いわけでないジョグ中になぜ、と思い当たることもなく不思議に感じた。痛みが出た瞬間にすぐに走り止めれば良かったが、往復コースの3分の1。ランニングに「痛み」は常にあるものだから、このときも「少々、我慢」のつもりで残り3分の2を走りきったのが、ひどくさせた最大の原因。

部位は左臀部の上部。骨盤が出ている腰の下から尻の切れ目にかけての横断部。走り終える頃にはひどい痛みで「数日、痛みが残りそうだ・・・」の予想をはるかに越えて就寝時にはもう立っていられない激痛に変わる。

翌11月1日木曜日、起きあがれず。仕事も一日、休ませてもらった。2日金曜からは何事もなかった素振りで出勤するも、しばらくは、ガチョウのようなロボットのようなへっぴり腰でしか歩けず。

11月3日土曜日(祝日)。まだ3日目、ではあるが、渦中にいる身としては、唯一のポイント練習ができる土日に走れないで焦りが出始める。5日月曜、むしろ悪化している感じ有り。ブログに故障の旨をエントリ。

8日木曜、整形外科受診。本人は必死なのに、この日は患者が多くだいぶ待たされる。診察もほんの通り一遍で失望するが、おそらく肉離れが濃厚。目指していた福岡国際(12月3日)はほぼ絶望的。治療としてホットレーザー照射を受ける。以後、わずか10分の治療ながら、藁にもすがる思いでできるだけ通院。

10、11日(土日)。10日経ってなお、歩行時の痛み続く。土日を2週続けてふいにした、完治までの長期化を覚悟させられる。福岡の出場断念を決めて12日(月曜)、ブログで出場断念をエントリ。

17、18日(土日)。第3週の土日。情報芸術センターで映画「パリ、テキサス」鑑賞。ここの前に広がる公園は芝で覆われていて、部員もよくジョグに使っている。浜村杯(20km)を翌日に控えた部員が気持ちよさそうに走っていたので、夜、僕もジョグ試みるが痛み強く1周もできず中止。

浜村杯は当然、欠場。これで浜村杯欠場は4度目。僕にはよくよく相性の良くない大会。

リハビリ

19日(月曜)~。衝撃が加わらない範囲である程度は動かさねば筋力はあっという間に落ちる。せめてものリハビリとして徒歩通勤。夕方、エアロバイクを少し。痛みは出るが、体重がかからない分のダメージは避けられる(そして、ものすごくきつい)。

23~25日(金~日)、3連休。なお改善なく痛み続くが、我慢しつつ芝上で超スロージョグ試みる。

26日(月)~。痛みは一進一退。様子をみながらのジョグ。

12月1、2日(土日)。福岡国際マラソン当日。絶好のコンディションに出場できなかった悔しさが募った。夜、ジョグが少し形になってきた。痛みはまだ強いが「走りながら治す」つもりで(その分、完治に時間がかかったかも)。

この翌週の防府にエントリしていたことが、「フルは無理でも10kmに何とか出れないものか」と、リハビリのひとつの目標として有効に作用した。ただ、その分、故障明けの練習としては無理があったせいか、他にも足首、アキレス腱・・・と痛みが頻発。

12月9日(日)。防府10kmレース。34分39秒。アップの時からまるでダメ。35分超と思った中では34分台だったのが不思議なくらい。久しぶりのスピード走で、やはり強めに走るとまだ痛み強く出る。「熱く」なってしまう感じ。

12月15日(土)。だいぶ良くなった。臀筋損傷については、ほぼ回復できたと思う、45日目にして(但し、今度は別の故障出たが・・・)。

坐骨神経痛でなく

このブログには「ランニング」「臀部痛」の検索ワードから来訪される方も非常に多い。その多くは梨状筋症候群や坐骨神経痛によるものであるが、今回のが坐骨神経痛によるものでないことは部位からしてもはっきり分かっていた。痛みの箇所も、痛み具合もまるで違う。

僕自身は今回の左臀筋損傷が治った今でも右臀部痛の持病はなお続いている。特に中高年ランナーを悩ませる、走距離が伸びると出てしまう症状である。

治療院巡りの中で、坐骨神経痛と決めてかかった医者もいたが、今回の痛みは「骨盤が出ている腰の辺りから尻の切れ目にかけて」横断する部位。周囲に「腰は大丈夫か?」と云われていたのだが、腰ではなくあくまで尻。腰に手を当てたときの、ちょうど手のひら一枚分下側。

