第4回キラリンピック

2004/05/23 維新百年記念公園陸上競技場

4年ぶり、再編後の大会としては初出場

キラリンピック
キラリンピック

今年1月の山口市駅伝完走記で述べたとおり、聾学校に長距離を走れる生徒がいることを知って出てみることとした。

キラリンピックとは、山口県障害者スポーツ大会のこと。以前は、身体障害者と知的障害者それぞれのスポーツ大会が別に開催されていたのだが、合同で開催されるようになって今年が4回目となる(全国大会も同様)。僕は8年前に初めて出場してから、再編後のキラリンピックは今回が初めてで、4年ぶりの出場である。

春に陸上、水泳、アーチェリー種目を行い、秋にバレー等の球技が行われる。年々、出場チームが減っていた聴覚障害者部門のバレーが廃止されたことは、以前、音のない世界での「ろう者とスポーツ」で少し、触れたが、それ以上に、今回の陸上部門に出場する聴覚障害者は少ない。聾学校生徒が大半で、成人、社会人の参加はほとんどいない。

これまで出場した5回の1500m競技も、いずれも聾学校生徒との出走。在学中の数年は彼らとこの大会で続けて顔を合わせるのだが、卒業してしまうと、それきりとなってしまう。陸上という競技が、学校を卒業してしまうと縁遠くなってしまう競技であるし、そもそも聾学校生徒らにとって県内での就職自体、容易でない。仕方ないといえばそれまでなのだが、さみしいかぎりである。

きこえなくても、走ることは

そんな中、中等部3年で6kmの区間を走る彼を知って、僕は非常に嬉しくなった。今春、高等部に進学した彼がこの先、長距離に意欲を持ち続けてくれるといいなと思い、久しぶりの出場を決めたものである。案の定、というべきか、1500mへの聴覚障害者の出場は僕ら2人だけ。合同開催になったおかげで、一緒に走ることとなった知的障害者が十数人いるとはいえ、僕らどちらか1人だけの出走だったら、どんなにかさみしかったことだろう。

彼は今、卓球をやっている、という。全国どこも似たような状況だろうが、聾学校は生徒数が少なく、部活動の選択肢がないゆえである。陸上を練習する機会はほとんどない、とこぼす。それでも、長距離への興味はあるようで、速くなるためにはどうしたらいいのか? と強い好奇心をもっている。

「どんな練習をすればいいのか?」「週にどのくらいの距離を走るのか?」「マラソンと1500mの練習は違うのか?」「ストライドは大きい方がいいのか?」など、専門的なことも積極的にたずねてくる。一番、面白かったのが、「走っていて苦しくなったら何を考えるのか?」「どうすればいいのか?」という問い。そう、それが長距離という競技。その気持ちを持っている限り大丈夫だし、そのストレートな気まじめさを何より頼もしく思う。昨年の全国ろうあ者体育大会に2名の高等部生徒の出場があったことも伝えておいた。

毎年、駅伝にも出場している知的障害者らは、日常的に走ることが施設の方針でもあるのだろう。走ることを通して得られるものは多い。彼や、これからの聾学校生徒らが、そうなってくれるといいなと思う。



 

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