第11回二鹿しゃくなげマラソン

2004/05/02 二鹿野外活動センター

伝説の山里、二鹿

秘境入口~ドラえもんがお出迎え
秘境入口~ドラえもんがお出迎え

会場の二鹿(ふたしか)野外活動センターは、前、岩国に住んでいた頃、テニスコートを2、3度利用したことがある。まだ、週休二日制が完全でなく、土曜が昼までの、いわゆる"半ドン"の勤務時間があった頃だ。職場に若い職員が多く、かつ、皆が20代の独身という時期だったから、半日で帰るのもなんだかさびしく、午後はそのままよく遊びに出かけていた。あの頃はまだ、余裕もあったんだなぁ。あれ以来、十数年ぶりに今回、訪れた。

岩国を僕が去ってから始まり、今年が11回目となるこの大会のことは、始まった当初から知るには知っていた。山間部のひなびた地区だから、「へぇ、あんなところで大会が行われるのか・・・」と意外に思っていた。そしてまた、「ゴールデンウィークの最中に開催されるなんて珍しいものだな」「場所も場所で、GWにわざわざ参加する人っているのかな(きっと少ないだろうな)」「地区の行事の延長の小さな大会なんだろう」と、ずっと勝手に想像していた。

でも、自分が参加を決めると「GWにも、こうして一つくらい参加できる大会があるのは、それはそれで価値があるよな」と思えてくる。

二鹿へは岩国から清流・錦川を上流に進み、北河内駅を折れてさらに山の中へ、深い山奥へ入ってゆく。カーブの続く山道を運転しているときから、「伝説の里」というとおり、秘境を訪れにゆくような、期待に胸の踊ってくる感じがいい。

素晴らしい大会

到着するや、すぐに感嘆。これまで勝手に思っていた自分の先入観というものが全く違うことを思い知らされた。車もたくさん停まっているし、一目見ただけで会場の雰囲気のいいことが分かる。駐車を誘導するスタッフの笑顔にこちらの気持ちも一層、軽くなる。見直した、というのは失礼な表現で、「素晴らしい!」と一転、ほめちぎりたくなった。

何が素晴らしいといって、プログラムに知事、市長、教育長、議員・・・といったお偉方の顔写真や挨拶のないのがまず、いい。普通、市民レース大会といっても、主催は自治体や教育委員会によるものが大半だ。ところが、この大会の主催は地元の住民団体である「二鹿昭和会」の単独によるもの。市や教育委員会は後援に名をとどめるに過ぎない。

*ちなみに、岩国市長も会場におられたけれど、休日を楽しむ一参加者としてのようだった。


山間部の、いわゆる僻地(へきち)の地域住民が、何でも50世帯かそこらしかない集落が、地域の活性化を目指して「何かしよう!」と思い立って始めた経緯というのがこの一点だけでよく分かる。

野外活動センターが主会場
野外活動センターが主会場

当然、大会運営の大変だろうことも容易に想像できる。行政主催なら仕事として行えるものでも、すべて、各スタッフは自分の仕事を終えてからの疲れた、わずかな時間で運営に携わっているのだろう。それでも──というか、だからこそ、というべきか──、行政と違って異動のない地域住民ゆえ、経験がずっと蓄積されてきているのだろう、数えて11回目、他の大会以上に立派な内容だと思えた。

例えば、こまかいことになるが、スタートとゴールのゲートがそれぞれ、風船で形作られているのも結構、大変だったはずで、でも、それだけで、ほんわかとアットホームな雰囲気が醸し出されていい。行政主催なら、金を落とす、という名目でゲートの設置など業者に委託することに何の疑問もはさまないところだ。「スタート」の一文字一文字が手書きで縁取られたテープで几帳面に貼られているのに手作りの良さが伝わってくる。そんな視点で見ると、一つ一つが、表には出ない苦労が、そのかいあって参加者の満足につながっていることがよく分かる。年々参加者も増えて、過去最高という。

GWに開催しているのも、家族連れが楽しめるようにできているからだとうなずけた。今回、同伴予定だった妻が急きょ帰省したため、姉と姪を誘って参加したのだが、それも当日受付も可能のファミリーの部があったからこそ。

ヤマメの塩焼き
ヤマメの塩焼き

参加費2000円でメッシュのTシャツとぜんざい(何のかんのと僕は3杯もいただいた)は安いし、目玉のヤマメのつかみどりもいい。アユのつかみ取りはよくあるけど、生きたヤマメを目にする機会なんて、まずないこと。昔、僕も『釣りキチ三平』に夢中だったから分かるけれど、渓流の女王、ヤマメは人一倍(魚一倍?)警戒心が強く、山奥にしか住まない。人影を見せただけで、人間の気配を感じられただけでもう絶対に釣れない。それをどうやって大量に確保したのかなあ。つかめたヤマメは1匹200円必要になるけど、200円で尺寸(30cm)(!)のヤマメを会場で串刺しにして塩焼きで食べられるのは感動的である。それができるのも清流錦川沿線の、会場がキャンプ地だからで、場所のメリットを存分に活かしている。

コースは厳しいけれど

レースの方、10kmの部は会場グランドの外側を2周してから後、ひたすら山奥に向かう。元々、ほとんどない民家はすぐに消え、完全な業務用林道をひた走る。最初はなだらかな傾斜も仕方ないかなと思えるのだが、そのうち「仕方ない」では済まないほどの勾配になってゆく。初出場で知らなかっただけに、中間点までの、また、中間点を過ぎてもなお登りの続く折り返しまでの長かったこと。折り返しをはさんで上り下りがはっきりしているから、脚には相当にきた。

平成の架替を終えた錦帯橋
平成の架替を終えた錦帯橋

コースだけなら二度と走りたくない部類なのだが、それを上回って有り余るほどの満足を得られる。錦川沿いはキャンプ、釣り、カヌー・・・とアウトドアの遊びには事欠かないフィールドでもある。3年かけて全面架け替えを終えた錦帯橋を観光するも良し、で、楽しめる大会。





 

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