球道恋々

白球礼讃

という言葉(実際に詩人平出隆によるそういう本もある)を読みながら何度も感じさせられた、野球、ベースボール讃歌の小説。出版社の紹介は「明治野球の熱狂と人生の喜びを軽やかに綴る痛快長篇」。

かつまた、著者自身がちばあきおの「キャプテン」や「プレイボール」に傾倒してソフトボールに明け暮れた経験を持つので、愛情はひときわ。明暗、陰陽、躁鬱? 書き分けるのが得意な? 著者のとことん明の方の、内容自体は戯作、滑稽本、単行本541頁、長いといえば長い壮大なフィクション・・・といったところで、ここまで野球に肩入れできない人にはどうかな、というのもあるかも。

ただ、野球を通して人生を語らせる、もちろん、それは野球でない他の何であっても、の、そっちの方が段々と重点になっていき、フィクションであっても、多少、正論過ぎて教訓じみていても、目頭の熱くなる箇所が何度も。

著者の作品は、著者自身の志向がそうなように、どちらかというと職業として一つのことを極めることを追求していくところが顕著だったけれど、また一方で、生の蹉跌や挫折を掬うのもとても上手い、そのミックス感が今回またひとつの新しい境地のようなものを感じさせられた。

そう考えると僕は嬉しくなるんです。自分が野球という大きな流れの一滴になれたことを、

★★★★★


 

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