第31回全日本実業団ハーフマラソン

2003/03/09 山口県維新百年記念公園陸上競技場発着

男女ともに大会新

大方の予想(期待)どおり、男女ともに今、国内で最も速いだろう高岡選手(カネボウ)と野口選手(グローバリー)がともに優勝。そして大会新のおまけつき。昨年の男子・坪田選手(コニカ)のぶっちぎりの大会新もすごいと思ったけれど、今年の風と雨と雹(ひょう)の中で、後半のタイムをあげていった二人の大会新はもっとすごい。「ひどい天気でなければ、ともに日本新も期待できたのでは?」と思うのは僕だけでないはず。

それにしても、高岡、野口選手らのどこまでも圧倒的な強さには恐れ入る。それぞれ10月のシカゴ、1月の大阪国際というビッグ・レースで好記録を打ち出して、なおかつ駅伝も走りながらの今回のレース。少しは疲れが出てしまうとか、しばらく休息期間を取るとかいうことはないのだろうか?

8km手前(溝部様撮影、ご提供)
8km手前(溝部様撮影ご提供)

先月の別大を終えただけで気が緩んでしまう僕とは全く違う。さすがだ。僕など、すっかりたるんでしまっていた。別大を終えて1ヶ月経過するも、なお弛緩モードから抜けきれずに当日を迎えた。この大会は僕にとって来年また出場できるかどうか分からない、最もハイレベルな、かつ地元のレース。過去2年は緊張しまくっていたのだけれど、今年はその緊張感がさほどでもない。よくない意味での馴れが出てきてしまっていた。

 

山口は今日も、雨・・・。

僕が山口に住んでからちょうど10年になる。国宝瑠璃光寺五重塔、一の坂川、パークロード、サビエル記念聖堂、大内文化の名残り豊かな歴史ある街並みを日々通って暮らせることに大いに満足している。今のアパートは仮住まいであるけれど、蛍もSLも花火も眺められる景色の素晴らしさに愛着も深まっている。山口という街を大いに気に入っている。

けれども、ひとつだけ勘弁してほしいのは、雨の多さだ。

とにかく山口(市)は雨が多い。内陸部の山に囲まれた盆地の、すぐそこに山が迫っているという地形条件ゆえに本当に簡単に雨が降る。そして寒い。山口は本州最西端で暖かいように思われているけれど、海岸部はともかく、山口市はかなり冷え込む都市だ。

雨季に大量に降るという降り方ではなく、しとしとと降り続いて気を滅入らせる。事実、降水量だけでも全国上位にあたるのだが、いわゆる「量」ではなくて降水日数(回数)でいえばさらに上位になるだろう。

今回もそうだ。週末は晴れるはずだった天気予報が、例のように期待を裏切ってくれる。もう充分愛想を尽かしているとはいえ、雨が降り続くと練習もままならない。

前日土曜、全国各地からやって来た参加選手らが、開会式に、また、前日の調整走として維新公園に集まってくる。「ようおいでました」と、お迎えするのが山口の雨だ。おまけにひょうまで降ってくる。少し降っては降り止み、また、降る・・・の繰り返し。はっきりしない天気がいらだたせる。

日曜もそう。朝、やけに寒いと思ったら、雪が降り積もっている。山々は真っ白な姿。啓蟄も過ぎているというのに・・・。なお雨は降りながら、でも青空は広がっているから、この分ならスタートまでには止んでくれるのかと期待させるも、一体どっちなんだ? と思うくらいにここでも降り止んだり、また降ったり・・・。

折り返し後(大内矢田ののはなクリニック前)
折り返し後(大内矢田ののはなクリニック前)

さらに市内でも局地的に違う。車で数キロ移動するだけで空模様の違ってくることは市民ならよく知っているけれど、きっと参加選手には不可解に感じられたんじゃないか。スタートしてまず風。次に雨。折り返しの防府に向かうと青空が広がっている。それが再び競技場へ戻る頃には突然、強い雨が降り出し、ひょうまで大量に降り落ちてくるのだから。

「洗車した翌日に雨が降る」というのは昔懐かしいマーフィーの法則であるけれど、翌日どころか、洗車し始めたら降り出してしまうのが山口だ。どうにかしてほしい。

まあでも、山口の良さは、この閉じられた内陸部ゆえに文化が息づいてきた、雨に濡れる緑の中で歴史の香りが漂うところに訳で、こればかりはあきらめざるを得ない。

後半失速も、女子トップに抜かれない目標は達成

冷たい風の中をスタート後、前半から飛ばして入る。世界ハーフマラソン選手権の選考会も兼ねた今年のレース、これほどの高いレベルの大会にせっかく出場できるのだから、背伸びするくらいの気持ちで走らないと。

県庁までの5km、飛ばしたつもりが向かい風と上り坂とで16:51の今ひとつのタイム。でも今の僕にはこれが精一杯。あとはどんどん追い抜かれていく。唯一、追い風となる次の5kmで少し盛り返すことができたけれど、昨年に同じく、健闘はここまで。あとは1kmごとの表示が長く感じられる苦しい走りとなった。冷たい雨と風とで、足の筋肉もガチガチにこわばっていくのがはっきりと分かる。15kmから大きく失速し、前方の集団も視界から消えていった。リタイアしてゆく選手らを見て、「今日ばかりは僕も棄権してしまおうか・・・」と弱音も頭をもたげてくるが、「棄権するほど速いレベルの選手ではないのだから」と言いきかせてふんばる。

16km手前(溝部様撮影、ご提供)
16km手前(溝部様撮影ご提供)

それから、もうひとつ、後半なんとか頑張ることのできたのは、女子選手に追い抜かれまいという目標があったから。「5分遅れスタートの女子選手には抜かれない」ことを今年の目標に公言。女子選手に抜かれる時、TV画面の端に写ってしまうのは、今年こそ避けたいと思った(周りは喜んでも)。

今年の女子は野口選手と小鳥田選手(デオデオ)の力走が素晴らしく、そろって8分台の大会新となった。一昨年はその野口選手に15km手前で、昨年は小鳥田選手に(彼女への応援の最も多くなる)デオデオ山口店前で抜かれたけれど、今年は最後まで抜かれずに持ちこたえることができた。「5分遅れ」の「女子」選手に抜かれないことで喜んでいてはいけないけれど、ホッとしたというのが本音だ。

春待ち遠しく

松井君の言葉を借りれば、「一年の総決算」のレース。何とか無事に終えることができたけれど、今回がこの一年で最も苦しいレースだった。このところ全く感じることのなくなっていた、別大後でさえあらわれなかった筋肉痛がひどい。走り終えてしばらくは寒気も残った。午後からいつものようにTV放映を見ようとするも、ひどい疲労感と虚脱感とで目を開けていられなかった。

走りながら思っていたけれど、沿道の応援の方々、そして大会役員、雨の中を立つ走路員の方々に沁み入る寒さはきっと相当につらいものだったろう。本当に頭の下がる思いだ。でも、そうして支えられた大会新と思うと、悪くないものなんじゃないかな。

意地悪い天気に包まれたこの日の山口も、こうしてめでたく男女そろって大会新で飾ることができたのだから、これで明るくすっきりとした春の到来になってほしいと願う。

<スタート時の天候>
天気:雨
気温:7.1度
湿度:64%
風向:北東
風速:4.6m

記録 1時間12分52秒(16:51-16:45-17:18-18:05-3:52)


大会結果(中国実業団陸上競技連盟)



 

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