ここは「中臀筋」「小臀筋」に当たるところ。尻の一番、大きい部分のいわゆる「大臀筋」の上に付く箇所。もっとも筋肉は重なり合っているから、単純に「大・中・小」を素人が外側から「ここ」とは指せないのだけれど、今回の損傷部位が「中、小臀筋」だなとは勉強させられるうちに目星がついていた。

今回、購入して学んだのは『クリニカルマッサージ』

写真付きで筋肉の部位がしっかり分かる(ちょっとセクシー過ぎてエロい)。


症状

直後はとにかく立てない、歩けない。以前、肋骨痛(折れたかヒビが入ったか)の時もそうだったが、何の動作をしても痛みが響いてしまう。咳もくしゃみもできない。大声も出せない。

一番、症状(の改善度合い)を判断しやすかったのが、ズボンを履くとき。

パンツなりズボンを履くときは、やや腰を落として(中腰で)片脚ずつを持ち上げる。この時に中・小臀筋を一番、使うんだな、ということが分かった。健康なときは全く意識しないけれど、いざ痛めてみてその有難みがよく分かる。何かにもたれかかるか掴まっていないととてもパンツがはけなかった。

痛みなく履けるようになったのは40日経過後くらい。

治療

臀筋損傷の度合いがひどいもの、いわゆる肉離れ。誰しも味わう筋肉痛は細かなレベルでの筋損傷であり、それを繰り返すことで筋肉も強くなってゆくのだけれど、ここまで一気に切れる、壊れると感覚的には損傷というより断裂。

なので筋肉が再び付いてくれることを気長に待つのみ。安静に限る。本当は歩かず動かずが良かったが、さすがにそうはゆかず。

整形外科のレーザー照射が効いたのかどうかは断言しにくい。結局のところ、全てのケガ・故障に有効な「時間」が一番の治療薬だったと思う。

鎮痛消炎剤は断裂直後にはどうしようもないものの、しばらくしてからは確かに炎症自体は鎮められた。毎日、二、三回、貼り替えた湿布(モーラステープ)。入浴中以外の1ヶ月半、貼り通しだったのでだいぶかぶれてしまった。

直接の原因、はやはり疲労が溜まっていたことに尽きると思う。10月の練習は、一昨年、ベストが出た、その時を質量とも上回るものだったので。感覚的には何でもない、ジョグならいくらでもできるようでいて、悲鳴を上げる直前だったのだろう。

ネット上で検索しても臀筋の肉離れ、断裂というこの症例はあまり多いとはいえず、療養中は特に有効なページに出会わなかったのだけれど、今回、書き残すに当たって久しぶりに見た中で次のページに遭遇。

冬場はおしりを冷やさないように!・2


「僕の考えていたことと同じだな」と共感。「冷える季節に注意」とある。僕もあの日「深夜ジョグで冷えたせいかもしれない」と書いたとおり。10月末は今時分に比べればまだずっと暖かいけれど、日中と夜間との寒暖差が響いたせいもあると思う。


--追記(その後)----
1月27日 中国山口駅伝2区(11.3km)自己の区間記録を48秒更新
2月3日 別府大分毎日マラソン
自己ベスト&40歳サブ30となる2時間28分49秒を達成


 

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 comment
  1. 学生です より:

    はじめまして
    自分はバレーボールをしているのですが、昨年12月、臀部の肉離れを起こしました。
    仙腸関節のあたりです。
    歩行時にも痛みがあり、長時間座っていても痛くなることがあります。
    今のところ安静にしていることしかできません。ネットで検索してもアンダーウェアをつけるくらいのことしかわかりませんでした。肉離れの治療として効果的なものがあればおしえていただきたいのですが。

  2. より:

    学生さん、はじめまして。
    バレーで臀筋断裂とのこと、激しい動きの多い競技だけにありそうですね。
    12月に起こしてなお、治癒が進んでいないということでしょうか。
    かなり激しい肉離れだったことがうかがえます。
    肉離れはやはり基本的には安静にして時間が治してくれることを待つしかないと思います。
    するとしても、整形外科の低周波や超音波治療といったところでしょうか(即効性はさほどないと思いますが)。
    サポーターも確かに有効なように思います。
    臀部をやられると、患部以外のトレーニングやリハビリもほとんどできずに、気持ち的にはいっそう、つらいのですよね。
    早くに復帰したいのにままならないこと、心中お察しします。
    一昨年の僕の場合はまだ軽症だったのでしょう、完治は2ヶ月弱でした。
    でも、その後に自己ベストも出せましたから、学生さんも今は精神的に苦しい時と思いますが、どうか気持ちを強く持ってしのいでください。

