ブラインド・マッサージ

盲人達の人生模様

南京のマッサージ店で働く盲者(視覚障害者)らの生活、人生、社会を描いた物語。各章名にも登場人物の名前がそのまま振られているなど、群像劇といってしまえばそうなのかもしれないが、賑やかさというより、時々、交錯しながらもそれぞれが真っ直ぐに突き進んでいるような、透徹したような人生の描かれ方が面白い。

僕自身、聴覚障害を有する立場から、視覚障害には強い関心── 共感であり、また違いであり ── を常日頃から感じている。自らの障害との対峙、同障者との関係、晴眼者(健常者)との関わり、社会とのあり方等々を通じての、それぞれの人生を生きる姿が繊細に、物語性豊かに繰り広げられていて期待以上のものだった。

昨年読み終えていたが、気が付けば昨年はきちんとした読後メモとしては一冊もアップできないまま。本作も図書館で借り直し+延長を繰り返してやっと読み終えたくらいに、昨年は圧倒的に読書量の少なかった一年だったが、この一冊が素晴らしかったのが救い。

10月の日経書評で興味を持ったもの。ハ・ジンの「自由生活」、イー・ユンリーの「独りでいるより優しくて」等、日経書評で取り上げられているのを読んでみたら大当たり、に感動の大きい秀逸な中国文学。決して中国文学や中国に関心があるわけではない、偶然ではあるが、いずれも人間の深層に迫るところが読み応え充分。

ハ・ジンやイー・ユンリー以上に、作者は日本では全く知られていないという、書評は日経だけ? なのが非常に惜しい秀作。中国では映画化もされているようで、今月から全国でもロードショー。ちょうど上京の予定あり、多分、小説の深みは出しにくいだろうと思うが、映像の方も関心あり。

★★★★★


映画『ブラインド・マッサージ』南京の盲人マッサージ院を舞台にロウ・イエ監督が描く、生きることの希望と絶望を凝視する衝撃作

ブラインド・マッサージ 畢飛宇著 等身大の障碍者の姿描く試み|NIKKEI STYLE


 

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