格闘して生きる姿に憧れて--いたいほどの青春時代--

大越 健介(2012年8月5日 朝日新聞)

2012/08/06読了、2012/08/07メモ

大人になっても買い直し

最近、「ミヤタ ルマン」の検索フレーズで思い出して18歳の夏休み を読み返していたところだった。そういう季節なんだよね。

ちょうど一年前の8月、毎日の書評「この人この3冊」の北杜夫選に火山学者鎌田浩毅氏が「どくとるマンボウ青春記」をトップに挙げられていたことを記事にした。

その後に訃報があって北氏の著作が見直されてきているところ、今度は朝日の書評「思い出す本 忘れられない本」のコーナーでNHK「ニュースウォッチ9」キャスターの大越健介氏が本書への思いを熱く語られていた。

いわく、中学生時代に書評で知って買い求め夢中になった。ちょうど中学生の野球少年が高校球児に憧れるような感じで、中高時代に10回近く読み返した。さらに大人になっても3年ごとぐらいに読みたくなって買い直している。最近は訃報をきいた時にも。

──と、大学入学直後に読んだ懐かしい思い出くらいの僕と違い、中学から読んで何十回も読み直されているというのが、さすがは東大-NHKの顔の方だなぁ。

確かに、抱腹絶倒のユーモアが散りばめられている一方で、同時に若さゆえに悩み、迷いながら人生を考える哲学が随所に見受けられる。もちろん、それが大上段に構えた教科書的なものでなく、青春記特有のみずみずしさを失わず、若気の至りを後で思って気恥ずかしくなるような、未熟さも反省も混ざった、必ずしも明るいばかりでない苦さのたくさんあるところが、深遠なものでもあるわけだ。それをそうと意識させないのがまた著者の絶妙な筆であり。

青春のまっただ中にいる人の「まぶしさ」や「いたさ」に初めて触れ、憧れました。


  *  *  *  


以来、「青春記」で描かれた年齢を追い越しても、いつも振り返るんですよ。あんな時代が自分にはあっただろうか。いたいほどの青春時代を過ごしただろうか、と。


  *  *  *  


いまだに憧れ、「そこにもどる」という、僕にとっては、そういう本なんです。

1年前の鎌田氏同様、この方もまた「青春をいくつになっても失わない生き方」をされている方だなあ、としみじみ。普段、その音声に触れられないでTV画面のみで見ている自分には、どうしても分かりにくい(キャスターゆえに)のだけれど、今後は見る目も変わってきそう。

満足度:★★★★★


格闘して生きる姿に憧れて
格闘して生きる姿に憧れて

 

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