第62回びわ湖毎日マラソン (5)

2007/03/04 大津市皇子山陸上競技場発着、草津市新浜折返し

選手を遮る、びわ湖の関門

22km過ぎ、復路に入ると、20km関門で断念させられた選手が沿道で収容車を待っている。さっきまで一緒だったEさんとT君の姿に驚く。やはり体調が悪いのだろうか? 練習が積めていないのだろうか? 自分が今、まだ走っている方が不思議になる。折り返しですれ違えない分、ここで初めて選手の顔を見ることになるのだが、リタイアさせられた選手の表情は疲れきっていた。

まさに恐ろしき、びわ湖の関門──。

途中、道路脇には

「3月4日(日)のびわ湖の水位は・・・」

という電光掲示板の文字情報が流れていた。水門の開閉で湖水量、水位が細かく調整されているのだろうが、それと同じように、道路上の関門で選手が無情に絞り込まれてしまう。

やって来た撃沈の時

25kmを1時間27分27秒

関門まで33秒残して通過。「やった!」と心の中で歓喜。この5kmのラップは17分52秒まで落ちながら最大の難所をくぐり抜けた。

ただ、15--20--25kmと、この3つの関門通過という目標を果たすことに気力を使い切ってしまったのだろう、通過した途端に、それこそ抜けるように腰が落ちた。撃沈の時が「ついに来たか」という感じ。厳しい前半の関門はクリアできたが、後半は息絶えて湖の底に沈んでゆくことになるのか・・・。

ここで追い抜かれた3人の後ろ姿は、あっという間に遠くなったが、追い抜きざまにKタロが背中を叩いて励ましてくれた。この後を走りきる支えになってくれた。

意識し始めた「完走」

25kmまでを通過すれば、30km以降の関門はぐっと緩やかになる。スタート前、各関門の制限時間は「30km関門=1時間48分」までを覚えていた。以降は頭にない。そんなにたくさんは覚えられないし、そこまで行けるとは思わなかった。けれども、ここまでくると、やはり「完走」の欲がもたげてくる。

両脚がぴくついてきた。福岡でも出たが、あの日は寒さゆえの痙攣だった。今回のは明らかな練習不足、筋肉の耐性低下。

30km地点(往路11km地点)はコース中、唯一ここだけと思える起伏。ごくわずかな傾斜であるが、既に潰れている身にはきつい。前を行く選手は、その坂を登り切って30kmラインを踏んだところで自らリタイア。気持ちはものすごく分かる。ここから、さらにあと12kmも走りきれる自信がなければ、ハーフまで同様、同じやめるなら、記録の一応、残る30kmというキリのいい地点だ。

「もったいない」「ここまで頑張ってきて・・・」と僕には思えるが、でも、レースに臨むスタンスは選手それぞれ。記録狙い、順位狙いの目標が無理なら、早々と見切るのも常套手段。チャンスは他にもある。完走にこだわる必要はない。

同時に分かっていること。僕にはチャンスはそうない──。



---hot time---
 潰れた上に必死で走ったため、筋痛ダメージが尋常でない。レース後4日経つも、太腿を鉄線の貫通しているような痛みが続く。
 今日は湯田温泉へ。温泉くらいで効果のあるような表面的な痛みではないことも分かっているが・・・。陸上部のken君もいた。「ここでは部長にもよく会うんだよなぁ」と思っていたら、入れ違いに部長がやって来られた。
 僕はまだ時々のつもりなのに、しょっちゅう一緒になる。「湯楽里」という大きな温泉だが、湯田温泉街には他にもホテル、旅館の内湯、外湯や公衆浴場も有り。同じく、今日、yuki君はもうひとつ大きな「温泉の森」に行くとかいっていた。陸上競技場にも近く、今週末の実業団ハーフにやって来る選手らもレース前後に身体を癒せるだろう。温泉に恵まれているのも山口のいいところである。


 

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 comment
  1. 26kame より:

    マラソンって、ドラマだよね。なるほど~、と思います。

  2. より:

    そうそう、「誰もが人生のドラマの主人公」ってやつです。
    何かストーリー(物語)性を見つけた方が楽しい、ということもあり(笑)。

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