みちくさ道中

道草の連続

入院用に持ってきた木内氏のもう一冊はエッセイ。

半端ではなかろう力の入れ具合がよく分かって読み応えズシリな小説に比べるともちろん気軽で読みやすい、主に新聞に掲載されたというもの。

浮世女房ー や笑い三年、ー 短編集の一部など、この人はその気になれば始終、笑いの物語もいくらでも書ける、きっとこのエッセイも掲載先が日経などの新聞紙面でなければもっと奔放に笑わせてくれたのだろうが、それでも充分に楽しく読ませる。

著者とは同い年かひとつ下か(まだ突き止められずにいる)の同世代ゆえ、学齢期のことについて触れられた稿にはいっそうの親近感を強くさせられた。「六ムシ」を心の拠りどころにしていたとか、王貞治の756号前の巨人全盛期の頃など…^^

初めて知って驚いたのは、かなりな野球好きで中高大と厳しい部活の体育会系女子であったということ。僕らの世代は最後のスポ根世代と呼ばれているのだが、そういわれれば著者の作中人物にみられるスジの通し方などはそうだなとうなずけるし、著者自身がちばあきおの世界をふんだんに持っている。

女子が「ちゃん」付けで呼び合うと弱く見える、という理由で、「マツキ」「クリバヤシ」「オオハシ」などとチームメイトは苗字を呼び捨てにしなければならない。美容院に行く間もないので、髪はキャプテン・キムラに切ってもらう(上手だった)。一生に一度しかない花の女子高生期を男らしく過ごしてしまったことには、忸怩たる思いがある。

★★★★


 

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