  3. 学生です より:

    励ましのお言葉ありがとうございます。
    やっぱり待つしかないですよね。
    その分も復帰してから爆発できるよう今は治療に専念しようと思います。
    このつらさを分かってくれる人があまりいなかったので、とても励みになりました。
    ありがとうございました。

  4. より:

    学生さん、今回はあまりお役に立てなかったですが、時間さえあれば必ず回復しますから。---ということが馬齢を重ねて分かるようになりました。
    僕も今秋以降、度重なるケガや貧血等で苦しんでいます。実は今日もびわ湖マラソンだったのですが、無念の欠場となりました。
    趣味でやっている社会人と違い、学生さんの方が短い学生時代、より切羽詰まった辛さがあることは容易に想像できますが、若い時は回復も早いですから、復帰後の活躍を信じて、是非、復帰後には爆発してください。
    僕も爆発とまではゆかないでしょうが(この年で爆発すると代償も大きそうです(苦))、しぶとく手堅く、復活を期しているところです。お互い、がんばりましょう。
    僕もバレーは大好きですよ。コート上で皆が一つのボールを追って心を一つにする、あの醍醐味は格別ですね!
    学生さんのバレーの復帰も、学生生活も、応援していますよ。がんばってください!

  5. does より:

    はじめまして 中学校3年生です。
    僕も臀部痛の検索で来ました。
    2週間前に友達に首に腕をかけられた状態で体を浮かせてきて、僕の首一本に60kgの重さがかかり、その時にお尻に痛みが走りました。
    野球部ですが一ヶ月後に大会があります
    これには出れるでしょうか?
    今の状態は歩くことは難なくできますが
    走ることはジョグぐらいしかできません。
    言葉足らずですいません

  6. より:

    doesさん、はじめまして。
    首一本に60kgの重さ・・・大変でしたね。
    2週間経っているので、少しは痛みが引いているのでしょうか? あるいはさらに悪化しているのでしょうか?
    医師の診断、エコー検査の具合などにもよると思いますが、痛みが徐々に引いている状態ならあと1ヶ月あれば間に合うかもしれませんね。
    具体的な症状が分からないので確実なことはいえませんが、2週間は無理せず練習も軽めに抑えるのがいいでしょう。
    どうしてもブランクはあきますが、もし順調に治ってゆくなら直前の数日あれば全力疾走は無理でも何とか試合でプレーするくらいはできると思いますよ。
    僕も野球部でしたよ。
    球技の場合、すぐにカンは取り戻せると思うので。
    村田の肉離れも全治6週間といわれながら3週間ちょっとで復帰してきましたからね。
    doesさんもがんばってください!
    応援しています。

  7. does より:

    早速回答ありがとうございます。
    痛みは徐々に引いてきています。
    部のみんなには空元気で大丈夫と言っていましたが本当は不安でした、でもここで本音が言えて良かったです本当にありがとうございました。

  8. より:

    どういたしまして。
    痛みが引いているようなら、4週間あればまず大丈夫ですよ。
    もう2週間くらいは焦らず、ムリせずにじっと耐えていられれば。
    かくいう僕も何度も故障を繰り返しています。
    ・・・が、その都度、乗り越えてますから。

  9. does より:

    またまた、早速の回答ありがとうございます。
    じっと耐えて最後の大会頑張りたいと思います。

  10. もも より:

    おはようございます。
    臀筋の痛みで検索し、このブログにたどり着きました。
    内容を拝見させていただきますと症状なども私の痛みと似ており、同じなのかなと想いました。わたしは走歴1年半、陸上未経験の29歳女子です。
    10ヶ月ほど前に股関節の疲労骨折を経験し2ヶ月で治癒、そこからじょじょにランニングを再開し、150-200Km/月の走行距離で順調にタイムも更新してきていたのですが、10月の頭に刺すような股関節の奥の痛みがありしばらく休憩。整形外科にてMRI、レントゲンを取りましたが異常なし、また疲労骨折を心配していたのですが、問題なし、とのことでランニング再開してもよいとのことで、徐じょに走り出し11月末から2日に1回走り出しました。刺すような痛みはなくなりましたが、走り出すと最初から最後まで左臀部?と想われる箇所が痛く、その日には回復しますし、日常生活には支障はありません。ただ、左足で立って右足のズボンをはくときは、動かしづらく座って足を要れます。
    単純に片足立ちは出来るのですが・・
    やはりこの症状は臀筋の痛みなのでしょうか?発症してから2ヶ月完解しないので悩んでいます。
    これが治るのかどうかも不安です。
    何かよい対処方法などありますでしょうか。
    やはり安静が大事ですか?
    故障ばかりで悩ましいです・・

