第13回十種ヶ峰登山マラソン

2003/08/31 嘉年小学校グランド~十種ヶ峰山頂(標高989m)

故障明け、そして一気にシーズン突入

十種ヶ峰登山マラソンプログラム
十種ヶ峰登山マラソン

肋骨の疲労骨折が判明してから約3ヶ月ぶりのレースは、1ヶ月全く走らなかった、これまでにない長さのブランク明けということで不安が大きかった。緊張した。それから、カレンダーを見てようやく気付いたのが、来週が夕やけマラソン(10km)、そして翌々週がろうあ者体育大会(5千及び1万m)と、3週続けて計4本のレースになること。故障明けの身体にかかるダメージが心配だ。自分で申し込んでおいて気付くのが遅れたとは迂闊だったが、レースよりも練習を優先させるべきこの時期に3週続けてのレースは失敗だった。

前日は午後から大雨。「ぬかるんだ山道はきっと走りにくいだろうなあ」と、当日朝、起きてなお雨だったらパスするつもりでいた、迷いながらの出場。この時期にすっかり体調がピークにきてしまっていた、ここから1ヶ月で自己ベストを連発した昨年と異なり、今年は全然練習もできていないし、レースペースでのスピードで一度も走っていない。前日、流してみたらハムストリングスにも痛みが出たので、今回は無理してケガをすることのないよう、坂道トレーニングになればいいくらいのつもりで臨むことにした。

コース概況

  1. スタート後2.7kmは平地。ここは皆、抑えたスローペースで入る。10km出場者にとっては、開会式会場からバスで輸送されてすぐのスタートということもあって、アップ代わりの部分。
  2. 次の主会場のスキー場ロッジ前までの登山道からいよいよ、登山マラソンとよべる険しい斜面が続く。まずはこの、標高差150mをだらだらと1.7km駆け上がる傾斜で一気に苦しくなる。この時点で、無理しないつもりでいても、もう充分にきつい。久しぶりに強度を上げての走りだから、腿がすぐに張ってくる。
  3. ロッジに着いても息をつかせずにスキー場ゲレンデの急斜面が立ちはだかる。
  4. そして、次の山道に入るまでの1km。僕が一番苦しいと思うのはここだ。ここも初心者スキーのレッスンに使う斜面に沿っての道だから本当に苦しい。ここまでは一息つきたくてもつかせてくれない、憎らしいコース設定になっている。

十種ヶ峰登山マラソンコース図
コース図

  1. 5.6kmでようやくアスファルトの道から折れて山道に入る。実は山の中の道の方が随分と楽で、ここから再びアスファルトの道路に出るまでの約2kmの山中が一番、楽な部分。昔の人が歩いて登るために切り開いた山道は、無理せずに歩けるよう、時折下り坂も交えて大きくうねりながらのゆるやかな傾斜で造られている。車を走らせるためのアスファルト路と違って、登山道が人に優しいんだということがよく分かる。この部分があるから何とか10km走れるようなもので、本当に救いの部分。ただ、今年は前日の雨によるぬかるみで足元が滑り、バランスを取るのが大変だった。きっと転んだ人も多いはず。

この時点で1位にはかなり離されてしまったものの、2位をキープ。すぐ後ろの3位は、僕の方がいくら若いとはいえ、山道ではかなわないと思ってびくびくさせられていた芹澤さん。知る人ぞ知る、富士登山競争の大会記録所持者で、過去、7連覇を含めた通算10度の優勝経験を誇るものすごい方である。

  1. 救いの山中路で充分に呼吸を整えて、そして残り2.5km。再びアスファルトに出ての苦しい道が待つ。ここで山田君に並ばれる。すぐ後ろの芹澤さんは分かっていたけれど、山田君は見えていなかったから驚く。もっとも、驚くというのは彼には失礼で、実力的には当然というか、ここまで僕が前にいたのが不思議なくらい。彼が今回、どれくらい調子を整えての出場だったかは分からないけれど、7年続けて出ている僕の記憶の範囲では、彼は今回が初出場のはず。僕は充分コースを把握しているから、傾斜のポイントも力の入れ加減も分かる。それを初めてでこれだけやってのけるのだからすごい。地力が違う。

彼に並ばれてちょうど僕は、1位の背中が見えずにずるずるとペースの落ちかけていたときだったから、ここで心にカツが入った。負けん気、というのではなく、同じ陸上部の同い年の、誕生日も数日しか離れていないはずのついでに名前に同じ一文字もあるお互いのためにも。気合を入れて、ここから8合目までの約1.6kmを彼と並走した。今回のレースは、彼のおかげのこの部分があったから満足できるものになった。

汚れたアディダス・クバトRC
山道で大汚れ

それからもう一つ。最後、いよいよ舗装道の切れて山頂に続く道へと入る手前の最終給水所。彼は2つのコップを両手でつかむと、そのひとつを僕に差し出してくれた。とにかく遅れまいと必死だった、それだけで頭が一杯だった僕は、彼のこの行為にぐさりと胸を刺されてしまった。かなわないと思った。

山道を登りながら考えたこと

  1. 最後、山頂までは丸太で組まれた険しい階段道。ここはさすがに走れず、徒歩で一歩一歩、大きく足を繰り出してゆく。ここまでくるともう追い抜くのも難しいから、順位も変わることはほとんどない。順位もタイムもどうでもいいと思う場所だ。『草枕』ではないが、この山道を登りながら僕が考えていたのは、入賞賞品のことである。随分さもしいことだが・・・。

去年初めて入賞した僕は、6位までがもらえる副賞の内容を知っている。このままゴールできたら去年と同じ3位だ。1位、2位の入賞賞品は、阿東町特産品のそれぞれ、箱詰め徳佐りんごと長門峡の二十世紀梨である。実は昨年、副賞だけなら3位で嬉しいと思えたのは、1位、2位の果物よりも、3位のお米の方が現実的で長く食べられると思えたこと。今日も参加賞として、梨は既に3つもらっている。来週の夕やけマラソンも参加賞は有名な豊北梨のはずである。この上、箱詰めでもらって果たして食べきれるだろうか? と変な心配をしてしまった。いただけるだけで嬉しいことなのに、失礼な話だけれども。

十種ヶ峰登山マラソン
十種ヶ峰登山マラソン

8月末日。今年は冷夏というけれども、曇り空のこの日でも湿度は高く、発表された気温もそう低いものではない。ねっとりと汗がからんでくるような、でも体感としては涼しい中でのレースだったせいか、10kmの部は男女ともに昨年の覇者がそれぞれ、記録を更新しての連覇となった(6連覇の女子選手は大会新)。

久しぶりのレースで僕も、今年ばかりはやはり走り終えてすぐに膝と腿とに強い痛みが出てしまったけれど、とりあえず、大きなケガがなくてよかった。結局、2位になっていただくことのできた梨も非常に美味しい。


▼スタート時気温(8:20)
嘉年小 26度(標高389m)
ロッジ前 24度(標高549m)
山頂 20度(標高989m)

大会結果ページ



 

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