第25回田布施川さくら健康マラソン

2006/4/9 田布施川さくら橋発着

両親を連れて

田布施河畔
田布施河畔

前日は祖母の25回忌であった。随分、経ったものだなと思う。この世の掟であるから、人は誰も老いるし、いつかは此岸から姿を消す。

先月末、喜寿祝いをした父も老いが目立つようになった。中卒後からずっと現役時代は身体を使う仕事だっただけに、手や腕や足や・・・の各部位がひん曲がってきている。最近は歩くのも難儀を示すようになった。軽々しくいうべきものでも、考えたいことでもないが、父もやがては順番がくる。昨夏には年下の叔父が亡くなった。口には出して言わないが、皆、覚悟は持っている。

だからではないが、先週の義母に続き、今回は両親を誘って出かけてみた。朝早くから連れ出し、見るだけではさして面白くもないレースに一緒に行くことが孝行になるかどうかはさておき、あと何年できるかの花見、したいと思ったときにしておかないと。

8年ぶりの出場。申込締切が早く、気が付いたときにはいつも出場しそびれていた大会である。レースは桜まつりの一環として開催されている。桜祭り自体が非常に大きなイベント(でレースはおまけ)なので、花見して良し、イベントを楽しんで良し、走ってなお良し、でにぎやかな一日を過ごすことができる。

妻にはまた花見弁当をつくってもらう。最近は、毎週のような・・・。毎日毎食、平日の弁当に加え、週末も・・・に感謝。桜も満開で、おかげでにぎやかな会場の中、喜んでもらえてよかった。

この日、904試合連続フル試合出場の世界記録を達成した阪神の金本が「強い身体に生んでくれた親に感謝したい」と述べていた。僕も、決して強い身体ではない、耳は子どもの頃から悪かったし、貧血にもなりやすい(今また)が、戸外を遊ぶ分には不自由しなかった2本の足を授けてもらったことにはとても感謝している。

フライング

レースの方、スタートは間抜けな姿を周囲に見せてしまった。決して1秒を争うわけでも、焦っていたわけでもないのだが、弁解させてもらうと・・・。

例によってスタート前の合図がわからない(1分前、30秒前、10秒前・・・)のは承知なのだが、慣れてくると図々しくなってくるもので、頃合いを見計らって飛び出すようになった。スタートライン前方に立つスターター(ピストルの号砲者)は、たいてい計時者(記録主任)とペアを組んでいる。計時者が時計を見ながら、「5秒前」、「4、3、2、・・・」と小声でささやくから、その唇を読めるときは見つめている。「3、2、1」ときて、最後はスターターの背中をポン! と叩く(と同時にスターターがピストルを撃つ)のが普通である。

・・・であるはずだから、今日も肩を叩くのをきっちり見届けると同時に左足を一歩前に出した。・・・が! ピストルは鳴らない。みんなも出ない。あれっ!? 慌てて足を引っ込めた。もう1回、叩いたから今度は右足。でもまた鳴らない! 3度目の正直・・・! 不発。エエエッ!?

死の間際にある人は自分の人生を走馬燈のごとく一瞬にして振り返るというが、このとき大いに混乱させられた僕も、頭の中であらゆる可能性を探っていた。

ピストルの火薬を詰めるのを忘れていた? スターターが任務を把握できていない? ではなく、4度目でようやく分かったのは、「4、3、2、1、ドン!」と、各5回、その都度、肩を叩いているのであった。その選択肢はこれまでの僕の経験則にはなかった(紛らわしい選択肢が増えてこれからどうしよう)。

実に3度ものフライング。間違いなく失格モノである。5秒前に出ようとするなんて、かつ、3度も、とは周囲にはこいつ、何、はやってるんだ? と思われたろう。でも、聾者陸上の世界では、逆に、短距離種目でさえ合図があっても選手が気付かずに出ない、というのはよく見られる光景である。デフリンピックもそうだった。まあ、スタートの1秒、数秒は長距離には影響はないのがいいところである。

一の坂川
これは山口市・一の坂川

今回は俊足ランナーの多い、僕より確実に速い選手が数名いることが分かっていたから、久しぶりに先頭でなく後方をついてゆけると気が楽だった。・・・のに、あまりのフライングで周囲が遠慮したのか、スタート後、全然、速いペースでもないのに誰も先頭に出ようとしない。「またかよ」と思いつつ、でも、自分のペースを崩してまで周囲に合わせる方でないから、結局、半分以上、引っ張ってしまった。送別会、歓迎会、花見、(僕の場合、自分の誕生祝いも)・・・等の酒席続きで皆、身体は重い時期だったからかな。この大会ずっと連覇中の1位の彼とは全然、実力レベルが違うのに、不思議に僕もよく走れた方かもしれない。ただ、どうもフルマラソン翌週の津和野10kmにやはり、無理があったのか、身体が硬く重く動かない、イヤな感じがずっと続いている。

フライング編おまけ。

この大会は距離表示が最後「残り1km」のみで、途中には全くない。今、どのくらいかなぁ? と分からないまま、時計からおおよその距離を逆算しようと2周回目にちらっと左手首をみやった・・・ら、「0:00:04」。最初のフライングと、本当のスタートまできちんと4秒あったわけだ。当たり前だが、一瞬、気が抜けた。

今更計り直してもしょうがないと覚悟を決め、体感でおおよそ7kmくらいは走ったんじゃないかと思える頃に、ようやく、ストップウォッチでなくとも、実際の時刻表示を見れば分かるじゃないか! ということに気付いた(すぐに気付けないところがまた抜けている)。でも結局、「10時5分スタートで、今、10時32分。この時計は1分50秒進んでいるから、えーと・・・」と計算しようとしてもうまく頭が回らなかった。結構、頭の中が忙しかったレースである。


第17回田布施川さくら健康マラソン(1998年)
(8年前の出場を思い出しモードで追加)



 

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