第64回福岡国際マラソン選手権大会 - 9

戦友

5kmを先に通過した真人さんに6-7kmのあたりだろうか、追いついた時に「みんなのペースが速いよ」と声をかけたことは 6. で書いた。並んだのでついでにしばらく話しながら進もうかとも思ったのだけれど、まだ序盤で余裕があったとはいえお互いに余計なエネルギーになってはいけないと思い自重しておいた。

普段は練習でも駅伝でもそういう相手がいないだけに、何とも残念~とか思いながら先を進んだ。今度、余裕があったら42km、時々、話しながら並走してみようかと思う。案外、そっちの方が安定したいいペースを刻めそうに思う。

彼のさすがなところは、命取りになりかねなかった入りの5kmのハイペースをその後はきっちりと修正してうまくまとめているところ。

完走タオルを肩に安堵の選手達
完走タオルを肩に安堵の選手達
ゴール後の二人(左:山田選手、右:筆者)

スタンドから撮られた写真。レース中の厳しく険しい顔は消え、選手みなすがすがしい表情をしているね。家に帰れば無用の長物と化す完走タオル、まさにこの一瞬に輝く。眩しく白いタオルは選手皆に告げられたノーサイドの証。

十年一昔

これは今、振り返って気付いたのだけれど、知り会ってからちょうど10シーズンを経過したことになる。「早いものだな」と思うが、確かに以前の写真を思い出すとそれなりにお互い老けて、いや、渋い顔にはなってきている(笑)。この10年(シーズン)、お互いに1-2年、ケガでマラソンを走れなかった年もあるなど、多くの人が経験するように厄年前後の災難? や肉体の変化もあったが、それもまたお互いに乗り越えてきた。

彼がメニエルで長く苦しんでいたときは、もう以前のようには走れないかもと心配していた、逆に僕の方も福岡を2年続けて棄権した時期はそう思われていたろうが、それも何とかしのぎ、かわしてきた。今回のレースの内容がまさにそうであるように、今ではそのあたりのしぶとさというか老獪さの方を二人ともしっかり身に付けてきている。

走力を高めて自己ベストを更新できてこれたのもそうなら、年齢的なピークを越えて下り坂を転げてゆく老体に歯止めをかけあえるのも相手の存在あってこそ。今回もどうせ飲むなら、打ち上げるなら、自分もスタートラインに立つだけは立ちたい、ついでにゴール(完走)できたらもっと麦酒がうまい、というのが大きなモチベーションになってくれた。

自己ベストの更新にケガや故障、ともに出たレースやデフリンピック出場や・・・この10年の二人の戦績を年表にしたら結構、面白いライバル史であり、またお互いが影響を与え合ったマラソンヒストリーが出来あがる。

練習量や走ることの好きな気持ちや、きっと誰より息長く走り続けるだろうことの面ではかなわない、いつも多くを学ばせてもらっている。これからの10年も── かな。

いつも居なくなる第3の男を必死に捜している二人
いつも居なくなる第3の男を必死に捜している二人

 

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