64 下

昭和64年は終わっていない

64(下)

64(下)
著者:横山秀夫
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TVドラマの方はだいぶ前に終わっていたが原作も読み終える。長編にするだけのことはあるラストとそこに至るまでの周到なつくり。

ドラマも良かったが、原作に忠実であろうとした分、5回の放映でも足りない。どうしても主人公の心の中、長い独白までは表情では伝えきれない。同じくNHKでドラマ化された角田光代の「紙の月」がその後に映画化されたように、本作も今後、映画化はあるだろうか。大きくデフォルメする形になりそうで作者が許しそうには思えないが、映画人は手ぐすねひきそうだろうか。

読みながら、自分にとっての「64」前後を色々と思い出させられた。当時大学4年。昭和63年後半が長いこと「自粛」ムードに覆われていただけに、不謹慎と思いつつ、多くの日本人がやっと重みから解放されたような雰囲気ではなかったか。

ドラマの中では、事件当時はまだ14年前の設定のはずが、三丁目の夕日かと思うくらいにえらく色褪せたセピアな回想シーンとなっていたのに「さすがにそこまで古びてないよ」と言いたくもなった。昭和63年そして平成元年というのはバブルの絶頂期目前、世の中が青天井に湧いていた頃で、その後の不況を経た今よりもある意味、ずっと華やかで色付いていた頃だ。

当時のことは思い出せないことも多い、それだけ自分も21歳の若い頃であり、毎日が目まぐるしい色んなことがあり過ぎた日々だった。

横山秀夫(文春文庫)

2015/05/21読了、2015/06/14メモ

★★★★


 

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