クルマとアメリカと70年代 映画「断絶」

評価に時間が必要だった惨敗アメリカンニューシネマ

断絶

断絶
ジェイムス・テイラー(James Taylor)
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ずっと劇場に出向いていないこと久しい。仕事等で余裕無くとも、たまには暗闇に沈む時間をとらないと。

約3年半ぶりスクリーンでの鑑賞に出向かせたのは、好きなクルマと70年代アメリカと、そのノスタルジーなシャワーを浴びたくて。

映画通向けマイナーな作品の上に興行的にも成功しなかったというから期待半分でいたけれど、なかなかどうして面白く、非常に素っ気ない作りのようでいて、次はどうなる? どうくる? という読めない展開のテンポが心地よかった。

"流し" の賭けレースで食い扶持をつないでいる二人の若い男と、勝手に転がり込んできた女の子、ネギを背負って火中に飛び込んで来たような中年オヤジ、の4人+2台のストーリー。4人に名前はなく、2台はオープニング、エンディングロールでともに紹介されるれっきとした役柄である。

なんでもオヤジ以外はあえて当時、演技の素人を起用したという、それゆえのぶっきらぼうさが良いのだけれど、その分、オヤジの饒舌ぶりが目立って愉快で、一歩、間違えればよくあるコメディー映画になりさがってしまいそうな、僕としてはそっちの方が観たかった気もするが、でももちろん、踏みとどまらせるところがニューシネマだったか。

僕自身が旧いせいもあるかもしれないが、40年前の映画とは思えない、評価を得るのに年月が必要だった、といった感じ。4人中3人が自殺、急死、溺死という不幸に終わった、まさに映画の続きのような現実、そのことがまたこの映画を意図せず延命させているのだろう。


モンテ・ヘルマン21年ぶりの監督作『果てなき路』オフィシャルホームページ


満足度:★★★★
1971年アメリカ
2012/09/01 山口情報芸術センターにて


 

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