第60回福岡国際マラソン選手権大会 4

2006/12/03 平和台陸上競技場発着

フルマラソン1歳刻みランキング

2時間30分を切ること、すなわち「サブ30(サーティー)」が、自分にとっていかに困難な目標であったか。目を背けたいけれども、突き付けられる現実が、まず年齢的なハンデ。

2年前から、月刊誌『ランナーズ』が年度間でのフルマラソン1歳刻みランキング*の発表を行うようになった。年齢が上がるほど、レースでの順位で上位を目指すことは難しくなる。5km、10kmの市民レースでは30歳代以下、40歳代、50歳代・・・といった部門が設けられることが多いが、フルマラソンでは少ない。公認レースではまず、あり得ない。それだけに、ランニングのある意味、頂点であるフルマラソンにおいて、こうした全国一斉での、同年齢での比較が嬉しい。『ランナーズ』のこの取り組みは、ランナーの間で非常に支持されていると思う。何より、同い年、同学年というのは一生の仲間であり、よきライバルであるから。


*昨年度の全国対象大会(48大会)を走った109,929人のうち、複数回レースを走った人はベスト記録を1回として計算した82,930人の記録の集計。もちろん、高岡寿成選手をはじめとする実業団選手らも全て含めて皆、対象。


忍び寄る加齢との闘い

昨年度版の結果をみると、最高齢でサブ30を達したのがEさん。今回の僕が末席の弟子入りから2年半、やっとのことで恩を果たせた、師匠とも呼べる方である。各年齢の一位として評価されるのは無論、「最高齢サブ30」というのが何より光っている。もちろん、43歳で唯一人。

順に一つずつ下を見ると、42歳も一人、41歳も一人、40歳も一人、39歳も一人。分母の方は、というと、ほぼ各年齢で2千人を超える。つまり、今回の僕(39歳)以上の各年齢(男)では、全国、一年かけて2千人を超えるランナーが挑んで、その年齢の一人だけがかろうじて達したタイムである。2年前の40歳はゼロであった。

ちなみに昨年度の僕の38歳組は5人で、ここから増えるように見えるが、37歳が3人、36歳も3人、と逆に減ってゆく。年度末生まれの僕は、学年でいうところの同い年が1つ上の組にも分かれる(代表的なのは川嶋さん)のだが、自分の身近な周囲を見渡してみても、丙午(ひのえうま)から未(ひつじ)年生まれのこの組は、総数こそ少ない(例によってグラフで突然、へこんでいる部分)が、非常にハイレベルで熾烈な競争を強いられる年齢である。

昨年度は僕自身の防府、日本海がそうだったように、また、福岡、東京、荒川・・・等、軒並み、レースが荒れたせいもあろう。何しろ、昨年の防府読売マラソンの完走記でも触れたが、厳寒と強風に見舞われたあの大会でサブ30を達した最高齢は、32歳までくだらないと見つからないのだから。サブ30達成者の最も多い年齢は27歳で、しかし、それでもわずかに21人。

フルマラソン1歳刻みランキング (ランナーズ編集部)


いずれにせよ、間もなく40歳を迎える僕の年齢でサブ30を目指すことの至難さが分かってもらえると思う。僕も心ない仲間にはっきりと、「年だからもう無理」といわれていた。結果を出せないから反論もできずにいた。自分でも年のせいにすれば楽だった。「もう少し早くに、この競技に取り組めば・・・」というのは、格好の言い逃れでもあった。

○○歳、初サブ**

40歳をこえてもなおサブ30レベルを維持しているランナーも多い。多い、といっても先に挙げたように、全国に名前が知れるほどの一握りのランナー達である。いわゆる、「オーバー・フォーティーズ」で「サブサーティー」ランナー。市民ランナーの憧れである。

僕とは違い、そうした方らは、比較的、若いときにいったん、サブ30を達してから、レベルを維持している、記録の低下を最小限に抑えているケースが多い。僕のように、30代後半になってから初めてサブ30に達しようというのは、また、困難度も高くなってくる。

これも一つの基準で、ベストの記録や、いわゆる初マラソンの記録だとか、最高齢記録といったものとは別に、初めてある記録(サブ30、サブ40、サブスリー・・・・等)に達した時の年齢もまた、ひとつの目安になろうと思う。もちろん、そんなことが記録に表れるものでない、誰が知っているものではないが、30代後半で、また40代で初めてサブ30を達成するというランナーは限りなく少なくなることは疑いようがない。

それでも、40歳を過ぎて初めてサブ30を達した方を僕は一人、知っている。一緒に走っている。2年前の防府のこと。前半はまるで上位集団でもなかったのに、25km過ぎで追いつかれ、30kmから敢然と集団を抜けていかれた。その時の僕がボロボロでゴールした、200m進むのに涙が出そうになっていたのに対し、後半をおそるべきラップで走り抜けて行かれた。当時の僕(37歳)には衝撃的であった。今回の僕が、あれから2年、この方の「42歳初サブ30」にずっと力付けられていた、心の支えの一つであったことはいうまでもない。

そんなこともある。等しく記録を目指すのとはまた別に、「初サブ**」というのは、誰にも個人的に設定できる目標である。人より早くに到達したいのが目標であるけれど、年齢を経て、遅くに到達できた目標も素晴らしい。だから僕には、42歳で初サブ30を達した方にも、これから40歳以上で達せられる方にも、ある意味ではかなわない。50歳代で初めてサブスリーを達成される方もいるだろう。そうしたランナーのすごさにも強い尊敬の念を覚える。これもまたマラソンの魅力の一つである。


 

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