しがみつかない生き方

多忙すぎる現代人向け

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書) (新書)
しがみつかない生き方

昨年のベストセラーを遅きに失しながら大晦日にブックオフで入手して読んでみた。

精神科医の立場から、うつ病の増加や「ふつうの幸せ」さえ手に入れられずに深く悩む人に対してのアドバイスといった、ある意味では限られた対象者向けの本。自己啓発本の多くの「ガンバレ」に対して「がんばらなくていい」「ほどほどでいい」という内容はこれまでにも珍しくはなかった、必ず一定の比率で存在していたけれど、ここまで売れたのは最終章の「<勝間和代>を目指さない」のインパクトが強かったからだろう。

流れとしては「悩む力」であり、特に小泉-竹中路線への厳しい批判の共通する森永卓郎氏の論であり、といったところか。

僕自身、カツマーなる表現が登場する前から勝間本にはやや違和感を感じるところがあったので出版当初から興味は持っていた。ただ、だからこの本を支持するかというと、そうはまた言い切れないところがあって、ちょっと緩すぎるんじゃないかな、とも思えるところも大きい。

最初に書いた通り、この本は精神科医にお世話になるような深刻な病を抱えている、あるいはなりかけている人向け(雅子様がとても心配らしいことが本書にも出ている)で、元々、ほどほどでいい生き方をしている普通の人はある程度、しがみつかないと、あっという間に滑り落ちる、転げ落ちてしまう。

カツマーな論調が幅を利かす時代の一石としての意味は大きいものの、内容自体はかなり軽め。新書にそこまで求めても仕方ないが、余程、漱石なり何なりの小説を読んだ方がいいように思う。新書で癒やされようとするのも安易で、それだけ多忙すぎるのが現代人。

満足度:★★★


 

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