  11. ふくろう より:

    53歳。12月末の加古川マラソン2014で3時間4分の自己新記録を出した翌日に激痛。(もっとも痛みは10日ぐらい前からありました。)
    ズボンが履けないのは同じ症状です。ふとんの上げ下ろしもできません。
    レースが症状を悪化させたのかもしれません。
    整形外科では「筋肉痛」との診断で、自己診断「大臀筋の肉離れかも?」と臀部痛で検索して、このブログにたどりつきました。
    「安静」「湿布」しかないとわかり、少し安心しました。

    • より:

      ふくろうさま、はじめまして。
      自己ベスト、おめでとうございます。
      53歳での自己ベストも立派なタイムですね。

      それだけのトレーニングをされていたということで当然、臀部周囲に疲労が蓄積していたのだと思います。
      私もそこに疲れがあるのとないのとではバランスが全然、違ってきます。

      肉離れ(筋損傷、断裂)は時間を待つほかない点もあると思いますが、私もこのケガの3ヶ月おいて自己ベストが出ました。
      またいい走りでベストを更新されるよう応援しております。

      • ふくろう より:

        ちょうど1週間。靴下、ズボンが履けるようになりました。順調に回復しているようです。年内は休養して、新年から徐々に負荷をかけていき、3月1日の篠山ABCマラソンに臨みます。ありがとうございました。

  12. Zincite より:

    はじめまして。
    大臀筋の肉離れかどうか、そこまで詳しく、なんて言ったら良いか分かりませんが、今、ちょうど最高潮に痛いです。尻が。

    最初は、股関節周りと言うか、その辺の筋肉痛だと思っていたら、徐々に痛くなり始め、一番痛いのが大臀筋のあたりです。

    私は乗馬と居合をやるのて、2日に1日は何かしらやってます。

    でも、痛くなったのは何もやらなかった普通の日でした。
    こたつでゴロゴロしてたかな?みたいな。

    仕方ないので、病院に行ってレントゲンしましたが、原因は解らず、ただ加齢を確認してきただけでした。

    今は痛み止めで痛みを抑えています。

    病院では、ヘルニアだの坐骨神経痛だの言われました。

    やはりかがむ作業がとても大変で、痛み止めを飲む前、息が詰まる位痛みがきました。初めてこんなに痛みを感じて少し危機感がありましたが、どう考えても骨盤とか関節では無く、なんか筋肉?みたいに感じるのて、色々検索してここの記事を読んで、肉離れか?と感じています。

    大臀筋から大腿四頭筋、スネのあたりの筋肉に足の甲あたりまで痛みが来ます。大臀筋の痛みで他の筋肉まで疲れて悲鳴をあげている状態です。

    仕事でインストラクターをしているので、毎日動かない訳には行かず、でも痛み止めで、普通に動いています。

    今は少しゆっくりしようと思います。仕事中は。でも好きな居合は痛み止めを使っていることをイイ事に休まず練習に励みたいと思っています。

  13. より:

    Zincite さま

    コメントありがとうございます。
    乗馬に居合、と自分にはともに経験の無い分野ですが、そんな方面からもコメントいただけて恐縮です。
    状態が分かりませんので私も適切なことはいえませんが、大変な状況であろうと察します。

    四頭筋でなく大腿二頭筋の方からスネ、足先にかけてであれば、いわれたように坐骨神経痛の疑いも大きいです。
    また、痛み止めで何とか動けるという点もそうかなと思わせます。
    肉離れであれば(程度にもよりますが)、痛み止めでも動きようがないところがあります。

    乗馬、居合もともに、股関節、臀筋、梨状筋に疲労がたまりそうな競技だと思います。
    積年の疲労によるものでしょうか。
    どうぞご自愛ください。

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