劉邦(上)

男としての性根

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劉邦(上) [ 宮城谷昌光 ]
価格:1,728円(税込、送料込)

この先まだ中、下巻を控えるが、前回記した時間差でほぼ同時期に読み始めた4冊の中では最初に読了。

起伏に富みドラマティックな文体で読ませる司馬に比べると説明の丁寧さ、真面目さの印象が強く、歴史物につきものの波乱や激動やの流れに乗せるというより(まだそういう場面でないのかもしれないが)、人間の周囲の背景やら制度やらの解説が詳しい。遅れて知ったが、毎日新聞の連載小説だったということで一話ごとにゆっくり進められるせいもあったのだろうか。

色んな視点での語られ方があるんだろうが、さてどうなるのかが楽しみに予約待ち。

今とは比べものにならないくらい人生の晩年に近いだろうような四十代後半(47歳)で登場し、「かれ自身、四十八歳であるが、たいしたことを成したわけではない。むだに生きてきたと嗤われるであろう」とされている劉邦の描かれ方、また、県庁、行政府を中心とした官吏らの能吏の哀しさといった人物評など、役人の描かれ方も今回は色々と今の自分に面白い。

しかし劉邦は弁舌の徒ではない。

── 口だけなら、なんとでもいえる。

劉邦は行動に美をみる者であり、思想は体現してはじめてその佳良さが輝く、とおもっている。

── 命懸けになったことのない者に、なにがわかろうか。

ひらたくいえば、そうなる。

★★★

宮城谷昌光(毎日新聞出版)

2015/09/21読了、2015/09/21メモ



 

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