角田光代V.S.絲山秋子

角田光代(2007年刊 中央公論新社)

2009/04/24読了、2009/04/25メモ

同い年作家の共通項

2007年刊中央公論新社

前回、角田光代を読んだ理由が同い年作家だからと書いた。同い年作家でいうと、僕のひいきは絲山秋子の方。

この2人はともに同学年、早稲田の卒業で(但し絲山は一浪後の入学、角田は?)、角田が一文で在学中から作品を書いていたのに対し、絲山は政経からいったん就職しており芥川賞作家としては初めての大卒総合職経験者というニュースにもなった。角田の方は直木賞を受賞・・・と、似たような軸を有しつつも好対照なのが面白い。

前回、触れたように作風も角田が女性の世界を描いて女性に支持されているのに対し、絲山作品には多くは同級生、あるいは同世代として男性が登場して、その男女の厳しく、そして優しい関係が主題となることが多い。

角田の出身高校は女学校、らしくて、その古風な響きであるのが影響しているのかな。・・・と、角田作品を一作しか読んでいないのに偉そうなことはいえないのだが。

絲山を持ち上げようというものではない。

作家としての活動歴も作品のヴォリュームも角田の圧勝であるし、女性に支持される内容というのがとてもよく納得できる。非常に誠実な書きぶりで、ファンの根強いだろうことも理解できる。日常生活の延長の、女性の心情をすくいとるのがうまくて、友情を通して生きる力──というと大袈裟だけれど──を与えてくれるようなところがあるのだろう。

例えば、横山秀夫が仕事に生きる男の熱さを徹底して描く、女性はお茶くみ程度にしか登場しないのは女性からすると面白くないかもしれない、でもまあ、そういう世界も分かりやすいように。

絲山の方は酒豪で躁鬱病で豪放磊落な姉御肌、親分肌もあって男からすると面白い感じ。マツダのルーチェなんて、並の女性では絶対に出て来ない。

それぞれに持ち味があっていい。これからも2人の作品に注目していきたい。

満足度:★★★★


 

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