第62回びわ湖毎日マラソン (7)

2007/03/04 大津市皇子山陸上競技場発着、草津市新浜折返し

崖っぷち羊

皇子山競技場ゲート
競技場ゲート

35kmは2時間06分54秒。

5kmのラップはついに20分06秒にまで落ちる。帰宅後に見たネットの途中通過データで初めて知ったが、30km通過で僕より後ろはわずかに2人、この35kmでは一人の崖っぷちまで落ちていた。

152人が出走してゴール時には90人。15km以降の5kmごとに各10人前後が姿を消しているが、とりわけ35km関門で19人もの大きな脱落。これは関門の制限時間で止めさせられたというより、先の選手同様、30km以降で自ら走り止めた上位選手が続出したということ。

「30kmの壁」。追い打ちをかけるように、気温が22~23度と、最も上がったのが、この30~35km区間であった。

折返しですれ違えない分、自分が今、どんな位置にいるのか全然、分からない。帰宅後に録画していたTVで見たのと、ネットの途中経過で初めて知ったのだが、序盤は意外に(覚悟していたほどの)最後尾ではなかった。まだ後ろに30人近くいた。でもトカゲの尻尾のように、いつ切られるか分からない尻尾部分に違いはなかった。

あらためて途中順位を見ると、25kmで後ろに7人。内3人に追い抜かれ、4人が30kmを越えられずに脱落。つまりこの時点では僕がビリ。30kmの通過順位で、後ろに2人がいるのは、25~30kmで僕が追い抜いた、ということ。この2人も35kmまででともに脱落。再度、この時点でまたビリ、しかしまた前方の走者を追い抜く・・・という展開だったことを知る。

崖っぷちの綱渡り。そうとは露知らずにいたが、知らない分、懸命になることができた。25km過ぎで潰れた身であるから、35kmを通過してもなお完走の自信はなかった。キロ5分まで落ちることはないだろうと思ったが、4分半は覚悟した。最後の40km関門までゆけるかどうか。前半の関門で引っかかる以上に、ゴールまであとわずかの最後に止めさせられたら、かなりつらいだろう。必死だった。

満面の笑顔でゴール

40kmを2時間28分00秒。

5kmのラップは21分06秒。さらに1分落ちているが、あとはもう根性で脚を前に出すだけ。最後の関門を通過できたことで、俄然、視界も明るくなってきた。いよいよ競技場に戻る尾花川北交差点では、左へ折れるところ、追いついた選手と二人して直進。係員に慌てて制止された。ランナーって馬鹿だ。馬のように前に進むだけ。

41km表示、そして残り1km表示。やっと完走を確信した。「やったゼ!」と思い切り叫んだ。気分は有森モード。最後尾近くでもまだ熱心に応援してくれる沿道の観客に笑顔で手を振る。福岡とはまた別の、今度は心の底から明るく幸せな気持ちが湧き上がってきた。

競技場に足を踏み入れる。最高の瞬間。「完走は絶対ないから」と言っておいた、妻をびっくりさせることができたろう。いたずら小僧のように得意な気分。福岡では見つけきれなかった、今度はメインスタンドに立っている妻の姿をばっちり見つける。手を振って合図。一度ならず、四度、五度(・・・スタンドの失笑を買ったらしい)。ゴールは両手を上げてのガッツポーズまで。

正気に戻ると、2時間37分という、最後尾に近い順位の、主催者から見れば「お荷物」でゴールさせてもらっている結果に満面の喜びを見せるのも顰蹙ものである。ホノルルマラソンと勘違いしてるんじゃないか? 自分でも恥ずかしくなるが、このときは自然に出てしまった。そのくらい正気でなかった、ゴールできたことが嬉しかったから。


 

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 comment
  1. みっちー より:

    いいですねガッツポーズ!!
    スタンドは失笑ではなく羊さんの喜びがつたわったのではないでしょうか?
    びわ湖の関門のきつさを考えれば、ガッツポーズをしたくなる気持は想像できます。羨ましい。ぜひ私も味わいたいものです。(その前に30分を切らなくては資格がないし、さらにその前疲労骨折をなんとかしなくてはなりませんが・・・)
    お疲れ様でした!!

  2. より:

    正気に戻ると我ながら恥ずかしいですが、マラソンって、最後は泣いたり笑ったり、日常生活ではありえない狂気や狂喜になれるからいいんだなとも思います。
    ケガはやはり長そうですね。
    来年は是非、びわ湖を一緒に走りましょう!
    びわ湖は応援がフレンドリーで走っていてとても気分よかったです。
    みっちーさんの早い回復と記録達成を祈っています。

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