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多読術
読書は編集である
著者によれば「あとがき」から読むのも「まるまるオーケー」という、そのあとがきが『本を読む本』(アドラー&ドーレン)のことから始まっている。その昔、僕も伊丹十三が絶賛していたのに影響を受けて読んだことのある、でも何だか高尚すぎてかなわなかったことのある古典だ。
この名著を引き合いにして、もっと「うんと柔らかい」読書法を目指したというのが本書。インタビュー形式による語りとなっているから、なるほど読みやすい。
タイトルの「多読術」は、著者がネットで展開している「千夜千冊」にちなんだ出版者側のアピールなのだろう。ただ、著者自身が「多読」を薦めているわけではなく、内容はストレートな「読書術」となっている。
著者にしてみれば柔らかい内容で、教科書的な押しつけがましさは確かにないのだけれど、さすがにレベルは高い。提供されているヒントに「なるほど」とうなずきつつ、実践するのも簡単ではないだろう、でもちょっと背伸びして頑張ってみようかという気にさせる本ではある。
- 三割五分の打率で上々
- 空振り三振するのも大事
- 本棚との親和性
- 読書は癒しでなくアライメント、整流
- 図書室の閲覧カードに残るクロニクル
・・・・等々、ふんだんのヒント、エピソードが面白かった。
個人的にはやはり、最初に出てきた「本は二度読む」が常々、自分も意識している課題だなと思う。一回読んだからいいや、でなく、あえて自分を再読に追いやる動機をつくってやること。『本を読む本』も・・・かな。
本というのは、長い時間をかけて世界のすべてを呑み尽くしてきたメディアです。・・・・本の中に入らなかったものって、ほとんどないんじゃないでしょうか。
もしも人間と動物を決定的に分けているのが「言葉」と「意味」だとすれば、やはりすべての人間なるものの源泉は、その大半が本の中にあるといっていい。
満足度:★★★
2009-07-10



